新車試乗レポート
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2016.09.15
BMW M2 クーペ 試乗レポート

ハイレベルな運動性能を自在に操れる
M2の上陸を今や遅しと待ち構えていたドライバーは多いのではないだろうか?自分も大いに期待を寄せていたうちのひとり。コンパクトなボディにパワフルなエンジンを搭載した究極のスポーツFRは、これまでM3の独壇場だったが現行モデルはスーパースポーツ並みのパフォーマンスを誇り、ストリートで楽しもうとすると手に余ると感じていたからだ。エンジンは直列6気筒直噴ツインパワーターボだが、M3/M4がM専用の431馬力/56.1kg mなのに対して、こちらは370馬力/47.4kg m。ハイパフォーマンスなことにかわりないが、少しは手に収まりそうなイメージがわく。
実際に走らせてみると絶対的な速さは想像以上で、公道で使い切るには無理があるものの、素晴らしく扱いやすかった。どこかの回転域でトルクが急に盛り上がるようなことがなく、ターボらしからぬフラットな特性だからだ。右足から出した指令が正確に反映されるから「一体」になれる。

ステアリング操作に対するノーズの反応は鋭く、コーナーを嬉々として駆け抜けていく。正直に言えば自分の感覚よりも鋭すぎて曲がりすぎるぐらいだ。ベースの2シリーズ・クーペに比較してトレッドはフロント70mm、リヤ65mmもの大幅な拡幅を受けてM3/M4並みになっているが、ホイールベースは115mmも短いので、驚異的な鋭さを誇るのは当然だろう。クローズドコースを走る機会もあったので、安心して試してみると実際にはアクティブMディファレンシャルがいい仕事をして、スポーツモードでも危うくなる一歩手前でとどまらせてくれることを知った。とんでもなく俊敏でドライバーにコントロールさせる幅も広くとっているが、ギリギリのところに保険はかけられている。過激な乗り味ではあるが、絶妙なバランスをもったコンパクトFRスポーツなのだ。
文●石井昌道 写真●GooWORLD
問い合わせ BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437
Detail Check
コックピット
コックピット
人間工学に基づいて設計されたコックピットまわり。スポーツカーとして必要不可欠なあらゆる操作性が快適。手になじむレザーステアリングにはマルチファンクション機能を搭載。室内の質感の高さもBMWならでは。
インテリア
インテリア
電動調整機能付きサイドサポートを備えたスポーツシートを装着。ブラックのダコダレザーを採用するほか、ドアにはアルカンタラ素材があしらわれ、満足度の高い仕上がりだ。
エンジン
エンジン
ストレートシックスを搭載するM2。最高出力は370馬力とこのサイズとしては十分なパワーを発揮。2ペダル車のみが選べる。
タイヤ・ホイール
タイヤ・ホイール
鍛造の19インチホイールを装着。スポークの間からブルーのブレーキキャリパー、ドリルドディスクを覗かせている。
主要諸元:BMW M2クーペ(7速AT・M DCT)
全長×全幅×全高 | 4475×1855×1410mm |
---|---|
ホイールベース | 2695mm |
トレッド前/後 | 1580/1600mm |
車両重量 | 1580kg |
エンジン | 直6DOHCターボ |
総排気量 | 2979cc |
最高出力 | 370ps/6500rpm |
最大トルク | 47.4kg m/1400-5560rpm | サスペンション前/後 | ストラット/5リンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前・後 | 245/35R19・265/35R19 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2016年2月)
M2クーペ(7速AT・M DCT) | 770万円 |
---|
Body Color
□アルピン・ホワイトIII ■ミネラル・グレー ■ロングビーチ・ブルー ■ブラック・サファイア |