新車試乗レポート
更新日:2020.01.07 / 掲載日:2016.02.08

メルセデス・ベンツ CLA250 試乗レポート

メルセデス・ベンツ CLA250(117型)

流麗なデザインで登場以来人気のCLA。最近中古車市場にも出回るようになってきており、改めてCLAの魅力をレポートしたいと思う。今回の試乗に持ち出したのは、上級グレードのCLA250。

4ドアハードトップの流麗なスタイルと見た目に負けない走りのモデル!

 今回の試乗に持ち出したのCLA(117型)の上級モデルに位置するCLA250。250とは名乗っているものの搭載されるエンジンは2Lのターボエンジン。2.5Lエンジン並みのパワーとトルクと言うことをアピールしていると思われる。最高出力は211PS〔155KW〕と最大トルク35.7kg・m(350N・m)を発揮するエンジン。最近はターボエンジンでも高圧縮でBMW等ライバルは圧縮比11:1などNAエンジン並みの圧縮比で燃費の良いエンジンとしているが、メルセデス・ベンツはこのモデルでも9.8:1と最近の流れからすると少し低めの圧縮比である。それでもライバルとそん色ない燃費とパワーを発揮している。実際に運転してみても印象は良く、「低速トルクが細いのではないか」とか「ターボラグがあるのではないか」と疑ってかかったが走り出しからスムーズで、7速DCTの変速もセッティングが上手くターボ車だと気づくことはほとんどの場面でできない。ハンドリングも想像以上にスポーティで足も引き締まっていて、若干好みは分かれそうな味付けではあるが、SクラスやEクラスより若い世代を狙っているのであろうからこれでよいと個人的には思う。 CLA180(1.6Lターボ)では走り出しに重さを感じさせる部分もあり、つい大目にアクセルを踏んでしまったりするが、CLA250では軽くアクセルに足を乗せているだけで普通に加速し、CLA180と同じ感覚でアクセルを踏み込むと想像していた感覚の3割から5割り増しの加速感が感じられるパワフルなエンジンである。室内もエンジン音というよりはロードノイズの方が気になるくらいエンジンは控えめな音しか聞こえない。スポーツモードを選択しハンドルに備え付けのパドルシフトを操作すると瞬時にギヤが変速される。もちろんシフトダウン時には車両が自動でエンジン回転を合わせてくれるので急激なエンジンブレーキでギクシャクする事も無い。 ボディも剛性に不利と言われている4ドアハードトップなのだがさすがメルセデス!と言うしかないくらいしっかりしたボディをしている。ちなみにハードトップと言うのはドアの部分に窓ガラスを縁どる枠(フレーム)が無いものを指して使われる自動車用語。なのでCLAはドアを開けるとガラスが剥き出しになるが、それがあのスタイリッシュなデザインに貢献しているのである。

先進の安全装備と実用性も兼ね備えた才色兼備なCLAの魅力!

最近はライトの形だけでなく光り方も含めてトータルデザインされたヘッドランプやテールランプが増えてきているが、その中でもCLAの灯火類はセンスが良くオーナーの所有満足度を上げるポイントの一つと言える。

  • CLA250ヘッドライト点灯時

    アイラインのように光るLEDが特徴的なCLAのヘッドライト!

  • CLA250ウインカー点灯時

    大外を縁どるように光るウインカー!けっこう力強く光る印象

  • CLA250テールランプ点灯時

    CLAのテールランプは下枠はブレーキを縁取り、上枠はウインカーを縁取るように構成されている。

  • CLA250ブレーキ・ウインカー点灯時

    CLAだとすぐにわかる意匠のテールランプ!光り方もカッコいいと誰もが思えるセンスの良さ!

  • COMANDシステム画面

    メルセデス・ベンツの車両の設定やナビゲーション、オーディオなどの統合制御システムを「COMANDシステム」は画像のように取扱説明書に合わせるとCLAの車両のグラフィックが表示される。

  • COMANDシステムのコントローラー

    ダイヤル式になっており回してメニューを変えたり、ダイヤル部を押すと決定。またナビゲーションの地図スクロールもここで行なえる。操作性は意外と高い。星マークのボタンはお気に入りの機能をすぐに呼び出せるショートカットボタン。

備えあれば・・・先進の安全装備!

マルチファンクションディスプレイでの安全装備設定表示

メルセデス・ベンツの安全運転をサポートするシステムの紹介をしよう。だんだんと必須装備になりつつある衝突防止のシステムは「アダプティブブレーキアシスト」と呼ばれ、CLAのこのモデルでは30Km/h以下においては障害物を検知して衝突回避の制御を行なう。過信は禁物だが心強い運転支援システム!さらにクルーズコントロールもついており「ディストロニックプラス」と呼ばれるシステムで前車に一定の車間で追走できもちろん衝突を回避するブレーキ制御も行なう。この安全運転支援を実現しているのが、レーダーとカメラのハイブリッドで検知を行なうメルセデス自慢のシステム。障害物や前車の検知はレーダーだけでなくカメラも併用することで逆光や雨や霧などにおいてカメラのみのものよりも安心できると言える。ここでは紹介しきれないが、走行車線の逸脱防止やサイドミラーに近接車を知らせてくれる機能などプレミアムブランドを選択する価値がある安全装備が用意されている。

流麗で丁寧な造り込みと実用性のバランス!

  • CLAのドアを開けるとMercedes-Benzロゴが光るスカッフプレート!

  • CLAのドアミラーウインカーデザイン

  • シフトレバーはパドルシフト奥に見える黒いレバー!

2:1分割可倒式シート(肘掛のセンター部はトランクスルーにもなる)

470L(VDA方式)の容量を誇るトランクスペース。奥行きも高さも同クラスのセダンと遜色無い実用性を備える。シートを倒すと広大なスペースが出現するが、完全なフラットにはならず段差ができてしまう。クルマの性格を考えると致し方無い部分。

スムーズでパワフルなエンジン!

CLA250の2Lターボエンジン

 エンジンカバーで覆われてエンジンそのものは見えないが、2Lの直列4気筒ターボエンジンが搭載されている。最高出力211ps(155kW)/5500rpmのパワーと最大トルク35.7kg・m(350N・m)/1200~4000rpmを発揮する。 エアクリーナーBOXとダクトの関係から横置きに置かれたエンジン(FFベース)であることが分かると思う。ボディサイズはCクラスとそれほど変わらないが、Cクラスは縦置きエンジンのFR。つまりシャシーはAクラス、BクラスベースであるFFプラットフォームである事を物語っている。

総括

 CLA250を試乗して感じた事は、FFモデルでもやはりメルセデスであるということだと感じた。厳密に細部を見ると今までのFRであるCクラスやEクラス、Sクラスとは明らかに違いがある。それは運転してハンドルを切った時に感じるフリクションや車庫入れの際のハンドル切れ角がFFであるため、小回り性能に物足りなさを感じたりすることである。この部分を大きく捉えるかどうかで評価は分かれてしまうと思うが、エンジンの出来やシャシーのコーナートレース性、高速道路などでの直進安定性は紛れも無くメルセデス・ベンツだと感じられるものである。 さらに、見た目の流麗さだけではなく、室内のクオリティでもメルセデスだと感じ取れる。スポーティーな室内に仕上げられているが、プレミアムブランドらしいメッキの装飾を上手に使っていたり、シートやドアの内張りに至るまでステッチが上手に縫い上げられていたりと、ドイツのクルマ造りを感じ取れる1台としてオススメしたい。

取材・撮影車両協力


メルセデス・ベンツあざみ野 (株)シュテルン世田谷
住所〒225-0011
神奈川県横浜市青葉区あざみ野2-3-1
TEL045-904-1484
営業時間9:30~19:00
定休日年中無休

メルセデス・ベンツCLA250(117型)

全長×全幅×全高4685×1780×1430mm
ホイールベース2700mm
トレッド前/後1545/1545mm
車両重量1500kg
エンジン直列4気筒DOHCターボ
総排気量1991cc
最高出力211ps(155kW)/5500rpm
最大トルク35.7kg・m(350N・m)/1200~4000rpm
JC08モード燃費16.6km/リットル
サスペンション前マクファーソン・ストラット式
サスペンション後4リンク式
ブレーキ前後ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ前後225/40R18

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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