新車試乗レポート
更新日:2026.03.31 / 掲載日:2026.03.31

【BMW X3 20d xDrive】選ばれる理由と価値がそこにある【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 BMWの中核を担うモデルがこのX3である。

 一昨年末に販売が開始され順次納車が行われている。4世代目と進化したこのクルマのセールスポイントはいろいろある。日々進化するテクノロジーを採用するのだから当然だ。だが、変わらないものもある。それはBMWが独自に定めるSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)としてのポリシー。約50:50の理想的な前後重量配分を実現したパッケージングがそれで、そこから生まれる軽快なハンドリングを重視している。

 背が高くなっても“BMWらしさ”を失わないのが彼らのクルマづくりだ。

ライトアップされるキドニーグリルは夜間でも存在感抜群

BMW X3 20d xDrive

 新しくなったX3でまず目につくのがフロントマスクだろう。

 他モデルと並ぶ新世代デザインがそこで表現されている。具体的には大きなキドニーグリルと、その内部の格子。縦だけでなく斜めのラインが入ることで、新しさを感じさせる。

 しかも、このグリルは7シリーズや5シリーズ同様夜間に縁取りをライトアップすることができる。暗闇で圧倒的な存在感を出せるということだ。このアイコニックな光が、プレミアム感をさらに高める。ヘッドライトのシグネチャーライトとのバランスも悪くない。

BMW X3 20d xDrive

 インテリアではさらにデジタル化されたダッシュボードが注目ポイント。メータークラスターもそうだが、湾曲されたセンターモニターがすごい。運転席側に角度のついたそれがドライバーオリエンテッドであることを物語っている。

 と同時に、アンビエントライトの光り方が凝っていて、センターコンソールとドアパネルのLEDは連動して光のコントラストを演出する。カラーは15色。その日の気分でセレクトするといった使い方だ。

3タイプのパワーソースすべてがマイルドハイブリッドとなった

BMW X3 20d xDrive

 パワーソースは3種類で、2リッター直4ターボと3リッター直6ターボのガソリンエンジン、それと2リッター直4ターボのディーゼルエンジンがラインアップされる。

 ユニークなのはその全てが48Vのマイルドハイブリッドであること。スタートや加速時にモーターがアシストする。なので、ベースエンジン以上の走りが体感できる。というか、内燃機関のフィーリングをそのままに感じられるクルマ好きには好印象のユニットだ。プラグインハイブリッドは存在しない。

走らせて感じるのはBMWらしいスポーティなハンドリング

BMW X3 20d xDrive

 では実際に走らせた印象をお届けしよう。試乗車はディーゼルエンジン搭載のX3 20d xDrive Mスポーツ。名前の通り駆動方式は4WD、足にはMスポーツサスペンションが組み込まれる。

 全体的な印象はよりBMWらしさを感じた。これまでも背の高いクルマに彼らのアイデンティティを注入してきたが、今回はそれが増している。言うなればかつての3シリーズのような伝統的なハンドリングがここにある。

 もちろん、その流れはすでに起きていて、X1、X2で、完成の領域に達していた。この2台のハンドリングはまさにBMW開発陣の思惑がしっかり具現化されている。ただ、X3になると車両重量が増えるので、それよりも難しくなるのは明らか。が、今回はそれを高い技術力で克服した。

BMW X3 20d xDrive

 具体的にいえば、ハンドリングは軽快で運転するのが楽しい。操作に対し若干クイックに反応する動きがいい感じだ。

 ボディの堅牢感もそうだし、横Gフォースがかかった時のリアサスペンションの粘りも理想的。リアのトラクションがスムーズにクルマを前へ押し出してくれる。これは、インテリジェント4WDシステムのセッティングのうまさが関係していると思われる。時としてリアの駆動力を主役にすることでこの走りが成立しているのだろう。FRの経験値がここで生かされている。

BMW X3 20d xDrive

 それだけに惜しいところもある。それはステアリンググリップの太さ。ここまで精緻なハンドリングが行えるのであれば、もっと細くしてそのフィーリングを受け取りたくなる。それがこの太いグリップでは鈍くなってしまうのだ。

 この他では、今回リアルに体験はしていないが、電子デバイスの豊富な役割に興味が注がれる。高速道路ではハンズオフ走行や走ったルートを正確にバックで戻れる装備、パーキングアシストの進化版などだ。時速35キロ以下で走った距離を200mまで記録し、バックで正確に戻れるのはおもしろい。住宅地で道が行き止まりになっていたり、林道で途中から走行不可能になっていたりした場面で役立つ。過去の経験からすると、そんなシーンは意外に多くあったりする。

どのグレードを選んでも納得できる完成度の高さ

BMW X3 20d xDrive

 そんなX3に、X3 30d xDriveエディションシャドウが今年2月に450台限定で発売されている。その辺の限定車も見どころだろう。装備面で普段よりもメリットがあるはずだ。もちろん、そこは好みだが、ベースとなるX3の仕上がりがいい分、どれを選んでも間違いない気がする。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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