新車試乗レポート
更新日:2018.10.31 / 掲載日:2013.01.24
BMW 523d ブルーパフォーマンス 試乗レポート

クルージングでの快適さはガソリン車を凌ぐほど

「ブルーパフォーマンス」の名称で、日本でもクリーンディーゼルの積極展開を開始したBMW。5シリーズにも523dが加わった。車名から「排気量は2.3L」と連想するかもしれないが・・・心臓は320dと共通の2L直4ターボで、184馬力/38.7kg mの性能も共通だ。“5”の車格を考え、あえて523dの名を与えたと考えればいい。
そんな523dが声高にアピールするのは、JC08モードで16.6km/Lという燃費のよさと、税制優遇に象徴されるお得感。でも、BMWなんだから退屈なエコカーであるはずがない。走りっぷりのよさは、優秀な燃費以上に衝撃的なものだ。
そのカギとなるのは、535iが積む3L直噴ターボ(40.8kg m)に迫る大トルク。トルクの大波に乗ってグイグイと速度を乗せていく感覚は、なんとも頼もしく、528iもたじたじといった印象だ。
しかも、振動やノイズも4気筒ディーゼルとは思えないほど抑えられている。アイドリング時や発進・加速のときは、さすがに特有のカラカラ音が耳に入るが、音量は小さく荒っぽさとは無縁。クルージングにおける静粛性はガソリン車を凌ぐほどだから、快適度は文句なしと言っていい。
そして、場面や好みにより走行モードを選択できるドライビングパフォーマンスコントロールにも注目したい。「スポーツ」を選んでトルクもりもりの加速感を楽しむのも、「ECO PRO」にして燃費を伸ばすのも、どちらも523dに乗る歓びにつながる。もっともはまるのは高速道路をハイペースで駆け抜けるシーンだが、峠道を飛ばすのだってあり。応答性に優れ、高回転まできれいに回るエンジンは、ディーゼルを忘れさせるほどのスポーティで上質な走りを演出してくれる。乗ればきっと、「ディーゼル嫌い」も宗旨替えしてしまうのでは?それほどまでに完成度は高い。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合せ BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437
Detail Check
コックピット
コックピット
視認系を上段、操作系を下段に配置した機能的デザインが特徴。撮影モデルは、専用ステアリングやアルミニウムトリムなどを採用するMスポーツパッケージで、スポーティなムード演出となる。質感の高さも折り紙付き。
エンジン
エンジン
力感あふれる走りと抜群の高効率の源泉は、1750~2750回転の広範囲で38.7kg mの大トルクを生む2L直4ディーゼルターボと8速ATのコンビ。洗練された回転フィールは「さすがBMW」の印象。
インテリア
インテリア
「Mスポ」はスポーツシートを標準装備。居住空間は広く快適で、後席でもゆったりくつろぐことが可能だ。快適度はEセグメントの水準を超えた領域にある。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
520Lの容量を確保したトランク。6対4分割可倒機構やアームレストスルー機構を採用し、使い勝手をより高めている。フルトリムを施すなど、見た目の高級感の追求も抜かりなしだ。
主要諸元:BMW 523d ブルーパフォーマンス(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4910×1860×1475mm |
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ホイールベース | 2970mm |
トレッド前/後 | 1600/1625mm |
車両重量 | 1760kg |
エンジン | 直4DOHCターボディーゼル |
総排気量 | 1995cc |
最高出力 | 184ps/4000rpm |
最大トルク | 38.7kg m/1750~2750rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/インテグラルアーム |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 225/55R17 |
全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2012年8月)
523d ブルーパフォーマンス(8速AT) | 633万円 |
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523d ブルーパフォーマンス ツーリング(8速AT) | 663万円 |
Body Color
□アルピンホワイトIII ■ブラックII ■チタンシルバー ■ハバナ ■ミラノ・ベージュ ■インペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト ※ほか4色 |