新車試乗レポート
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2014.10.16
フォルクスワーゲン ゴルフ R 試乗レポート

ゴルフであってゴルフでない孤高の存在

最速・最強のゴルフである「R」は、VW党やドイツ車好き以外のマニアも一目置く存在だ。狭角V6から4気筒の2L TSIに心臓を変更したのはゴルフVIの時代で、VIIをベースとする新型もその流れをトレースする。とはいえ、性能はプラス24馬力/5.1kgmの280馬力/38.7kgmにジャンプアップしたのだから、不満はどこからも出ないだろう。
気になるのは同じ2L TSIの心臓を持つGTIとの違いだが、性能は60馬力/3.0kgmも強力で、しかも「R」には強大なトルクをムダなく伝達する4モーション(電制カップリング式4駆)という武器もある。その才能が露わになるのは「レースモード」で、アクセルひと踏みでトルクは強烈に盛り上がり、DSGは電光石火の変速を実現!ド迫力のサウンドを含めて、GTIの「さらに上」の世界があることを教えてくれるというわけだ。
それはハンドリングにもあてはまること。GTIより一段と低くセット(20mmローダウン)されたアダプティブダンパー(DCC)付きの専用サスに、18インチ40タイヤを標準で履く「R」は、コーナーでもめっぽう速い。可変レシオのプログレッシブステアリングや、電制デフロックのXDSの採用も効果的で、タイトコーナーから高速コーナーまでを乗り手の思いのままに駆け抜ける能力を持つ。
さらに、高速域や低ミュー路面でみせる安定性や安心感も印象的で、4モーションが大きな効果をもたらしていることもわかる。GTIと比べて値は張るが、それを納得させるだけの万能ぶりだ。
その万能には当然、日常の乗りやすさも含まれる。ハイチューンながらエンジンに神経質なところはなく、「コンフォート」や「エコ」をモード選択しておけばとくに急かされることはないし、乗り心地も十分快適に保たれる。つまりは、羊の皮を被った狼のよう。外観の控えめ演出も「R」の魅力だろう。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合わせ フォルクスワーゲン カスタマーセンターTEL:0120-993-199
Detail Check
コックピット
コックピット
ブルー指針のメーター(フルスケール320km/h)とカーボン調デコラティブパネルが、スポーティかつ上質な「R」の世界を演出するアイテムだ。そして夜間は、ブルーのアンビエントライトがムードを高めてくれる。
エンジン
エンジン
シリンダーヘッドなどの改良で、先代比24馬力/5.1kgmアップの性能を実現した2L TSI。欧州仕様は300馬力を発生する。
インテリア
インテリア
本革スポーツシートを標準装備。サイドサポートの張り出しを見ればわかるようにハードな走りでもきちんと体をホールドする。
エクステリア
エクステリア
4本出しエキゾーストが「R」の高性能を主張する。重低音サウンドも魅力だが、緩加速での「ボーッ」という音はこもり気味で、少々やり過ぎの感もある。
アルミホイールは専用のデザインで、タイヤは225/40R18サイズ、ブレーキキャリパーは「R」ロゴ入り。足元も決まっている。
主要諸元:フォルクスワーゲン ゴルフ R(6速AT・DSG)
全長×全幅×全高 | 4275×1800×1465mm |
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ホイールベース | 2635mm |
トレッド前/後 | 1535/1510mm |
車両重量 | 1500kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1984cc |
最高出力 | 280ps/5100-6500rpm |
最大トルク | 38.7kg m/1800-5100rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/4リンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前後 | 225/40R18 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2014年2月20日)
ゴルフ R(6速AT・DSG) | 529万8000円 |
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Body Color
■ラピスブルーメタリック □ピュアホワイト ■ディープブラックパールエフェクト □オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト |