新車試乗レポート
更新日:2026.04.09 / 掲載日:2026.04.09
【トヨタ 新型RAV4】ヒット作の次なる一手【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス
昨年12月に発表された新型RAV4のステアリングを握った。従来型のオーナーだった分、興味津々である。前作は久々にヒットしたモデルだけにフルモデルチェンジはかなり難しかったに違いない。
6代目のテーマは「Life is an Adventure」

実車は昨年のジャパン・モビリティ・ショーでじっくり見ている。トヨタブースの入り口に置いてあり、多くの人が足を止めていたことからも注目度の高さが伺える。すれ違う人々から「RAV4こうなるんだぁ」という声が漏れていた。その多くがポジティブな印象だった気がする。
では実際に走らせるとどうかだが、その前に少しばかりプロファイルを見てみよう。
6代目のテーマは「Life is an Adventure」だそうだ。「どこへでも行けそう、なんでもできそう」という価値観を具現化している。英語で言えば、「Go anywhere, Do anything」だろう。まさに何十年も前からジープが使っていたキャッチフレーズである。まぁ、オフロード色を強く出そうとすると、この辺のセンテンスに辿り着くのは想像しやすい。実にユニークだ。

従来型はアドベンチャーと後から追加した“オフロードパッケージ1”と“同2”が売れた分、オフロード色は濃かったと思う。通称“オフパケ”の販売比率は当初10%を予測していたが、蓋を開けてみればおよそ50%近かったという話だ。時代のニーズはまさにオフローダーなのである。
都会派、アウトドア、スポーツと3つの顔を持つ

エクステリアの印象は従来型からの正常進化。フロントピラーからリアピラーまでのルーフラインはこれまでを踏襲する。リアフェンダーが膨らみボクシーな雰囲気を出すが、シルエットはそれほど変わらない。だが、フロントマスクは別物。ヘッドライトの造形はクラウン系で、グリルは3つのグレードによって分かれる。都会的な「Z」と、オフローダー的な「アドベンチャー」、それとスポーティなイメージの「GRスポーツ」といった顔ぶれだ。USトヨタには、ハイランダーやグランドハイランダー、4ランナー、セコイヤなどがラインナップされるが、それとは違う。
成熟を感じさせるハイブリッドシステム

ダッシュボード周りはそれほど変化ないが、センターコンソールは明らかに異なり、幅が太いことで無骨さを感じさせる。言うなればランクル風。あえての太さが目をひく。
では走りだが、試乗車は「Z」と「アドベンチャー」だった。どちらもパワーソースは2.5リッター直4のハイブリッドで、駆動方式はE-Fourの4WDとなる。システム最高出力は240ps。駆動配分は前後100:0~20:80の間で精緻にコントロールされる。ちなみに、タイヤサイズは「Z」が前後235/50R20、「アドベンチャー」が前後235/60R18だった。前者はトーヨータイヤPROXES SPORT、後者はダンロップe.SPORT MAXX。標準でオフロードタイヤは装着されない。

パワーソースが同じだけあり、どちらも走り出しから印象は変わらない。スーッと気持ちよくタイヤが転がり始める。アクセルに対する反応は比較的クイックで、スポーティさを感じた。この辺は昨今のトヨタ車的味付けだ。操作系をクイックにして「走りのトヨタ」を演出している。よって、加速はいいし、回転数に見合ったのびをする。アクセル開度をセンサーが読み取り、ドライバーの欲しいスピードを提供する感じだ。モーターのアシストが不自然ではないのがいい。もはやこのハイブリッドシステムは成熟の域にある。

そんなパワーソースを持って気持ちのいいコーナリングをするのが新型のポイントだろう。コーナー入り口で切っていく時のステアリングは正確で、狙ったエイペックスにきっちり向かっていく。この精度は驚きだ。背の高いSUVであることを忘れさせる瞬間となる。きっと、かなりの時間下山のテストコースで走り込んだに違いない。

乗り心地は18インチも20インチも共に良いが、スッキリしているのは明らかに20インチの方だ。大径であってもゴツゴツしたところは少なく、キャビンをフラットに保ってくれる。もちろん18インチも乗り心地だけを鑑みれば悪くはないが、ステアリングの精度やコーナーでの動きを含めれば楽しさはスポイルされる。そこからも研究開発は20インチメインで行ったのが伺える。
オフロードパッケージの登場にも期待!

というのが新型RAV4のファーストインプレッションだ。アドベンチャーでオフロードテイストを残しながら、現実にはオンロードの走りを磨いたのがわかった。となると、気になるのはGRスポーツ。さらに足を煮詰めているだろうから、よりスポーティな足捌きを期待できる。とはいえ、RAV4はSUVなんだけどね。個人的にはよりカッコいい新たなオフロードパッケージを早く見てみたいと感じた。




