新車試乗レポート
更新日:2018.10.26 / 掲載日:2016.09.02
トヨタ 86 試乗レポート(2016年09月)
■細部にわたる改良を重ねて走りの楽しさをさらにアップ!
発売当初はAE86を懐かしむ世代層の購入がいちばん多いと言われた86だが、発売以降年々購買年齢が下がってきて、現在は20代がトップとのこと。若者のクルマ離れが叫ばれて久しい昨今、非常に珍しいモデルと言っていいだろう。その86が初のマイナーチェンジを受けた。
■ドライビング/ユーティリティ
Report 竹岡 圭
デザイン的にはさほど大きな変更はないように見えるが、ノーズ部分やフェンダーガーニッシュなど、空力性能に磨きが掛けられている。ユニークなのは帯電位をコントロールするという技術で、アルミテープで空気の流れをボディに沿うようにコントロールしているというもの。走行中8割におよぶ部分が空力で支えられているというから、この空力コントロールはとくにスポーツ走行レベルの速度域ではかなりの効果が期待できるのだ。
もっとわかりやすいところでは、エンジンの吸排気系を改良することで、より低回転域からトルクの立ち上がりを感じられるようになったのが大きい。さらに、リヤまわりを中心にボディ補強が行われ、ショックアブソーバーのバルブ構造が見直されたことにより、走行中の安定性が増したことも大きい。
改良前は予想よりもテールハッピーな走り味が、腕のある人には楽しいセッティングになっていたが、とくにリヤの落ち着きが強化されたために、だれもが手軽に安心してスポーツ走行が楽しめるような走り味になったという感じなのだ。これにより、腕のある人はより高みを攻めた走り味を堪能できるようになり、より幅広い層が楽しめるクルマになったと言っていいだろう。
■インテリア/エクステリア写真[1]
トヨタ最小径362mmの真円ステアリングホイールを採用。最適なグリップ断面形状で握りやすい。3眼タイプのタコメーターはトルクピークの7000回転がメーターの真上に。
シート表皮にパーフォレーション加工を施したアルカンターラを設定。見た目にも華やかさが増したのはもちろん、より滑りにくくホールド性が高まった。
■インテリア/エクステリア写真[2]
今回エンジンに初めて手が入り、最高出力は7馬力アップの207馬力、最大トルクは21.6kg mへと性能向上が図られた。
容量が変わったわけではないが、2名分の旅行荷物を搭載できるくらいの余裕のあるスペースを確保。
バンパー部分の黒色加飾部位の幅を変更するなどにより、よりワイドに見える工夫が凝らされた。リヤコンビランプはLED化に加え、水平基調にランプを配置することで、よりシャープさを表現。
トヨタ 86 GTリミテッド(6速MT)
全長×全幅×全高 | 4240×1775×1320mm |
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ホイールベース | 2570mm |
トレッド前/後 | 1520/1540mm |
車両重量 | 1240kg |
エンジン | 水平対向4DOHC |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 207ps/7000rpm |
最大トルク | 21.6kg m/6400-6800rpm |
JC08モード燃費 | 11.8km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | ダブルウィッシュボーン |
ブレーキ前後 | ベンチレーテッドディスク |
タイヤ前後 | 215/45R17 |
価格
86 | 262万3320円~325万800円(全グレード) |
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