新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2018.02.15
アルファ ロメオ ジュリア 試乗レポート

アルファロメオ伝統のスポーツセダンの車名を受け継いだ「ジュリア」が、FRアーキテクチャーを復活させて登場した。スタイリッシュさで早くも話題を呼んだ新型の気になる走りはいかに!
FR復活で伝統の名が一層輝くアルファセダン
クルマ好きのなかで、昨年もっとも話題になったモデルといえば、ジュリアに違いない。このところ新型車の導入がなく影を潜めていたアルファロメオだが、このクルマの登場で一気に注目を集めた。アルファロメオ好きってこんなにいたの?ってくらいだ。
ジュリアがこれまでのアルファロメオと違うポイントはいくつかある。最新のプラットフォームやフェラーリエンジニアリングのパワートレーンなど、クルマ好きを振り向かす要素は多い。なかでもアピールポイントになっているのはFR駆動の復活。155の前身75以来となる。ざっくり20余年ぶりだ。
FRプラットフォームの復活にはアルファロメオブランドの復権が意図される。大衆車から走りを意識したプレミアムブランドへの移行だ。それもあって、今回はクアドリフォリオという隠し球も用意した。ほかのグレードとは一線を画すスーパースポーツである。
その話の前に、クアドリフォリオ以外のラインアップを整理しておこう。エンジンは馬力違いがあり、駆動方式はFRとAWDが用意される。エントリーモデルのジュリアは受注生産。そのジュリアとジュリアスーパーに搭載されるエンジンは2L直4マルチエア+ツインスクロールターボで200馬力を発揮する。駆動方式はFR。ジュリアとジュリアスーパーの違いはホイールで、前者は17インチ、後者は18インチを装着。ジュリアスーパーはグレードが高い分装備も充実する。
その上のジュリアヴェローチェは同型のエンジンながらパワーを280馬力にスープアップしている。駆動方式はAWD。その部分でも性格の違いが現れる。走りも当然上質になるのはご想像のどおりである。
それでは価格が一気にジュリアヴェローチェの2倍近い1132万円になるクアドリフォリオはというと、まったくの別物。エンジンはフェラーリエンジニアリングが関わる2.9L V6ツインターボで、マックスパワーはなんと510馬力を発揮。
しかも、このエンジンサウンドがたまらない。イタリア人が好みそうなレーシングカーのあの乾いた音がエキゾーストから響き渡る。それはスターターボタンを押したときのブリッピング音からしてそうで、瞬間的にドライバーはアドレナリンを分泌させることだろう。まさに、アルファマジックにハマった感じである。

では実際に走らせた印象だが、2L直4マルチエア+ツインスクロールターボはじつに軽快で気持ちよかった。FRとのマッチングがよく、リヤ駆動ならではのフットワークの軽さがドライバーに伝わる。17インチと18インチでは乗り味が変わるが、それは好みの問題。どちらが優れているのではなく、車体をどうコントロールするかだろう。
280馬力のジュリアヴェローチェはこれに対しひとつ上のサルーン的。AWDの安定感もあり、スポーツ性が高まる。速く走りたい人向けだ。
それじゃクアドリフォリオはというと、まんまスーパースポーツ。メルセデスでいうところのAMGで、見た目は一緒でも走りはまったく異なる。ダブルプライスは伊達じゃない!510馬力の底知れぬパワーもそうだし、足の設定もしっかり路面をグリップしながら硬すぎないのには驚く。こんな技術を彼らは持っていたんだと感心するばかり。
といった4つのキャラクターをもったジュリア。個人的にオススメしたいのはジュリアスーパー。FRアルファの復活を存分に楽しんでください。
文●九島辰也 写真●グーワールド
問い合わせ アルファコンタクト TEL:0120-779-159
Detail Check
コックピット
コックピット
ドライバー中心にデザインされたインパネまわり。スターターボタンがステアリング上にあるのが印象的。フェラーリ風だ。ギヤボックスは全グレード8速AT。
インテリア
インテリア
写真はヴェローチェのインテリア。ドライバーズシートはホールド性の高いものが装着される。またアルファブランドのポジションが上がったこともあり、これまで以上にレザーなどが上質になった。
エンジン
エンジン
エンジンは2L直4マルチエアのターボ。200馬力と280馬力がある。どちらも高回転まで回る気持ちのいい仕上がりとなる。
トランク
トランク
デザイン優先のためトランク開口部はそれほど広くない。が、トランクスルー機構があるのでスキー板などは問題なく運べる。
アルファの情熱を存分に体感できる500馬力オーバーの戦慄!
エアロパーツのほか、19インチの大径ホイールやツインテールパイプなどでドレスアップされるクアドリフォリオ。だが、中身は見かけ以上にチューンナップされる。510馬力のエンジンパワーを筆頭にスーパースポーツを地で行く。
アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4655×1865×1435mm |
---|---|
ホイールベース | 2820mm |
トレッド前/後 | 1555/1625mm |
車両重量 | 1670kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1995cc |
最高出力 | 280ps/5250rpm |
最大トルク | 40.8kg m/2250rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 225/45R18 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2017年9月)
アルファロメオ ジュリア(8速AT) | 446万円 |
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アルファロメオ ジュリア スーパー(8速AT) | 543万円 |
アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ(8速AT) | 597万円 |
アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ(8速AT) | 1132万円 |
Body Color
■アルファ レッド ■イモラ チタニウム □アルファ ホワイト ■モンテカルロ ブルー ■アルファ ブラック ■シルバーストーン グレー |
※ほか6色。
新世代プラットフォームはまずはジュリアから発進!
新型ジュリアのプラットフォームは“ジョルジオ”と呼ばれる新開発されたもの。エンジン縦置きのリヤ駆動をベースにレイアウトされる。要するに走りに特化したプラットフォームで、今後FCA グループで共有することも想定される。ちなみにSUVのステルビオはすでにこれを採用している。