スクープ
更新日:2019.08.27 / 掲載日:2019.06.27
スクープ! ホンダ 次期フィットは新型ハイブリッドシステムで走りも効率もさらに向上

欧州ホンダが、5月8日にフィット(現地名ジャズ)を1枚のティザー写真とともに10月に開催される東京モーターショーで公開されることをアナウンス。新しいハイブリッドエンブレムの写真だけが公開されている。
現代では世界のどこへ行っても、日本車の姿を見ることができる。遠い異国で出会う見慣れたクルマは、なぜだか懐かしく、心強いもの。ホンダの2BOXコンパクトカー、フィットもそんな、世界で愛されているジャパニーズベストセラーのひとつだ。2001年に登場した初代フィットは、日本の街の風景を変えた一台だ。6月に発売されると爆発的に売れまくり、わずか半年で10万台を販売。2002年には25万台余りを売り、それまで、じつに33年間もの長きにわたって登録車販売台数No.1の座に君臨してきたカローラの記録を止めた。優れたパッケージングや使い勝手、高い経済性を武器に、2BOXコンパクトカーとしては日本の自動車史上初めて年間販売台数トップに立った初代フィットは、今日の日本の小型車全盛時代の先駆けとなったのだ。その人気は日本のみにとどまらない。市場の近くで生産するというホンダの方針に従って世界の工場で生産・販売されたフィットは、今や世界中でその姿を見るまでになった。初代の誕生から18年。きっかり6年ごとにモデルチェンジを重ねてきたフィットは、2019年秋の東京モーターショーで4代目となる次期モデルがワールドプレミアされる。これは2019年5月8日のホンダの事業方針説明会見で、ホンダの八郷隆弘社長自身によってアナウンスされた公式発表だ。
インサイトに搭載されるスポーツハイブリッドi-MMDシステム。新型フィットはこのユニットを小型化して搭載する模様だ。
インサイト
新型のデザインはまだ公式には公開されていないが、基本的には2013年に登場した現行の3代目からのキープコンセプトの模様だ。フロントマスクは3代目より大きめのヘッドライトを持つ、現行CR-Vなどにも通じる表情となり、全体のフォルムはより塊感が強調されるが、フロントドア前方にクオーターウインドーを備えるなどの特徴は、ひと目でフィットと分かるだろう。搭載されるパワートレーンは、とくに海外向けではハイブリッドがメインとなる。従来は中型車以上にしか搭載されなかった、走行用と発電用の2モーターを備えたスポーツハイブリッドi-MMDシステムが、小型車専用に新開発されて搭載される。フィットのハイブリッドには2代目途中の2010年に登場したモーターアシスト方式のIMAシステムと、3代目の登場当初から搭載されていた、2クラッチトランスミッションでエンジンとモーターを切り替えるi-DCDシステムがある。いずれもホンダらしい独創的なメカニズムだが、どちらも1モーターで、発電とEV走行が同時に行えないなどの弱点があった。2モーターの新しいシステムではエンジンとモーターを最も効率のいい状態で使い分けることができ、燃費も走りもさらに向上が見込める。日本市場向けには、1.3、1.5Lのガソリン車も用意されるはずだ。一部には、3気筒1Lターボの搭載も噂されている。ボディバリエーションには、フェンダープロテクションなどを備えたSUVテイストのモデルも開発されている模様。4代目フィットも歴代モデルと同様に世界の道を走り回り、街の景色を変えていくことだろう。

3つのドライブモードを持つスポーツハイブリッドi-MMDシステム。
初代フィット
2代目フィット
3代目フィット