新車試乗レポート
更新日:2024.07.01 / 掲載日:2024.06.30
レクサス・NX「アウトドア×プレミアム」
タフ&クールな魅力を体感
レクサスの人気SUVにアウトドアテイストを強めたオーバートレイルが登場。専用エクステリア、インテリアに加え、最低地上高も標準車からアップ。悪路での走行性能も大きく向上している。新たな魅力を手に入れたNXオーバートレイルを早速体感してきた。
●文:まるも亜希子 ●写真:奥隅圭之
《新境地! アウトドア×プレミアムの提案》LEXUS NX OVERTRAIL[オーバートレイル]
NXがワイルドに変身! アウトドアに飛び出せ
NXがアウトドア風味に!
悪路対応力もアップ
国産ブランドきっての「都会派」イメージが強いレクサスに、土の香りがほのかに漂うアウトドアテイストが新しい感覚。この新グレードであるオーバートレイルは、フロントグリルやドアハンドル、サイドミラーなどをブラックでコーディネートすることで、NXのワイルドさを際立たせている。
足元にはマットブラック塗装された18インチのアルミホイールにオールテレインタイヤを履き、ズシリとした安定感をもたらすとともに、ホイールハウスに空いたスペースが荒れた路面での足さばきのよさを想起させる。実際に地上高は標準グレードより15㎜高められており、サスペンションも専用チューニング。走行プログラムの「トレイル」モードも改良され、オーバートレイル専用の可変ダンパー「AVS」が連動することで、オフロード性能が大幅にアップしている。
インテリアで、まず目を惹くのは従来の9・8インチから14インチに大型化され、存在感が強まったディスプレイオーディオ。オプションでパノラマルーフも設定されており、先進的な操作系と開放感が融合する独特な空間だ。オーバートレイル専用設定のインテリアカラー「モノリス」はやや地味な印象ではあるが、大地や樹木のカラーから抽出したという明るいオーナメントパネルがアクセントとなっている。
一般道で試乗してみると、発進からガッシリとした接地感があり、ステアリングフィールにも落ち着きと確かなインフォメーションがあって、上質なだけではない野生味を感じられた。路面のギャップをよくいなしてくれて、前席はもちろん後席の乗り心地も上々だ。NX全車でリヤボディの変形を抑えるブレースなどを追加し、ボディ剛性が強化されたことに加えて、走り始めの前後トルク配分を見直すなど、走りのバランスの良さや静粛性も進化している。オーバートレイルでは想像していた以上にタイヤがマッチしていて、少し走った未舗装路でも思い通りの走行フィールを得られた。
そして高速道路でも、ズバッと直進していける安定感がありながら、レーンチェンジでは機敏な挙動でピタリと決まるのが爽快で、完成度の高さを感じられた。
オーバートレイルは、さまざまなアウトドアスタイルを楽しむ人に向けて、オフロードや雪道への適応性を高めている。しかし、実際には都心で過ごす時間の方が長いという人にも、市街地や高速道路を使ったロングドライブといったシーンで、リラックス感や安心感を提供してくれるはずだ。
《試乗グレード》NX350 OVERTRAIL〔AWD〕
車両本体価格:650万6000円
ボディーカラー:ソニックカッパー(有料色:16万5000円高)
主要諸元 ●全長×全幅×全高(㎜):4660×1865×1675●ホイールベース(㎜):2690 ●車両重量(㎏):1780 ●パワーユニット:2393㏄直列4気筒DOHCターボ (279PS/43.8㎏f・m) ●トランスミッション:8AT ●駆動方式:AWD ●WLTCモード総合燃費:11.7㎞/ℓ ●ブレーキ前/後:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク ●サスペンション前/後:マクファーソンストラット/ダブルウィッシュボーン●タイヤ:235/60R18
主要装備:パワーイージーアクセスシステム(運転席オートスライドアウェイ&リターンメモリー機能)、ルーフレール(ブラック塗装)、本革ステアリング(パドルシフト付)&本革シフトノブ、ステアリングヒーター、シートヒーター(前後席)、14インチディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus、“OVERTRAIL”専用スピンドルグリル(マットブラック塗装)/“OVERTRAIL”専用ドアハンドル(ブラック)、ドアウインドゥフレームモールディング(ブラック)、アクティブノイズコントロール /インタークーラー/ブーストメーター、「パフォーマンスダンパー」(フロント・リヤ)/NAVI・AI-AVS、ヘッドランプクリーナーほか