新車試乗レポート
更新日:2023.06.27 / 掲載日:2023.06.27

【プジョー 408】刺激的なルックスなのに使い勝手も上等なフレンチSUV

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス、大音安弘

 往年のファンの中には、プジョーのクーペ復活に期待が膨らんでいる人もいることだろう。それが新型モデル「408」だ。その系譜となる「405」、「406」、「407」を振り返ると、どれもスタイルの良さも持ち味だった。そのため、実用的なだけでなく、スペシャルティカーの要素も持ち合わせていた。その最新世代となる「408」は、なんとクーペSUVに転身を遂げた。

スタイリッシュなクーペSUVとして登場

408 GT

 最大の特徴となるスタイルは、クーペライクなルーフラインと大型のテールゲートを組み合わせた5ドアハッチバック仕立てだが、長いボディと背の低さを活かした伸びやかなフォルムがクーペらしさを演出する。

 プジョーのファミリーフェイスは、ライオンの爪痕を彷彿させるライトデザインが特徴だが、GT系のフロントグリルは、下部から上部へと流れる空気を豊富させるデザインとなり、より躍動感が高まっている。個人的には新世代プジョーグリルの中では、最もイケていると思う。エッジと直線を多用したデザインは、見る角度で印象が異なるので、写真には納まりきらない部分もある。だから、実車の印象は、写真よりもずっと良く、個人的にもアリだと思わせてくれた。

立体駐車場に対応する全高など使い勝手もよし

408 GT

 ボディサイズは意外と大きく、全長4700mm×全幅1850mm×全高1500mmとなる。その長さを活かし、ホイールベースも2790mmとゆとりたっぷり。

 特筆すべきは、全高と全幅で、このサイズならば、機械式駐車場にも収まるケースが大きい。つまり都市部でも扱いやすいクロスオーバーなのだ。またロングホイールベースのため、後席足元にもゆとりがあり、クーペルックながら、後席の着座姿勢も良し。そして、ラゲッジスペースもしっかりと確保される。エンジン車で536L~最大1611L、プラグインハイブリッド車(PHEV)で471L~最大1545L(※ファーストエディションだと454L~最大1528L)と大容量なのだ。

 つまりSUV的な使い方も十分に答えてくれる。因みに最低地上高は、170mmとなり、SUVとしては低いが、アウトドア施設など整備されたアウトドアシーンならば十分だろう。

3D表示を取り入れたメーターやスマホ連携、音声コマンドにも対応

408 GT

 コックピットデザインは、308より採用される最新世代のi-コクピットだが、メーターパネルの表示が3Dへと進化。速度などの重要な情報を手前に表示することで、より直感的な理解を高めている。インフォメーションシステムは、受注生産のアリュールを除き、GT系には、ナビゲーションシステムまで標準化され、スマートフォン連携機能も装備するので、日常での使い勝手は良い。タッチスクリーンの操作も、ショートカットキー専用タッチパネルが備わるので、スムーズに必要な画面が呼び出せるのも良い。また「OK!プジョー」で起動する音声コマンドにも対応する。

ガソリン車とプラグインHVを用意

 パワートレインは、ガソリン車とプラグインハイブリッド車の2本立で、全てFF車となる。

 ガソリン車は、お馴染みの1.2L直3ターボエンジンで、96kW(130ps)/230Nmを発揮。燃費が16.7km/L(WLTC)となる。GTグレードのみとなるのが、ガソリンのハイブリッド車だ。1.6L直4ターボエンジンに電気モーターを組み合わせたもの。エンジン単体で、132kW(179ps)/250Nmを、モーター単体で81kW(110ps)/320Nmを発揮する。システム全体では、165kW(225ps)/360Nmとなる。ハイブリッドでの燃費は、17.1km/Lに留まるが、EVモードで66kmの航続距離を持つため、日常走行を電気のみで賄うことも可能だ。充電は、普通充電のみの対応で、6kW出力の場合、約2時間半とされる。

408 GT HYBRID FIRST EDITION

 試乗したのは、PHEV「408 GT HYBRID」ベースの導入記念モデル「FIRST EDITION」だ。ボディカラーは、オブセッションブルーのみとなり、特別装備として、ナッパレザーシート、パノラミックサンルーフ、フォーカル製Hi-Fiオーディオを装備。現時点では、カタログモデルでは、これらのオプション装着することが出来ないため、いずれかの装備が欲しい人は限定80台を狙うしかない。それ以外の部分は、ベース車と全く同じだ。

 試乗時は、満充電だったため、基本的に電気走行となる。だから、とても静か。先にも述べたが、モーター単体でもガソリン車並みのパワーと、それを上回るトルクを発揮できるので、電池残量があれば、高速走行でもEVのまま。急加速も試してみたが、問題なく、全て電気のみで走ってくれた。

 メーターには、1回の走行でのゼロエミッション割合を示す表示があるのも、環境意識の高い欧州らしい演出だ。ハイブリッド状態を試したくて、ドライブモードをエンジンとモーターの両方を使った「パワーモード」に変更してみたが、静粛性が高いため、車内に届くエンジン音は小さめ。

 ハイブリッドとなると、8速ATのギアも活用されるようになるが、変速も滑らか。強いて言えば、気になるのは減速時だ。ブレーキで車速を落としていくと、ギアもダウンシフトされる。最終的には、ギアが切り離されて、ブレーキとモーターの回生だけとなるようだ。このため、かなり車速が落ちてギアが抜ける際、わずかなショックが起きる。ただ減速の仕方によっては目立たない程度なので、システムが磨き上げられれば、いずれ解消されるだろう。

 かなりモーター瞬発力を活かした機敏な動きを見せる一方で、乗り心地も良好。なんとタイヤが205/55R19と大径タイヤながら、細身で肉厚なものをチョイスしているのだ。そのタイヤサイズのチョイスは、なんとシトロエンのスペシャルティワゴン「C5X」と同じ。グループでのクルマ作りの独立性は確保されているというが、交流はあるとも聞いているため、シトロエン流の味付けも、ちょっと参考にしてみたのかもしれない。

 また大きさの割に取り回しも良く、長さが気になることもなかった。360度カメラの恩恵もあるが、エッジの効いたボディのため、ミラーでの位置確認のし易さもあるだろう。走りだけでなく、静かさと乗り心地も重視した味付け。そして、運転のし易さ。クールに振る舞いたい大人が選びたくなる要素をしっかりと押さえているのが、現代版スペシャルティカー、408なのだ。

まとめ

 尖った危険な香りを漂わせる外見だが、中身は、もてなし上手で優しい性格だ。だから、ファミリーユースの期待にも応える懐の広さがある。全体の印象が良かっただけに、今回はエンジン車を試せなかったのが残念。上級車感はPHEVの方が高いだろうが、同時に価格差も大きい。しかし、そこはCEV補助金という助け舟を期待できる。より差が縮まれば、PHEVという選択にも前向きになれそうだ。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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