新車試乗レポート
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2016.03.17
ボルボ S60 ポールスター 試乗レポート

トータルバランスの高さがドライバーを虜にする
公認レーシングチームという間柄から始まったポールスターとボルボの関係。現在では、市販車の開発段階から深く携わる凄腕集団が徹底的にチューニングを施したのが、S60とV60に用意されたコンプリートカー「S60/V60ポールスター」だ。3L直6エンジン搭載の4WDモデルをベースとしたそれは、「デイリーユースとサーキットランを両立」という、まさにクルマ好きが夢見るコンセプトを実現させた。聞けばエンジニアが心を砕いたのはパフォーマンスの向上よりもむしろ日常での使い勝手をスポイルしない柔軟性、クルマ全体の調和だという。
メカニズム的な特徴としては、ツインスクロールターボおよびインタークーラーの搭載。そして、ハイブーストを可能とする専用コンピュータープログラム。4WDの電子制御にも手が加えられ、さらにドライバビリティを重視した味付けとされる。サスペンションやブレーキについても強化され、スタビリティコントロールにはスポーツモードが追加された。

そんな特別なS60を路上へと連れ出すと、野太いエキゾーストに一瞬身構えるものの、一般道でのマナーが非常に上手にしつけられていることがわかる。高精度な部品をきちんと組み込んだマシンならではのスムーズさには、プライスタグを十分に納得させる説得力がある。そして、速度域が高くなっても、そのしなやかさは変わらず、正確性をもって反応してくれるから、ドライバーは自信を持ってスポーツドライビングに没頭することができる。
この魅力的なスポーツモデルはすでに完売間近であるため、ほしいならばすぐにでもディーラーにかけつけるべし。その代わり、ポールスターのノウハウとスピリッツが注入された、チューニングプログラム「ポールスターパフォーマンスパッケージ」は、多くのボルボ車で導入可能だ。ぜひその乗りやすさ、気持ちよさを体験してもらいたい。
文●GooWORLD 写真●川崎泰輝
問い合わせ ボルボ・カーズ・ジャパンお客様相談室 TEL:0120-922-662
Detail Check
コックピット
コックピット
本革とバックスキン仕上げのヌバックとのコンビネーションとなるスポーツステアリングおよびスポーツシート。カーボンファイバー製パネルもドライバーを盛り上げる。
エンジン
エンジン
350馬力という最高出力はもちろんのこと、その扱いやすさも特筆すべき美点。6速ATのシフトチェンジも標準モデルから早められている。さらに、スポーツモードに連動してエキゾーストのボリュームも大きくなる。
トランク
トランク
トランク容量といった使い勝手に関わる部分については標準モデルを踏襲する。それは安全装備についても同じである。
タイヤ&ホイール
タイヤ&ホイール
オーリンズ製ダンパーは快適さも十分に担保。ブレーキはブレンボ製6ポッドだ。2014年版に対してホイールの塗装が変化した。
主要諸元:ボルボ S60ポールスター(6速AT)
全長×全幅×全高 | 4635×1865×1480mm |
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ホイールベース | 2775mm |
トレッド前/後 | 1580/1575mm |
車両重量 | 1780kg |
エンジン | 直6DOHCターボ |
総排気量 | 2953cc |
最高出力 | 350ps/5250rpm |
最大トルク | 51.0kg m/3000-4750rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 245/35ZR20 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年6月)
S60ポールスター | 829万円 |
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V60ポールスター | 849万円 |
Body Color
■レーベルブルー □アイスホワイト ■オニキスブラックメタリック |