新車試乗レポート
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2015.12.17

アウディ TT 試乗レポート

アウディ TT

アウディのスポーツクーペTTが一新された。一見キープコンセプトのデザインだが、よく見ると細部に渡ってクオリティを向上。軽量ボディによるスポーティな走りも大きく進化した。

デザインも走りも進化した新型TTが日本上陸

 自動車デザインに“バウハウス”を持ち込んだ初代TTから20年弱。3世代目のコンパクト2ドアクーペが登場した。上の写真がそれで、キープコンセプトながら新鮮さを醸し出している。

 それもそのはず、かなりの部分が作り替えられた。サイズはもちろん、ルーフのいちばん高い位置を前方へずらし、走り出す瞬間のような勢いを見せつける。前傾姿勢だ。

 もちろん、フロントグリルまわりもデザイン変更し、イマドキさをアピールする。グリルのカタチやLEDヘッドランプの形状はまさにアウディのDNAにほかならない。夜間の輝きは個性的である。

 ただ、よく見るとこのクルマ特有のアレンジも施される。それはエンブレムの位置。通常のモデルは大きなグリルの中央に鎮座するのだが、こいつはボンネットの先端に置かれている。グリルセンターはナンバープレートだ。じつはこれが許されたのはR8のみで、通常のモデルと本格的スポーツカーを分けている。その意味ではTTがR8の直系であることがこれで証明されたわけだ。

 グレードは大きく分けて3つで、TTクーペ、TTロードスター、TTSクーペとなる。搭載されるエンジンはすべて2.直4直噴ターボ。アウディのラインアップにも順次搭載している絶賛売り出し中のパワーユニットだ。そのマックスパワーの違いでグレード構成する。TTSクーペが286馬力、そのほかが230馬力というように。トランスミッションは6速Sトロニック。パドルシフトの反応の速さは折り紙付きだ。駆動方式は、TTクーペにFWDとクワトロがある以外はクワトロ、つまり4WDに統一される。いうまでもないが、このクワトロのトルク配分は前40対後60を基本形とする。状況によっては、RWD的な動きも楽しめるというわけだ。

アウディ TT

 では、インテリアはどうかというと、かなりグレードが上がった。細部のつくり込みがよく、高級な素材感もプンプン漂う。そして目玉はバーチャルコックピット。メーター位置の液晶画面にその仕掛けはあり、スイッチを押すと左右2つのメーターが小さくなってセンターのナビ画面が大きくなるというものだ。で、これが想像以上にいい。画面が横長になるため縮尺を変えなくても目的地が映し出されるからだ。

 さて、そんな新型TTを試乗する。まずはTTロードスター。走り出してすぐに感じるのは十分なパワー。この上にTTSクーペがあると思うとどうなのかなとアクセルを踏み込んでみたが心配にはおよばない。低回転からターボが働き、小さなボディをドーンと加速させる。考えてみればそうだ。230馬力はこのクラスにしては十分すぎる数値である。

 さらに4WDとも思えないハンドリングもいい。トルクステアはほとんどなく、ごく自然に操舵する。いい感じだ。軽めのパワステが手のひらに操舵フィールを伝える。

 しばらく走って気に入ったのはエキゾーストサウンド。驚くほどレーシーなサウンドを轟かせた。トンネルのなかで響き渡るその音に思わずニンマリしてしまった。

 次にステアリングを握ったTTSクーペは「速すぎる!」といった加速を見せた。不意なアクセルワークではまわりの景色を置き去りにしてしまう加速感がある。56馬力の差はこれまたかなりあったということだ。正直、別のクルマといった印象。サーキットに持ち込んだらいい走りっぷりを見せるのではないだろうか。エキゾーストノートを含めゾクゾクした走りを楽しめそうだ。

文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ アウディコミュニケーションセンター 0120-598-106

Detail Check

アウディ TT

全長は短く全幅に余裕を持たしたスリーサイズ。全高は低く、いわゆるワイド&ローで設計された。クルマのセンターを最上部としている。

  • コックピット

    アウディ TT(コックピット)

  • コックピット

    質感からしてクラスが上がった新型のコックピット。ラグジュアリースポーツカーといった雰囲気。で、下の写真が噂のバーチャルコックピット。12.3インチの高解像度モニターが現れる。

  • インテリア

    アウディ TT(インテリア)

  • インテリア

    ダイヤモンドステッチの個性的なシート。リヤは+2なのでサイズはこんなもの。大人の長距離は当然少々厳しい。

  • エンジン

    アウディ TT(エンジン)

  • エンジン

    全グレードに2L直4直噴ターボが搭載される。いわゆる2.0 TFSI。クワトロでもご覧のようにエンジンは横置きで積まれる。

  • ラゲッジスペース

    アウディ TT(ラゲッジスペース)

  • ラゲッジスペース

    リヤシートは50対50で畳むことができる。そもそもハッチバックタイプなので、こうすれば思いのほか荷物を積むことができるのが特徴。

  • タイヤ&ホイール

    アウディ TT(タイヤ&ホイール)

  • タイヤ&ホイール

    17インチから用意されるホイールはグレード、オプションでバラエティに富む。写真は19インチ。TTクーペ、ロードスターのオプション。

主要諸元:アウディ TTクーペ 2.0TFSIクワトロ(6速AT・Sトロニック)

全長×全幅×全高4180×1830×1380mm
ホイールベース2505mm
トレッド前/後1565/1545mm
車両重量1370kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1984cc
最高出力230ps/4500-6200rpm
最大トルク37.7kg m/1600-4300rpm
サスペンション前/後ストラット/4リンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク
タイヤサイズ前後245/40R18

全国メーカー希望小売価格(発売 2015年8月)

TTクーペ 2.0TFSI( 6速AT・Sトロニック)542万円
TTクーペ 2.0TFSIクワトロ( 6速AT・Sトロニック)589万円
TTロードスター 2.0TFSIクワトロ( 6速AT・Sトロニック)605万円
TTSクーペ( 6速AT・Sトロニック)768万円

Body Color

 モンスーングレーメタリック ベガスイエロー
 ミトスブラックメタリック フロレットシルバーメタリック
 グレイシアホワイトメタリック スクーバブルーメタリック
※ほか5色。

走りを楽しみたいひとには286馬力のTTSも選べる

  • アウディ TTSクーペ

  •  本文にも記したようにTTクーペにはハイパフォーマンスバージョンのTTSクーペがある。スタンダードエンジン+ 56 馬力の286 馬力は別モノといった印象を持つくらいスポーティだ。もちろん、走りだけでなくエクステリアも専用パーツを備える。シングルフレームグリルのデザインも特有だ。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ