新車試乗レポート
更新日:2018.10.24 / 掲載日:2016.06.24
アキュラ NSX 試乗レポート
アキュラ NSX 試乗レポート
海外試乗
【フルモデルチェンジ】
発表/未定
ホンダ・お客様相談センター 0120-112010
文●石井昌道 写真●ホンダ
■ハンドリングに効果を及ぼす3モーターのスーパースポーツ
リーマンショックの影響でV10エンジン搭載モデルというプロジェクトは消滅してしまったが、新たにハイブリッドカーとして復活することとなった2代目「NSX」。新型の注目点は、電気モーターがもたらすスーパーハンドリングだ。
■ドライビング/ユーティリティ
Report 石井昌道
いまのホンダはF1を戦うにしてもスーパースポーツを造るにしても将来に繋がる技術開発を兼ねるなど、何かしらの「意味」を求めているが、NSXのそれは3モーターのハイブリッドだ。1つはミッドにマウントされたV6ツインターボをアシストし、フロント左右の2つはハンドリングを司る。たとえば左コーナーだとしたら右側をより速く駆動することで曲がる力を強くする、いわゆるトルクベクタリング効果をねらうシステムだ。
ワインディングで試してみると、ステアリングをわずかに切り込み始めた段階から、ノーズがインへ素早く鋭く向いていく。これまでも同様の考え方のモデルはあったが、電気モーターによるレスポンスのよさは強烈。正直に言えば最初は動きが早すぎて戸惑ったぐらいだが、機械的なシステムに比べて制御の自由度が遙かに高いので、セッティング次第でどうにでもなるだろう。
サーキットでは雨に見舞われ路面は滑りやすい状況だった。でもAWDだから安心なはず、と高をくくってコースインしていくと、エンジンだけで507馬力もあるからアクセルワークで簡単にパワーオーバーになる手強い一面も見せた。AWDとはいえ、イージーな乗り味に仕立てているわけではない。今回試乗したのはプロトタイプだったので未完成な部分も見受けられたが、とてつもないポテンシャルを持っているのは間違いない。秋に日本で市販仕様に試乗するのが楽しみだ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
ドライバーが意のままに操ることのできるクルマ、という初代のコンセプトは忠実に守られる。進化したインターフェイスもフィーリングが希薄になることはなく終始ダイレクトだ。
初代と比べ、ラグジュアリー感の強まった室内は快適。長距離ドライブも難なくこなすGTカー的な資質も魅力的で、仮想敵フェラーリ488GTBにも引けをとらぬ洗練さが印象的だ。
■インテリア/エクステリア写真[2]
0-96km/h加速が3.0秒と強烈なダッシュと最高時速307kmを誇るパフォーマンスは秀逸。あらゆる速度域、コーナーで速さを見せつける。
V6のツインターボエンジンにフロント2個、リヤ1個の3モーターというレイアウトはまさに独創的。
デザイン、開発、生産のすべてがアメリカで行われる新型NSX。チーフデザイナーのミシェル・クリステンセン女史は、スーパーカーのエクステリアデザインを手がけた初の女性となる。
アキュラ NSX プロトタイプ(9速AT・デュアルクラッチ)
全長×全幅×全高 | 4470×2217×1214mm |
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ホイールベース | 2629mm |
トレッド前/後 | 1656/1618mm |
車両重量 | 1725kg |
エンジン | V6DOHCターボ+モーター |
総排気量 | 3493cc |
エンジン最高出力 | 507ps/6500-7500rpm |
エンジン最大トルク | 56.1kg m/2000-6000rpm |
フロントモーター最高出力 | 73ps/4000rpm |
フロントモーター最大トルク | 29.9kg m/0-2000rpm |
リヤモーター最高出力 | 47.7ps/3000rpm |
リヤモーター最大トルク | 15.1kg m/500-2000rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤ前・後 | 245/35ZR19・305/30ZR20 |