新車試乗レポート
更新日:2018.10.11 / 掲載日:2016.02.18
フィアット 500X 試乗レポート(2016年02月)

実用性もばっちりのコンパクトSUV
500Xはフィアット 500のイメージをそのままにドアを4つに増やし、背を高くしたパッケージングからなる。言ってしまえば、いま流行のコンパクトSUV、いやいやクロスオーバーの部類に入るシロモノだ。
そのフレームやパワートレーンは同グループのジープ レネゲートと共有する。あちらはジープ伝統のスタイリングに、こちらはフィアットらしくカタチ作られた。500のデザインをうまく取り入れている点はさすがである。
エンジンは1.4L直4のみという設定。レネゲードにある2.4L直4は用意されない。その意味では街乗りを想定したモデルと言えそうだ。とはいえ、同じ排気量でも出力は2つあるからユニーク。140馬力と170馬力がありそれぞれ6速デュアルクラッチと9速ATが組み合わされる。また、それを電子制御するドライブムードセレクターも搭載される。燃費重視のオートモード、スポーティな走りがしたいときのスポーツモード、雨の日や悪路でのトラクションモードといった具合だ。カジュアルな雰囲気ながらいろいろと装備は充実する。

そんな500Xを走らせると、これが思いのほかスポーティなことに気づく。コーナーでの身のこなしはスムーズで、ステアリング操舵に対し素早く反応する。ロール角が抑えられるばかりか、自然な感じで挙動を安定させるから好印象だ。個人的には軽快なステアリングフィールが気に入った。
とくに140馬力+デュアルクラッチのポップスターと同プラスはそれが強調される。2ドアの500に近いのはこちらだろう。元気に走りまわる感覚が似ている。170馬力のクロスプラスは4WDということもありそれとは少々異なる。9速ATが提供するシームレスな走りはひとつ上のクラスといった印象だ。
そんな500Xだが、勝負ポイントは見た目と実用性。その観点では文句のない1台と言える。
文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ チャオ・フィアット TEL:0120-404-053
Detail Check
コックピット
コックピット
ダッシュパネルは専用設計されるが、外板色を用いるなどフィアット 500のテイストもうまく取り入れている。日本仕様はすべて右ハンドルのみという設定。パドルシフトは全グレードに標準装備されるのがうれしい。
インテリア
インテリア
ボディカラーは全7色、インテリアカラーは全3タイプ。シート素材はエントリーのポップスターがファブリック、それ以外はレザー。レザーにはシートヒーターが付く。
エンジン
エンジン
1.4L直4マルチエアは自社製。ターボで過給され低回転からトルクを発生させるため使い勝手がいい。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
フィアット 500とは比べものにならないほど使い勝手のいいカーゴ。脱着式トランクカバーはすべてのグレードに装備される。
主要諸元:フィアット 500X ポップスター(6速AT・DCT)
全長×全幅×全高 | 4250×1795×1610mm |
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ホイールベース | 2570mm |
トレッド前/後 | 1545/1545mm |
車両重量 | 1380kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1368cc |
最高出力 | 140ps/5000rpm |
最大トルク | 23.5kg m/1750rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/ストラット |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 215/55R17 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年10月)
500X ポップスター(6速AT・DCT) | 286万2000円 |
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500X ポップスタープラス(6速AT・DCT) | 307万8000円 |
500X クロスプラス(9速AT) | 334万8000円 |
Body Color
□ホワイト ■ブリティッシュ グリーン ■グレージュ ■ブルー アバター ■ブラック ■パール レッド ■レッド ヒュプノティック |