新車試乗レポート
更新日:2023.01.07 / 掲載日:2023.01.07

【ホンダ ZR-V】先行試乗で期待の新型SUVをチェック!【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ホンダ

 今年4月に発売予定の新型ZR-Vのステアリングを握りました。発売前の先行試乗という面で興味津々です。

 サイズ的にはヴェゼルより大きくCR-Vよりはコンパクトとなリます。ただすでにCR-Vの生産を終了しているので、SUVではこのモデルが一番上になりました。ミニバンもオデッセイを終了したことでステップワゴンがトップサイズです。その意味ではホンダのラインナップはコンパクト化が進んでいます。セダン系もレジェンドがなくなりアコードがトップ。北米ではアキュラブランドでラージカーは売られていますが、日本での展開は少々寂しい気がして仕方ありません。

 それはともかく、ZR-Vですがこのクルマはシビックとプラットフォームを共有します。当然細かい部分は手を入れていますが、シビックのSUV版といったところでしょう。クルマに乗り込むとわかりますが、ダッシュボード周辺は特にそうで、ハニカムデザインのエアコンの吹き出し口や温度調節のツマミはそのままです。ハイブリッドモデルに関していえば、センターコンソールのスイッチ類もそうです。

 グレードは2つで、エントリーモデルのX、上級のZに分かれます。そしてパワートレインは2つ。1.5リッターのガソリンエンジンと2リッターガソリンエンジン+2モーターのe:HEVとなります。まぁ、この辺もシビックと同じと考えていいでしょう。駆動方式はFWDと4WDが選べます。価格は300万円切りから400万円台となります。

 実際にクルマを目前にした印象は、いい意味でフツーでした。写真で見ると奇抜なフロントマスクにも見えますが、そうではありません。イタリアの妖艶な高級車にも似ていなくありませんがね。思い起こせばヴェゼルの方が奇抜だったかもしれません。リアエンドもそう。リアコンビネーションランプはオーセンティックなデザイン処理がなされています。全体的なプロポーションもイマドキのSUVと言っていいでしょう。

 それでは走った印象ですが、2つのパワートレインに乗りましたが、その違いは想定内でした。モーターによるアシストで力強い走りを見せるe:HEVと、小排気量ターボで高回転まで回して走りを楽しむガソリンエンジン車と言った感じです。なので、良し悪しは好みになりますが、個人的にはどの領域でも頼もしかったe:HEVが好印象でした。キャビンは静かでひとつ上のクラスの高級感がありますし、それでいて走りはスポーティで力強さがあります。そもそもe:HEVはEV走行をデフォルトとするので、その両方を感じ取れるクルマと言っていいでしょう。美味しいところ取りです。

 ただ乗り心地に関しては路面状態によって多少ネガティブな面も現れます。整備された路面ではスーッとフラットライドをキープしますが、ちょっとした凸凹が続くとその区間ピッチングが発生します。身体を細かく上下に揺さぶるような。この辺はシビックでも感じられたのを思い出しました。

 きっとそこはタイヤサイズに関係していると思われます。18インチはコーナリングのスタビリティと見た目は良いですが、そんな面も持ち合わせていますから。もしこのクルマに16インチを履かせたらなんて妄想しました。最近のトレンドはインチダウン。その方が乗り心地は良くなるし、タイヤ交換も安く済みます。メリットは大きいです。小径ホイールの肉厚タイヤがかっこいい。

 そんな感じのZR-Vですが人気ができるのは容易に予想されます。サイズもプライスも手頃ですし、デザインも目をひきます。それにボディカラーにちょっと個性的な色が用意されているのがいいです。ノルディックフォレストパールあたりいかがでしょう。グレードはオーバーフェンダーとバンパー下がボディ同色になるZが好きです。高級感がありますよね。

 スポーティな走りも多くの人が満足するでしょう。痛快な走りのヴェゼルに通じるものを感じました。となると、問題は納期。人気グレードの人気色あたりは相当待たされるかもしれません。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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