新車試乗レポート
更新日:2023.03.18 / 掲載日:2023.03.18
【レクサス RX】「450h+」と「500h」の違いを乗り比べてチェック【九島辰也】

文●九島辰也 写真●レクサス
昨年11月に国内販売を開始したRXに試乗しました。すでにメディア向け試乗会は終わらせているので試乗インプレッションはネット上にも多く出回っています。サラッと目を通しただけでも素性の良いクルマであることはわかりますね。シャシーの堅牢さと2.4リッター直4エンジンを使ったハイブリッドの走りの良さを高く評価する人は多そうです。レクサスの“売り”が見事に表現されている気がします。
それはともかく、2つのグレードをそれぞれ一週間お借りして毎日のように走り回してみました。ちょうど取材やゴルフで遠出することの多いタイミングだったのでよかったと思います。ようやく世の中動き出してきた感じです。それに一週間後に乗り換えるとその違いはよくわかりますから、時間に余裕があればこういうカタチのテストドライブはクルマを評価する上で助かります。

試乗は最初にRX450h+、そのあとRX500hでした。まずは2.5リッター直4+モーターのプラグインハイブリッド、そして2.4リッター直4ターボ+モーターのハイブリッドという段取りです。見た目も最初がバージョンL、その次がFスポーツだったので雰囲気がガラリと変わったのが楽しかった。長年用いるレクサス流の手法で、少し煌びやかでゴージャスな装いとワイルドでスポーティな装いに分けています。このクラスを手に入れたい人の趣味嗜好を2方向で表現しているのですね。
個人的にはブラックに塗られたホイールを装備するFスポーツが好みですが、今回バージョンLに使われていたソニックカッパーというボディカラーは悪くないと思いました。光の当たり具合でシックにも派手にも見えます。有償オプションなのでお金はかかりますが、こんな選択肢もアリかなと。日本車とは思えないエレガントな色彩でした。
2つのパワーソースについては、現在トヨタとしても積極的に売り出しているもので、どちらも新型クラウンに搭載されます。2.5リッターエンジンは前からある汎用性が高いユニットでこれまでもいろいろ採用されてきました。これに対し2.4リッターターボはまだまだ新開発と言えるシロモノで、新たな技術が取り入れられています。後者は洗練されたスッキリした吹け上がりが特徴で、アクセルに対し気持ちよくリニアに反応します。エンジンパワーの出方とモーターのアシストが絶妙にコントロールされているのが好印象です。

よって2つのモデルの味付けは分けられているのが容易にわかりました。低回転域でのトルクとモーターで走らせる2.5リッター+モーターと、ターボで比較的上の回転域まで回して走らせる2.4リッターターボ+モーターといった感じです。で、その味付けは同じハイブリッドでもプラグインかそうでないかでも区別されています。プラグインハイブリッドの方がバッテリーを多く搭載する分重量が増えるので、それだけ低回転でのトルクの出方を必要としますからモーターの活用もそちらを重視します。
ということで、キャラの異なる2つのモデルは乗る人の好みで選択することになります。プラグインハイブリッドをフル活用して街中を走ったりゆったりと高速移動することをメインステージにするならRX450h+で、SUVであっても街中や峠道はキビキビ走りたいという人はRX500hとなるでしょう。RX500hの鼻先が軽くてキビキビ走る様には驚きます。
でもなんで“500”なんでしょう。この数字だと5リッターV8をイメージさせます。そういえば、そんなエンジンを積んだIS500なんてのもありますよね。きっとそれと同等のパワーってことなんでしょう。最近は各社その手法を使います。いずれにせよ、アメリカでは大きな数字がウケるのは間違いありません。80年代、“アウディ100”は“アウディ2000”という名前でしたっけね。「大きいことはいいことだ」なんてテレビCM思い出しました。