新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2013.02.21

プジョー 208 試乗レポート

プジョー 208

オシャレな小型・軽量ボディに軽快なフットワークで、輸入車ファンを大いに楽しませたプジョー205&206。ボディサイズやウエイトをダイエットした新型208は、ヤングライオンらしい楽しさを身にまとい帰ってきた!

大胆なダウンサイジングで変身したリトルライオン

 従来のユーザーからの乗り換えをうながしつつ、新規顧客を奪い合うライバルとの熾烈な競争を勝ち抜くため、多くのクルマがフルモデルチェンジの際にボディサイズを拡大して内容を充実させてきた。だが、それによって得られるものだけでなく、少なからず失われるものがあったのも事実。

 たとえば小型車にとって、繁華街や狭い住宅街での取りまわしや駐車のしやすさといった使い勝手は、ユーザーにとって大事な性能のひとつだからだ。さらに、従来よりも車内を広くして装備を豪華にすれば必然的に車重がかさみ、結果として燃費性能にも悪影響を及ぼす。これをハイテクでカバーしようとすると、今度は製品価格にしわ寄せがくる。

 これまで20Xシリーズを世界で累計1500万台販売してきたプジョーは、新しい208を生み出すのに際して、先代モデルよりもボディサイズをダウンサイジングするという大転換をやってのけた。

 全長で85mmものサイズダウンということで気になる室内空間だが、設計上の工夫によって、従来よりむしろ拡大しているというのだから文句がない。さらに積極的に軽量化技術を取り入れることで、従来に比べて車重を100kg近く減量していることも見逃してはいけないポイント。エンジンの出力が同じならば、軽いクルマのほうが走りがよくて燃費に優れるからだ。これにより、5ドアの4速AT車でも、13・4km/L(JC08モード)、新開発の1.2L 3気筒エンジンを搭載する3ドア5速MTでは19km/Lという優れた燃費性能を実現している。

プジョー 208

 208のラインアップは、3ドアと5ドア合わせた4グレード。今回のテストドライブでは、すべてのバリエーションを一度にテストできたため、それぞれの特徴をはっきりと捉えられた。

 まずは1.2L 3気筒エンジンを搭載する3ドアのアリュール。199万円という価格が魅力のベーシックモデルだが、小排気量ながら小さく軽くなった車体のおかげもあって非力さはさほど気にならず、5速MTとの組み合わせで運転が楽しい。まるでスニーカーのような軽快感が、3ドアのスポーティなスタイルにマッチしている。気がつけば相棒のような存在になっているタイプだ。

 続いて、もっともポピュラーな存在になるであろう5ドアモデル。これは装備の違いによって、プレミアムとシエロに分かれており、シエロには開放感のあるパノラミックガラスルーフが標準で備わる。

 パワートレーンを先代から受け継ぐこの5ドアこそ、軽量ボディの恩恵をもっとも強く受けているかもしれない。先代207でレベルアップした走りのしっかりさを受け継ぎつつ、新型では小型車の魅力である軽快感、さわやかさが際立つからだ。

 開発にあたってタウンユースや女性ドライバーのニーズを大切にしたと語るとおり、前後オーバーハングの短さと運転席からの見切りのよさが相まって街中ではストレスフリー。

 室内の仕立ても上等で、デザインや表面処理の巧みさは同クラスの国産車とは一線を画す。窓ガラスの角度を立たせたり小径ステアリングを採用したことで、シートに収まった際の開放感も十分以上。これにはシエロに備わるパノラミックグラスルーフも大きく貢献している。

 実用車でもオシャレに楽しく乗りこなしたい、そんなユーザーの気持ちにこたえてくれる208。今後バリエーションも充実していくとのことで、プジョーファンならずとも注目の存在となるだろう。

文●GooWORLD  写真●GooWORLD
問い合わせ プジョーコール 0120-840-240

Detail Check

プジョー 208

  • コックピット

    プジョー 208(コックピット)

  • コックピット

    小径ステアリングとその上から見るタイプのメーターが特徴的。7インチのタッチスクリーン式モニターでは、オーディオなど車両の各種設定が行える。この画面に対応したナビゲーションシステムは現在開発中で、後付けにも対応するとのこと。

  • インテリア

    プジョー 208(インテリア)

  • インテリア

    レザーとファブリックのコンビとなるシートはシエロ標準。フロント側の高さ調整やセンターアームレストは全グレードに標準装備。リヤシートの足元空間は、先代モデルに比べて50mm拡大している。

  • プジョー 208(パノラミックガラスルーフ)

  • 後席でも開放感を味わえるパノラミックガラスルーフはシエロとGTに標準装備。イルミネーションも備わり、ナイトシーンを彩る。

  • ラゲッジスペース

    プジョー 208(ラゲッジスペース)

  • ラゲッジスペース

    リヤオーバーハングを10mm削りながらも荷室容量は285Lと15L拡大。リヤシートを畳めば1076Lもの余裕の空間が出現する。

  • エンジン

    プジョー 208(エンジン)

  • エンジン

    1.6L直噴エンジンと4速ATは先代からのキャリーオーバー。3ドアのアリュールには新開発の1.2L 3気筒エンジンが採用された。

主要諸元:プジョー 208 シエロ(4速AT)

全長×全幅×全高3960×1740×1470mm
ホイールベース2540mm
トレッド前後1470mm
車両重量1160kg
エンジン直4DOHC
総排気量1598cc
最高出力120ps/6000rpm
最大トルク16.3kg m/4250rpm
サスペンション前/後ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク
タイヤサイズ前後195/55R16

全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2012年11月)

208アリュール(3ドア・5速MT)199万円
208プレミアム(5ドア・4速AT)216万円
208シエロ(5ドア・4速AT)240万円
208GT(3ドア・6速MT)258万円

Body Color

 □ビアンカ・ホワイト ペルラ・ネラ・ブラック スピリット・グレー ブロッサム・グレー
 モロカン・レッド モレロ・ブラック カラド・ブルー

走りの洗練さやパフォーマンスを求める人にはGTをオススメ

プジョー 208

 1.6L直噴ターボに6速MTを組み合わせる3ドアのGTは、スポーティ路線のハイパフォーマンスバージョンという位置づけ。1.2Lエンジンと比べてパワフルなだけでなく洗練度でも一枚上手で、軽量ボディと組み合わせた走りはファンそのもの。さらに辛口を求める向きには、今年夏頃導入予定のGTiが要注目だ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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