新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2014.05.22
プジョー RCZ R試乗レポート

文●森野恭行 写真●内藤敬仁(メインカット)、北川泉 問い合せ プジョーコール TEL:0120-840-240
日本での販売が150台に限定される特別なモデルだけに、RCZ Rのモディファイはかなりエッジが効いたもの。白眉と言えるのはエンジンで、1.6Lの排気量をそのままに性能を200馬力/28.0kgm(MT用)から270馬力/33.7kgmへとジャンプアップさせた。2000回転を超えたところで「キターッ」とばかりにトルクを炸裂させ、6500回転オーバーまで一気呵成に吹け上がるのが、R専用ユニットの快感のツボだ。速さに加えて、抜けのいい排気音の演出効果も高く、「ホントに1.6L !?」と驚くほどの刺激性を生み出している。
パワフルユニットで一層光る走りのポテンシャル

そして、シャシーチューンも決まっている。回頭性がシャープなだけでなく、曲率がきついコーナーもグイグイと曲がってくれるのがうれしいところ。トルセンLSDのおかげで立ち上がりのトラクションも優秀だから、ターボパワーをきちんと速さに昇華できるというわけだ。で、締めくくるのは強力なブレーキ。Rには「走る・曲がる・止まる」の三拍子が揃う。RCZというと、308ベースのスペシャルティとなめてかかる人もいるだろうが、Rは本格スポーツを指向する。
でも、あまりにスポーツ性の高さを強調すると、日常の扱いやすさを心配する声も聞こえてきそう。しかしながら、心臓は「リッター170馬力」のハイチューンから連想する神経質さとは無縁で、過度のターボラグやトルクの段つきに悩まされることはまずない。加えて、サスもガチガチではなく、日常性にも配慮したセッティングだから、ユーザーや用途を限定しないのだ。ネックとなるのは540万円というプライスだが、プジョーのモータースポーツ部門である「PEUGEOT SPORT」が、魂を込めて開発をした逸品と考えれば納得がいく。専用のリヤスポやツインエキゾーストが目を引くルックスも、魅力的な仕上がりだ。
Detail Check
コックピット
コックピット
左ハンドル+6速MTのみの設定が、いかにもトップパフォーマーらしい。頼もしいサポート性を発揮するナッパレザー+アルカンタラの専用バケットシートやアルミシフトノブが、「R」だけの特別な個性を主張する。
エンジン
エンジン
大径ツインスクロールターボで武装した専用ユニットは、1.6Lながら270馬力/33.7kgmという高性能を誇る。0→100km/hが5.9秒、0→400mが14.2秒と、加速はめっぽう速い!
インテリア
インテリア
キャビンは2+2だが、後席空間は子供用もしくは短時間ユースにかぎられる。
タイヤ
タイヤ
10mmローダウンの専用サスに235/40R19サイズのタイヤを組み合わせる。フロントに4ピストンキャリパーをおごった大径ブレーキも、「R」の本気を物語るアイテムだ。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
荷室容量は321Lと大きめで、トランクスルー機構も採用する。
主要諸元:プジョー RCZ R(6速MT)
全長×全幅×全高 | 4290×1845×1350mm |
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ホイールベース | 2610mm |
トレッド前/後 | 1580/1595mm |
車両重量 | 1340kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1598cc |
最高出力 | 270ps/6000rpm |
最大トルク | 33.7kg m/1900-5500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 235/40R19 |
全国メーカー希望小売価格(発売・発表 2013年12月)
プジョー RCZ R(6速MT) | 540万円 |
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