新車試乗レポート
更新日:2025.10.15 / 掲載日:2025.10.15

【ホンダ N-ONE e:】性能には文句ないけれど【工藤貴宏】

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

 「N-ONE e:」は、ホンダの軽自動車である「N-ONE」のEV(電気自動車)バージョンです。

見た目も新たに登場したN-ONEの電気自動車

ホンダ N-ONE e: G

 プラットフォームやアッパーボディは基本的に同じですが、エンジンやトランスミッションに代えてバッテリーとモーターを搭載。外観は一部を専用デザインに。

 具体的にはボンネットフードやフェンダーまで含めたフロント部分とリヤを専用デザインとしています。ヘッドライトがボコッと張り出した感じのガソリン車に対してEVは“出目金感”がないなど顔つきも違いますが、後ろ姿はテールランプがクリアレンズになっているのに加え、ナンバープレートの装着場所からして異なるので違いがわかりやすいですね。

 室内に乗り込むと、ダッシュボードやドアトリムをガソリン車とは異なる専用設計として差別化。現行型N-BOXスタイルの全面液晶としているメーターもガソリン車のN-ONEとの違いです。

ホンダ N-ONE e: G

 そんなN-ONE e:に触れて感じたのは「クルマに何を求めるか」で評価が大きく変わってくるということ。最高にマッチングがいいのは「ひとりもしくはふたりで限られた範囲を移動する乗り物」としてクルマを選ぶ人。いわゆるシティーコミューターですね。自宅で充電ができ、セカンドカーとして日常の生活や通勤に使うなんていう人との相性は最高です。

 ガソリン車に比べていいところはダイナミクス性能。たとえば加速は、一般的に軽自動車だと「辛い時がある」のは事実ですが、EVだとまったくもって違うのです。

 モーターはトルクが太いからエンジン車よりもずっと力強く、軽自動車とは思えないパワー感。上り坂だってスイスイ上がっていきます。これだけでEVの良さを実感できますね。

ライバルは日産サクラと比べて航続距離や充電性能が優秀

ホンダ N-ONE e: G

 そんな美点や親和性の高いユーザー層に関しては、基本的に先輩である「日産サクラ」と同じです。でも、それはある意味当然と言えるでしょう。なぜなら狙っている方向がいっしょだから。N-ONE e:はサクラのガチライバルと言っていいでしょう。

 ただ、サクラと異なるのは1充電での航続距離。カタログに記載されているサクラの一充電航続可能距離は180kmです。いっぽうでN-ONE e:は1.5倍以上となる295km。たしかに「日常利用ならサクラで困らない」という見方もあるし、筆者だって正直なところそう思わないこともありません。ただ「走れる距離が長ければ安心」というのもまた事実ですよね。

 それから、急速充電する際はサクラの最大受け入れ電力が30kWなのに対してN-ONE e:だと50kWとより高速充電に対応するのも覚えておきたいところ。外出先で急速充電気を使うシーンで、充電速度が違います。電気自動車としての能力は、後発である分だけN-ONE e:のほうが上位といいえるのです。

オススメグレードは「e:G」。シンプルだけどこれで十分

 そんなN-ONE e:のグレードは「e: G」と「e: L」の2タイプ。価格は“G”が269万9400円、“L”が319万8800円と約50万円の差です。

 Gに対して上級のLで追加されるのは、アルミホイール、9インチ画面のカーナビ、本革巻きステアリングホイール、Honda CONNECT(通信機能)、そして急速充電対応(Gだとメーカーオプション)など。たしかに装備充実のLは魅力的ですが、筆者が“日常の足”としてN-ONE e:を買うならシンプルなGを選ぶことでしょう。

 いつもの道を走るだけならカーナビはいらないし、イザとなればスマホのナビアプリを使えばいい。GでもBluetoothオーディオは組み込まれているから、スマホを繋げば音楽だって楽しめるのもいい(再生状況はメーター内に表示されステアリングのスイッチで操作可能)。

 一般的にベーシックグレードだと廉価感が否めないインテリアの仕立ても、ステアリングホイールが革巻きではないことを除けば差別化されていないのもポイントですね。チープ感は皆無。というわけで筆者は激しく「G推し」です。

正直に言えば「N-BOX e:」が欲しい

ホンダ N-ONE e: G

 ただ、正直に思うのは「ホンダの次の軽自動車EVは『N-BOX e:』だったらいいな」ってこと。N-BOX は言わずと知れたスーパーハイトワゴン&スライドドアのモデルで、N-BOX e:にあってN-ONE e:にないのは高いユーティリティ。N-BOXはいま日本一売れている乗用車ですが、その人気の理由が実用性にあるのは言うまでもないでしょう。やっぱりスライドドアは便利ですからね。

 N-BOXを電気自動車にすると「車体が重くなって航続距離が短くなる」とか「値段が高くなってしまう」という「まずはN-BOXではなくN-ONEをベースとした理由」は確かにその通りです。ですが、やはりせっかくなら、もっと使い勝手のいいパッケージングのEVも欲しくなりますよね。

 もしホンダが「日本一売れている乗用車のEVモデルです」とうたってN-BOX e:を送り出したら、世間のEVに対する見方や認識も変わるような気がするのですが、どうでしょうかね?

 あ、N-ONE e:はいいクルマですよ。それは疑いようがありません。ただ、N-BOXのEVがでたらもっといいな……と思うだけで。

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工藤貴宏(くどう たかひろ)

ライタープロフィール

工藤貴宏(くどう たかひろ)

学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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