新車試乗レポート
更新日:2018.10.31 / 掲載日:2013.01.24
BMW アクティブハイブリッド 7L 試乗レポート

よりエコ志向を強め、燃費性能を大幅にアップ

ルックスの押し出し感に磨きを掛け、セーフティメカを一段と充実させた新しい7シリーズで、もっとも注目を集めるのは内容を一新したアクティブハイブリッド7だ。なんと、JC08モード燃費を9.1から14.2km/Lに大幅改善するとともに、価格も80万円ほど引き下げて登場した。
秘密は直噴+ターボの構成はそのままに、4.4LV8から3L直6へとダウンサイジングされたエンジン。同時に、モーターの性能強化と駆動用電池の大容量化も実施した。つまり、パフォーマンス寄りだったシステム構成が、ハイブリッドらしいエコ寄りの構成に変わったというわけだ。
となると、性能低下を心配する声もあるだろう。確かに、怒濤の突進力は迫力が低下した印象。V8だった前型は、エンジンだけで449馬力/66.3kg mの性能を有していたのだから、致し方のないことだろう。とはいえ、エンジンだけで320馬力/45.9kg m、モーターをあわせたシステムで354馬力/51.0kgmの性能を持つ新型も、素晴らしい能力の持ち主であることに変わりはない。
システム構成は“3”や“5”のアクティブハイブリッドと共通で、車重は“3”より360kgも重いのだから不思議だが、加速の力強さ、クルージングのゆとりともに「満足」のひと言。むしろ、V8の前型が過剰だった気もする。“7”ならではの高度な静粛性、たおやかな乗り心地(新型は標準ホイールベース車にもリヤエアサスを標準化)と相まって、高級感あふれる乗り味を紡ぎ出す。
そう、“L”モデルを運転手付きで乗る人にも、高い満足度を提供する出来映えなのだ。それとは対照的に、新設された“Mスポ”モデルを選んで、スポーティな走りを楽しむことも可能。直6ベースになった新しいアクティブハイブリッド7は、エコ度だけでなく、楽しみの幅もより進化させた。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合せ BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437
Detail Check
コックピット
コックピット
新型は740iと750iに10.25インチ液晶パネルを使うマルチディスプレイメーターを導入したが、アクティブハイブリッド7は従来式を踏襲する。だが、そのほかの先進&豪華装備の多くは標準。仕立ても極めて高級だ。
エンジン
エンジン
エンジンをダウンサイジングする代わりに、モーターを15kW/160Nmから40kW/210Nmへと強化。グッとエコなパワートレーン構成として、JC08モード値14.2km/Lの低燃費を実現した。
インテリア
インテリア
エグゼクティブサルーンならではの極上の空間。ホイールベースを140mm延長した“L”は、電動調整式のコンフォートシートを後席に標準採用する。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
駆動用のリチウムイオン電池を積むため、容量はベース車から140L減の360Lとなる。ちなみに、駆動用電池が小さかった旧アクティブハイブリッド7は460Lの容量を確保していた。
主要諸元:BMW アクティブハイブリッド 7L(8速AT)
全長×全幅×全高 | 5220×1900×1485mm |
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ホイールベース | 3210mm |
トレッド前/後 | 1600/1630mm |
車両重量 | 2140kg |
エンジン | 直6DOHC |
総排気量 | 2979cc |
最高出力 | 320ps/5800rpm |
最大トルク | 45.9kg m/1300~4500rpm |
最高出力(モーター) | 54ps |
最大トルク(モーター) | 21.4kg m |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/インテグラルアーム |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前・後 | 245/45R19・275/40R19 |
全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2012年9月)
アクティブハイブリッド 7(8速AT) | 1198万円 |
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アクティブハイブリッド 7L(8速AT) | 1338万円 |
Body Color
■ブラックサファイヤ ■スペース・グレー ■グレイシャー・シルバー ■ハバナ ■カシミヤ・シルバー □アルピンホワイトIII ※ほか7色 |