新車試乗レポート
更新日:2018.11.12 / 掲載日:2017.09.21
アウディ Q2 試乗レポート

アウディ自身が、これまでのブランドイメージとはひと味もふた味も違うモデルを目指して作った「Q2」。たしかなクオリティに裏打ちされつつ、随所に冒険心が感じられるアクティブコンパクトが誕生した。
イメージ転換をねらう型破りなコンパクト誕生
ほかのドイツブランドに劣らず、アウディはSUVラインアップの構築にチカラを入れている。Q3、Q5、Q7がそうで、そこに今回紹介するQ2が加わった。
Q2の特徴はそのデザインで、これまでの流れをくみながらも新鮮さを醸し出す。広告キャッチコピーが「#型破る」っていうのもそんな感じだ。イメージ的には、より未来感が強まる。
具体的には、英語で多角形を意味するポリゴンが各所に散りばめられる。シングルフレームのフロントグリルもそうで、ほかのQシリーズとちょっと違うのがおわかりいただけるだろうか。よく見ると六角形ではなく八角形となる。結果、バンパーとのからみもあるのだろうが、エッジが効いているように見えるのだ。
この傾向はフロントにとどまらず、サイドのキャラクターラインやリヤフェンダーの膨らみを見てもわかる。面構成がかなり複雑に組み合わされているのだ。また、そうしたつくりのなかでコントラストとなるのがリヤピラー。このブレードをボディ同色はもちろん、アイスシルバーメタリックかマットチタングレーに換えることができる。写真をご覧いただけると一目瞭然だが、かなりのアクセントになる。おしゃれなアウディらしいポイントだ。
また、このクルマに関してはサイズもしっかりチェックしてほしい。全長4200mm、全幅1795mm、全高1500mmはとても実用的。というのも、最近はコンパクトSUVブームといえども全幅が1900mmくらいあるのもざらだからだ。また、全高はナビ用アンテナを付けても1530mmなので、1550mm制限の機械式駐車場におさまる。これなら休日都心のファッションビルに乗りつけても不自由することはない。行動範囲を制限されることなく楽しめるというものだ。
エンジンは、ボトムに1L直3ターボがあり、上のグレードに1.4L直4ターボが用意される。どちらもTFSIと表記される直噴式で、最高出力は前者が116馬力、後者が150馬力を発揮する。組み合わされるトランスミッションは、ともに7速DCTとなる。

今回試乗したのはそのなかの1.4Lユニットを搭載した「ファーストエディション」で280台の限定モデル。初めからオプションが付いた豪華仕様車で、490万円~495万円と、200万円台のプライスタグをつけるエントリーグレードとは大きく価格差を生むが、装備を細かく見ていけば割安感はしっかりあるのをおわかりいただけると思う。
そんな記念モデルを走らせた印象だが、これがじつによくできていて、アウディの上級車種と変わらない。ボディ剛性、ステアリング剛性の高さはドイツ車然としていて、操作性がいい。またD型のステアリングホイールはスポーティなフィーリングを持つので、機敏な動きと相まって運転が楽しく感じる。この辺の味付けはTTに通じるものを感じた。
また、キャビンが静かなのも長所。スポーティな身のこなしを感じさせながら、高級車的な高い静粛性をもたらす。コンパクトサイズでもフルサイズクラスのクオリティを掲げるアウディだが、このクルマに関してはまんまそれを実現している。
ほかには運転支援の先進技術も多く採用されている。アダプティブクルーズコントロール、パーキングシステム、アクティブレーンアシストなど、魅力的な実用アイテムが豊富に揃う。そこもアウディ。コンパクトでも抜かりなく、ニーズにこたえてくれているのである。
文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ アウディコミュニケーションセンター TEL:0120-598-106
Detail Check

実用性の高いサイズが魅力のQ2。横からだとリヤブレードも目立つ。タイヤサイズは215/50R18。5本スポークのアルミホイールが装着される。
コックピット
コックピット
コンパクトサイズとて抜かりのないコックピット。デザインも装備も上級車並み。センターコンソールのダイヤル操作も簡単。発売記念モデルには、アウディご自慢のバーチャルコックピットも装備されていた。
インテリア
インテリア
ファーストエディションのインテリアにはS lineの装備が多く採用される。レザーシートもそうで、「S line」のロゴが備わる。ホールド性の高い形状は特有のものだ。ドアシルトリムにも「S line」のロゴが入る。
エンジン
エンジン
1.4L直4ターボは150馬力を発揮すると同時に、最大トルク25.5kg mを発生させる。しかもそれを1500回転という低い領域から出すのだから、運転のしやすさは想像に難くないだろう。
カーゴスペース
カーゴスペース
電動式のテールゲートを開けると、カーゴスペースはこんな感じ。開口部は広く出し入れしやすい。また、60対40のリヤシートを畳めば使い勝手はさらに上がる。フロアボードは2段階調整可能だ。
主要諸元:アウディ Q2 ファーストエディション(7速AT・Sトロニック)
全長×全幅×全高 | 4200×1795×1500mm |
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ホイールベース | 2595mm |
トレッド前/後 | 1545/1540mm |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1394cc |
最高出力 | 150ps/ 5000-6000rpm |
最大トルク | 25.5kg m/1500-3500rpm |
サスペンション前後 | ストラット/トレーリングアーム |
ブレーキ前後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 215/50 R18 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2017年6月)
Q2 1.0 TFSI(7速AT・Sトロニック) | 299万円 |
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Q2 1.0 TFSI スポーツ(7速AT・Sトロニック) | 364万円 |
Q2 1.4 TFSI シリンダー オンデマンド スポーツ(7速AT・Sトロニック) | 405万円 |
Body Color
□アイビスホワイト ■マコウブルー クリスタルエフェクト ■グレイシアホワイト メタリック ■ベガスイエロー ■ナノグレー メタリック ■タンゴレッド メタリック |
信頼と実績のある骨格が高い運動性能を約束する
Q2のプラットフォームは、フォルクスワーゲングループ内でシェアされる「MQB-A」を使う。要するにアウディA3と同じ骨格の持ち主だ。アルミを多用し高剛性かつ軽量化されたものだ。なので運動性能、安全性の面で信頼性が高いのは言わずもがな。ホイールベースはA3 スポーツバックよりも短い。