新車試乗レポート
更新日:2025.11.29 / 掲載日:2025.11.29
新型プレリュード公道試乗!
ホンダ自慢の新ハイブリッドスポーツ、満を持して登場!
長きブランクを経て復活したプレリュードは、単なるスポーツカーとは一線を画したスペシャリティな大人のクーペ像を掲げている。その走りの中心となるのが、e:HEVによる新世代のファントゥドライブだ。ここでは、シビック・タイプR譲りのシャシー性能や、あえて「変速感」を生み出すパワーユニットの粋な制御に注目。新生プレリュードの操る喜びと高いポテンシャルをチェックしてみたい。
文:川島茂夫 写真:澤田和久

マニア以外にも開かれたスポーツドライビングの世界
クーペと言えばスポーツカーを想像する人も少なくないだろうがひと昔前はスポーツカーはクーペの1ジャンルでしかなく、クーペはパーソナルユースに特化した低全高の2/3ドア車の総称だった。厳密な定義があるわけではないが、前席乗員が快適にドライブを楽しむスペシャリスト的存在といえる。
長いブランクの後、復活を遂げたプレリュードが掲げたグランドコンセプトは「アンリミテッド・グライド」。航空機のグライダーをモチーフに優雅に滑空するような高揚感と非日常のときめきを感じさせるクルマを目指し開発された。大人のカップルが街や長距離を楽しむに似合いのイメージであり、スポーツカーとは一線を画したクーペを思わせる。
とは言え、サス周りはシビック・タイプRと同型式。ホンダ独自のシリーズ/パラレル式ハイブリッドのe:HEVを搭載するも、シャシーのポテンシャルは相当高い。実際、試乗での印象でも走行速度域が高い、比較的サスへの負荷が大きい時の方がまとまりがいい。
大横Gまで操舵に素直に追従するハンドリングも秀逸。揺れ返しや加減速、路面うねりでのラインの乱れも少なく、すっきりとした操り心地を示してくれる。さすがにタイプRほど限界性能を追求した設定ではないが、ハードに攻め込むようなスポーツドライビングにもついてくるフットワークも兼ね揃えている。
内燃機ライクな制御に好感。操る楽しみを実感できる
搭載するパワーユニットは、ホンダ独自のシリーズ/パラレル式ハイブリッドシステムのe:HEV。EGR域の拡大などで高熱効率を達成したエンジンや、次世代型の制御を取り入れた1.5世代型だ。
e:HEVは、高速巡航でのパラレル稼働時以外はエンジンは発電機として稼動する。必要とする発電電力量に応じてエンジンを稼働させればいいが、プレリュードのe:HEVは、あたかもステップ変速ATの如くにエンジン回転数を変化させる。使用回転域や踏み込み直後のトルクピックアップを走行モードやS+シフトに応じて変更しているが、これにもしっかりと呼応してくる。内燃機の2ペダルスポーツを走らせているような気分が、ファントゥドライブを盛り上げてくれる。
基本となる走行モードは、スポーツ/GT/コンフォートの3モードが設定され、選択モードによりダンパーの減衰力制御特性が変わる。コンフォートが最もソフトな設定になるが、洗練とか良質を感じられたのはGTモードだ。
コンフォートを選択してもあからさまに乗り心地が柔らかくなるわけではなく、低中速域での車軸周りの揺動が目立つ。バネやブッシュ類も含めてGTモードはバランスがよく、腰の利いた乗り心地は乗り疲れしにくい。余談だが、カタログ燃費データはGTモードでの計測を行ったという。
ちなみに、S+シフトをオンにすると、室内のスピーカーから回転数やアクセルの踏み込みに応じた疑似エンジンサウンドが響いてくる。それほど大きくない音量だが、パワーをコントロールしている気分を高めてくれる粋なギミックといえるだろう。
タイプRが持つ究極の速さを求めたパワートレーンやサスチューンは、マニア以外には高いハードルと言わざるを得ない。そこでプレリュードは、その血筋を上手にe:HEVの2ペダルドライブに落とし込むことで、幅広いユーザー層が走りを楽しめるモデルに仕立てている。タイプRとは明らかに違う大人の走りは、稀有な存在でありとても魅力的だ。









■主要諸元 ●全長×全幅×全高(㎜):4520×1880×1355㎜ ●ホイールベース:2605㎜ ●車両重量:1460㎏ ●乗車定員:4名 ●パワーユニット:1993㏄直列4気筒DOHCエンジン(141PS/18.6㎏・m)+駆動モーター(135㎾/315N・m) ●トランスミッション:一段固定式 ●駆動方式:FF ●WLTCモード総合燃費:23.6㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソン式(F)/マルチリンク式(R) ●タイヤ:235/40R19