新車試乗レポート
更新日:2018.11.16 / 掲載日:2014.10.01
ジャガー Fタイプ クーペ 試乗レポート

圧倒的なフィールを提供するリアルスポーツ

昨年リリースされたジャガー Fタイプコンバーチブル。そのクーペ版が今年追いかけるように登場した。ただ、内容は単に屋根をかぶせたもんじゃない。コンセプトカーC-X16がクーペボディだったことを鑑みれば、本命はこちらとも思える。
それを象徴するのがクーペとコンバーチブル、それぞれの最高出力の違い。V8を積んだコンバーチブルが495馬力なのに対し、クーペはなんと550馬力。その差55馬力も違う。それが出来たのは、クーペのボディ剛性が高いから。コンバーチブルと異なりフロントピラーをそのまま軸とすることで、それを可能とした。そもそも堅牢なアルミフレームをフル活用したってわけだ。
グレードはスタンダードとSクーペ、Rクーペの3種。3L V6を基本形とし、340馬力と380馬力の2つを用意する。Rクーペは前述のV8搭載だ。
試乗したのはSクーペとRクーペ。印象は380馬力で十分過ぎるほど走りが楽しい。ジャガーがスポーツカーブランドであることを再認識させられるほどだ。基本的にはまんまスポーツカー。ドライバーを軸にクルマが回転する感じで向きを変えられる。それもステアリングレスポンスがかなりいいため、想いのまま。アクセルの加減速で鼻先が動く感覚はたまらない。スポーツマインド満点だ。
そしてそれがRクーペになると、とてつもないパワーが追加される。不意なアクセルワークは危険を感じるほどである。こいつを堪能するにはサーキットが必要だとあらためて実感した。
そんなキャラクターをさらに引き出すのがダイナミックモード。各操作系がより俊敏になり、ドライバーを真剣モードにさせる。それと同時に、エキゾーストノートは爆音と化すことも強調しておこう。フェラーリを超える?くらいのブリッピングに、クルマ好きならずとも思わず頬がゆるむのは間違いない。
文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ ジャガーコールTEL:0120-050-689
Detail Check
コックピット
コックピット
コックピットはセンターコンソールの助手席用グリップを見ればわかるように、ドライバー重視にレイアウトされる。しかも、あえて円型メーターやガングリップ型シフターを採用するなど、演出も凝っている。
エンジン
エンジン
550馬力はジャガーの中でのトップパワー。XJRとXKR-Sにしか搭載されていなかった。写真は380馬力のSクーペ。
インテリア
インテリア
シートはヘッドレスト一体型のスポーツタイプを2脚設置。それ以外にスペースがないほどスポーツカーライクに仕上がる。位置調整は電動式で、ドア側に備わる。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
クーペのゲートはこんな感じ。シート後方にスペースがないので、ここは頻繁に活用することだろう。開閉は手動だが、オートアジャスターが付いている。
主要諸元:ジャガー F-TYPE Sクーペ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4470×1925×1315mm |
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ホイールベース | 2620mm |
トレッド前/後 | 1600/1650mm |
エンジン | V6DOHCスーパーチャージャー |
総排気量 | 2994cc |
最高出力 | 380ps/6500rpm |
最大トルク | 46.9kg m/3500rpm |
サスペンション前後 | ダブルウィッシュボーン |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前 | 255/35ZR20 |
タイヤサイズ後 | 295/30ZR20 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2014年6月)
F-TYPE クーペ(8速AT) | 823万円 |
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F-TYPE Sクーペ(8速AT) | 1029万円 |
F-TYPE Rクーペ(8速AT) | 1286万円 |
Body Color
■ルナーグレイ・メタリック ■サルサレッド □ポラリスホワイト ■エボニーブラック ■ブラックアメジスト・メタリック ※ほか7色あり |