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新車試乗レポート
更新日:2018.11.08 / 掲載日:2018.04.19

ポルシェ パナメーラ 試乗レポート

ポルシェ パナメーラ

大幅な軽量化、剛性強化が行われた新たなプラットフォームに加えエンジンも刷新。ポルシェの4ドアサルーン「パナメーラ」が2代目で見せたのは懐の深い走りのさらなる進化だった。

技術面の大幅刷新でさらに輝く4ドアサルーン

 スポーツカーメーカーがつくる4ドアセダンのパナメーラは、2009年のデビュー当初から高い支持を受けてきた。ほかのプレミアムブランドと違うのは、やはりそのパフォーマンスの高さだ。2代目ではパナメーラ ターボが、ニュルブルクリンクのタイムアタックで911GT3(997型)を打ち破ったことが大きな話題にもなっている。

 だが、実際にパナメーラ ターボのステアリングを握ってみて驚かされるのはコンフォート性能の高さ。にわかにはサーキットで速いタイムを叩き出すモデルとは思えないほどなのだ。その根源となっているのがMSBと呼ばれる新開発プラットフォーム。骨格部分には主にハイテン鋼を用いながらパネルの大部分はアルミニウムとすることで、強靱かつ軽量。ホワイトボディでは従来に比べて約70kg軽くなっているという。また、エアサスペンション(パナメーラ ターボは標準装備)はストラット内のチャンバーを従来の2つから3つへ増やして容量アップを図るなどシャシー性能も進化している。

 走りはじめてまず感じるのは、軽やかになったことだ。ドイツ車らしい重厚な乗り味だった初代モデルとはまるで違う。何の抵抗感もなくスーッと滑らかに走っていく動的な質感がそう感じさせるのだろう。しかも静粛性が高く、低速域でまるで硬さを感じさせないほどまろやかな乗り心地なのだから、本当にハイパフォーマンスカーなのだろうかと思ってしまっても無理はない。エアサスペンションは容量があるほどスプリングレートのレンジが広い。つまり硬軟の幅がとれるから、新たな3チャンバーが乗り心地で有利なのは間違いない。さらに、新規開発モノなのに完成度が高いというのも見逃せない。エアサスペンションは優れた資質があるものの、制御の煮詰めは難しく、特定の路面では急にぎこちない動きとなってしまうことも見受けられるが、パナメーラでは違和感を持つことはなかった。

 そんな一級のコンフォート性能を持つパナメーラだが、高速走行に移ればとてつもない操縦安定性をみせつける。エアサスペンションが速度に合わせて車高を調整する効果も高いのだろうが、速度をあげればあげるほどに、ビタッと路面に吸い付いていくようなフィーリングにはおそれいった。まるで、高速なほどダウンフォース効果が高くなるフォーミュラマシンのようなのだ。街中での軽やかさとは別モノのガシッとした感触になり、路面が荒れていようが横風を食らおうがフラットな姿勢を崩さない。加えてつねにしなやかであるのも見事だ。

ポルシェ パナメーラ

 これだけ高速直進安定性が高いと、コーナーで気持ちよく曲がってくれるのかどうかという疑問も浮かぶが、これもまたいい意味で予想を裏切る。50km/hまでは逆位相、それ以上は同位相となるリヤアクスルステアリングを装備していることもあって、ロングホイールベースだが、タイトコーナーでもまったく無理なくクルリとまわり込んでいく。

 550馬力のターボユニットは呆れるほどのパフォーマンスを発揮するが、その一方、PDKも含めてあらゆる場面でドライバビリティに優れる柔軟性の高さも持ち合わせている。ダイレクトでスポーツカーらしい面と、普段乗りでの扱いやすさが同居しているのだ。

 技術の進歩は、ときに相反する要素を両立させたりもするが、パナメーラはまさにそのよき手本。ピュアなスポーツカーとラグジュアリーサルーンの融合が高い次元で達成されているのだ。

文●石井昌道
写真●内藤敬仁、澤田和久(走り)
問い合わせ ポルシェ カスタマーケアセンター TEL:0120-846-911

Detail Check

  • コックピット

    ポルシェ パナメーラ(コックピット)

  • コックピット

    基本5つのメーターで構成されるが、中央のタコメーター(機械式)を除く左右の液晶パネルには、マップなどを表示することもできる。ステアリングの右下に見えるスイッチで走行モードを切り替えることが可能になっている。室内は素材の質感、操作感ともにレベルが高い。

  • インテリア

    ポルシェ パナメーラ(インテリア)

  • インテリア

    見た目以上にホールド性が高いフロントシートには、メモリー機能付の14ウェイ調整式の電動パワーシートを標準装備する。リヤシートは、左右の中央にドリンクホルダーが備わる。定員は4名だ。

  • エンジン

    ポルシェ パナメーラ(エンジン)

  • エンジン

    フロントに整然と収められる4L V8ツインターボエンジン。力強さとしなやかさが同居するユニットは、ほとんどの部分がカバーされている。タワーバーが存在感をアピールする。

  • ラゲッジスペース

    ポルシェ パナメーラ(ラゲッジスペース)

  • ラゲッジスペース

    大柄な4ドアモデルのラゲッジはハッチバックスタイル。リヤにかけて低くなるクーペスタイルながらも、標準時で495L、後席を展開して最大で1304Lの容量を誇る。

  • エクステリア

    ポルシェ パナメーラ(エクステリア)

  • エクステリア

    この通常ボディのほかに、今回の2代目では、ホイールベースが延長された「エグゼクティブ」とステーションワゴンタイプの「スポーツツーリスモ」が新たに設定されている。

ポルシェ パナメーラ ターボ(8速AT・PDK)

※一部の数値は欧州データ。

全長×全幅×全高5049×1937×1427mm
ホイールベース2950mm
車両重量2070kg
エンジンV8 DOHCターボ
総排気量3996cc
最高出力550ps/5750-6000rpm
最大トルク78.5kg m/1960-4500rpm
ブレーキ前後Vディスク
タイヤサイズ前・後275/40ZR20・315/35ZR20

全国メーカー希望小売価格(発売 2017年2月)

※エグゼクティブ、スポーツツーリスモを除く。

パナメーラ(8速AT・PDK)1162万円
パナメーラ4(8速AT・PDK)1212万円
パナメーラ4 Eハイブリッド(8速AT・PDK)1436万円
パナメーラ4S(8速AT・PDK)1628万円
パナメーラ ターボ(8速AT・PDK)2377万円
パナメーラ ターボ S Eハイブリッド(8速AT・PDK)2831万円

Body Color

※ほか10色。

 ブラック
 サファイアブルー メタリック
 □ホワイト
 マホガニー メタリック
 ロジウム シルバー メタリック
 カーマインレッド

ハイブリッドモデルはさらに過激なスペック

  • ハイブリッドモデルはさらに過激なスペック

  •  システムトータルで680馬力と86.7kg mを発揮するハイブリッドモデル「ターボS Eハイブリッド」は、0-100km/h加速がわずか3.4秒(ターボは3.8秒)という俊足を誇る。電気モーターは単体で40.7kg mの大トルクを誇り、140km/hまではモーターのみの走行も可能というのだから恐れ入る。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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