新車試乗レポート
更新日:2025.08.09 / 掲載日:2025.08.08
新型3008はルックスに驚いて走って感動!【竹岡 圭】【プジョー】

文●竹岡 圭 写真●ユニット・コンパス
8年ぶりにオールフルモデルチェンジが行われたプジョー3008。プラットフォームに新開発のSTLA-Mediumを使った、初のモデルとして登場。マイルドハイブリッドとBEVモデルの2本立ててデビューとなりました。
新型はファストバックスタイルが斬新なクロスオーバーデザインで登場

先代も前衛的な止まっていても風を感じるようなエクステリアデザインが印象的でしたが、新型もそう。ライオンの3本爪をモチーフとして各所にあしらったSUVでありながら、リアはファストバックスタイルを取り入れた斬新なものとなっています。
わかりやすく言うと、SUVとクーペのクロスオーバー車のような雰囲気で、サイドビューはプジョーでは初めてとなるサイドウインドウモールが見えないデザインを採用。どの方向から見ても、プジョーらしいモダンさ漂う美しい仕上がりとなっています。

とはいえ、リアが大きく傾斜したファストバックスタイルなので、荷室容量が気掛かりとなりますが、フル乗車時で520L、後席を倒すと1480L。Cセグメントのクルマとしては満足できるレベルと言っていいでしょう。
さらに、エクステリアでユニークなのは、19インチのアロイホイール。長野県の北アルプス南部にある槍ヶ岳から「YARI」と命名されたんだそうです。槍ヶ岳と言えば、その名の通り、山頂部が槍の鋭い穂先のようになっていますが、そこをモダンに解釈しつつ、エアロダイナミクスを融合したデザインにしたんだとか。日本人としては、なんだか嬉しくなりますよね。
ドライバーを際立たせた先進的なコックピット

さて、インテリアもかなり特徴的です。ステアリング径が小さくメーターをステアリングの上から見る格好になるi-コクピットを採用しているのはもちろんなのですが、上に設えられたのは21インチの大きなスクリーンタイプのメーター。これをi-コクピットと融合することで、デザイン性と視認性をさらに向上。また、全体的にダッシュボードからセンターコンソールへ斜めに切れ込むようなデザインとなっているために、ドライバーオリエンテッドなコクピットとして設えられているんですよね。SUVと言うと、助手席とのシームレスな空間が作られることが多いような気がしますが、プジョー3008はドライバーを際立たせたモダンかつスポーティな印象にまとめられていました。



スポーティさと乗り心地の良さを両立させた新時代の「ネコ足」

今回試乗したのはマイルドハイブリッドモデル。1.2Lガソリンターボエンジンに、電動モーター内蔵6速デュアルクラッチ式トランスミッションを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムとなります。
電池の充電量状況にもよりますが、30km/h以下の速度域なら電動モーターのみの走行が可能となり、燃費もWLTCモードで19.4km/lとなかなかのもの。でも今回それより驚いたのは、走り味の良さでした。
プラットフォームが新しくなったことがいちばん効いていると思うのですが、とにかくスポーティなんです。ハンドリングもキビキビという言葉がしっくりくるほど機敏な感じ。とはいえ繊細過ぎることはないので、気持ちよくワインディングロードを駆け巡りつつ、高速道路でのレーンチェンジなどでも余裕を持って操作ができるといった感じ。それでいて乗り心地がいいんです。プジョーと言うと猫足とよく言われますが、適度に落ち着き感と粘りがあり常に猫の後ろ足まで感じながら走れるようなフィーリングでした。
乗るひとすべてがハッピーになれるSUV

乗り心地の良さと走りの機敏さで、乗っているひとすべてが幸せを感じられそうな、新しい時代のSUVがまたひとつ増えたといったところでしょうか。