新車試乗レポート
更新日:2026.04.20 / 掲載日:2026.04.20
新型RAV4の実力公開!〜プロフィール&公道試乗〜
《TOYOTA 新型RAV4 実力全解剖》
「走り」「デザイン」「装備」すべてが最新最良、新ベストセラーの秘密に迫る!!
トヨタの人気SUV「RAV4」が第6世代に進化を遂げた。伝統のアドベンチャー精神の魅力はそのままに、TNGAの熟成と最新の電動化技術、知能化装備でパワーアップした新型は、どのようなモデルに仕上がっているのだろうか? その魅力を確認してみたい。
●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久
※本記事の内容は月刊自家用車2026年5月号制作時点(2025年3月中旬)のものです。
RAV4ハイブリッド公道試乗
ガソリン車を廃止されたことで、全車がE-Fourモデルとなった新型の走りはどう変わったのか? 販売の主力となるハイブリッドモデルの実力は如何に?


「重たい4WD」を覆した軽快なデビューで人気者へ
始まりは、1989年の東京モーターショーに出展された、1台のコンセプトカー「RAV-FOUR」。当時は重量級のいわゆる「クロカン」4WDが主流で、まだSUVというジャンルもクロスオーバーという言葉も定着していなかった。
そんなところに、乗用車と同じモノコック構造のボディを採用し、コンパクトなセミオープンスタイルを採用した軽やかなモデルを提案。4年後の1993年の東京モーターショーで、3ドアハッチバックの初代「RAV4」プロトタイプが発表され、翌1994年5月に発売されたると若い世代を中心に大ヒットとなる。
その後、ロングホイールベースで5ドアの「RAV4 V」が追加され、ファミリー層にも支持されるようになっていく。アンダーガードや樹脂バンパーといったタフなイメージのパーツを採用しつつ、傾斜したAピラーやツートーンカラーといった乗用車ライクなテイストを取り入れた初代RAV4は、クロスオーバーSUVという新たな潮流の黎明期を代表する1台となった。
その流れは北米市場にも波及し、ここから海外での快進撃が始まる。そのため2000年登場の2代目からボディサイズが拡大し、2005年に3代目が登場するも、その頃にはライバル車が増えたこともあり日本での人気は下火に。2013年に登場した4代目は、日本では販売されなかった。
ただ、グローバルカーとしては大成功を収めており、2018年に北米で披露された5代目は、翌年に日本でも発売され、RAV4が復活。もっといいクルマ作り哲学のTNGAを進める中、新世代プラットフォームの「GA-K」やダイナミックフォースエンジンといった新技術を満載にしており、デザインはハリアーとの棲み分けも考慮して、冒険心を掻き立てるラギッドな方向へと原点回帰。3つの4WDシステムを設定し、アクティブでタフなキャラクターを前面に押し出した5代目は、日本のみならず世界的な大成功となったことは記憶に新しいところだ。

進化した電動四駆。熟成の走りと驚きの剛性感
そしてついに、6代目となる新型が登場する。開発コンセプトに掲げたのは、「どこへでもいけそう、なんでもできそう」という「ライフ・イズ・アン・アドベンチャー」。5代目で確立したアクティブなイメージを踏襲しつつ、さらに時代に合わせた進化を手にしており、そのテーマは大きく「電動化」「知能化」「多様化」の3つになる。
新型は日本ではガソリンモデルが廃止となり、HEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)のみとなっている。選べるキャラクターは3タイプ。上質で洗練された王道とも言える「Z」。よりアクティブな印象を強める「アドベンチャー」。そして新たにモータースポーツの流れを汲む走りにこだわったPHEVの「GR SPORT」が用意される。いずれも駆動はすべて、電動四駆のE-Fourとなる。
今回試乗したのは「Z」と「アドベンチャー」のハイブリッドモデルになる。
まずは「Z」で一般道と首都高速道路を走った。あいにくの雨だったが、室内の静粛性は高く、視界の広さを感じるとともに、やや道幅が狭い区間や交差点での取り回しは、先代と同等か少しラクになっていると感じた。これは平衡感覚を意識したデザインや、大きくなったクォーターウインドウの恩恵かもしれない。そして、サスペンションの取付点の改善や高減衰接着剤の採用などによって約9.7%の高剛性化を達成したボディは、重さは感じなくても塊感がアップした印象で、足回りがとてもしなやかに動いて路面に追従してくれる。タイヤはオプション設定の20インチだったが、運転席ではゴツゴツとした当たりの硬さもそれほどなく、かといって柔らかすぎない安心感をバランスよく手にしている印象だ。さらに、低速域から中速域へのつながりがスムーズになり、速度を維持するためにアクセルペダルを踏む際にも、力加減がコントロールしやすくなったと感じる。また、カーブを曲がる際には前後の制動力を最適化してロールを抑え、ステアリングと連動しながら一体感のある気持ちのよいコーナリング姿勢を作ってくれる。右へ左へのタイトなカーブが続く首都高でも、以前より走りやすくなったと感じた。これには、従来の蓄圧タイプからオンデマンド加圧タイプとなった、新電子制御ブレーキシステムによる、自然で扱いやすいブレーキフィールの実現も効いているはずだ。
「アドベンチャー」に乗り換えると、18インチタイヤになったこともあり、RAV4らしい軽快感とステアリングフィールの自由度がアップした印象。今回はラフロードを走る機会はなかったが、みぞれが降る道でもシビアになりすぎず、おおらかなドライビングが楽しめそうだ。どちらもドライブモードのボタンがセンターコンソールに目立つように備わり、ノーマルからエコ、スポーツ、個別設定のパーソナルに切り替えができる。スポーツにするとアクセルのレスポンスが速くなり、山道などでもキビキビと走れそうだ。
走りに絞っても、多くの進化が実感できる新型RAV4だが、全体として従来からのRAV4で磨かれた美点がさらにギュッと凝縮し、熟成されている印象を強く感じる。今回は試乗が間に合わなかったが、これがPHEVではどう変わっているのか、新たな世界観にも大いに期待したい。



