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更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.03.02
新型「アウディ A8」にPHEVモデル発表 フラッグシップセダン

アウディは現地時間の2月15日、ラグジュアリーセダンのフラッグシップモデル、新型「アウディ A8」のアップデートの詳細を発表した。昨年発表されていた概要に加えて、プラグインハイブリッドモデルを含むエンジンラインナップなどが明らかになった。
アウディのフラッグシップモデル「A8」の大幅なアップデート
「A8」は1994年に登場して以来、アウディのラグジュアリーセダンセグメントのフラッグシップとしての役割を果たしてきたモデル。A8は、今回の集中的なアップデートで存在感にさらに磨きをかけている。
圧倒的なパワーと優れた効率のエンジンラインナップ

A8のエンジンラインナップは、3リッターのV6 TFSI (340PS、286PS)、V6 TDI (286PS)、V6 TFSI+電気モーターを採用するプラグインハイブリッドドライブシステムのV6 TFSI e (462PS)、そして4.0 TFSIとなる。4.0 TFSIは、A8 (460PS) およびS8 (571PS) に採用されるもので、4リッター V型8気筒エンジンにシリンダーオンデマンド (COD) テクノロジーを搭載している。
3.0 TFSIは250kW(340PS)を発生し、A8 55 TFSI quattroとA8 L 55 TFSI quattroに搭載される。中国では、210kW(286PS)を発生するバージョンの設定も。最大トルクは500Nm/1,370〜4,500rpmで、0〜100km/h加速は5.6秒となる(Lモデル:5.7秒)。
4.0 TFSIは、338kW(460PS)の最高出力と660Nm/1,850〜4,500rpmの最大トルクを発生し、スポーティなパフォーマンスを実現する。A8 60 TFSI quattroとA8 L 60 TFSI quattroは、ともに0〜100km/hを4.4秒で加速するという。V8エンジンのシリンダーオンデマンドシステム(COD)は、エンジン負荷が低い場合に、4つのシリンダーを一時的に休止させる仕組みをもつ。
3.0 TDIは、A8 50 TDI quattroとA8 L 50 TDI quattroに搭載される。最高出力は210kW(286PS)で、最大トルクは600Nm。このディーゼルエンジンを搭載したA8およびA8 Lは、0〜100km/hを5.9秒で加速し、最高速度は250km/hとなる(電子リミッター作動)。この数値は、すべてのA8モデルで共通となる。
A8のプラグインハイブリッドモデル 0〜100km/h加速は4.9秒

A8シリーズには、プラグインハイブリッドモデル(PHEV)として、「A8 60 TFSI e quattro」と「A8 L 60 TFSI e quattro」をラインナップする。コンパクトなV6 3.0 TFSI+電気モーターを採用するプラグインハイブリッドドライブシステムを採用し、搭載されるリチウムイオンバッテリーの正味エネルギー容量は14.4kWh(総容量:17.9 kWh)。340kW(462PS)のシステムパワーと700Nmのシステムトルクを備えた A8 60 TFSI e quattroは、A8およびA8 Lともに、0〜100km/hを4.9秒で加速するという。
プラグインハイブリッドモデルには、4つのドライブモードが用意される。「EV」は完全な電動モード、「ハイブリッド」は両方の駆動システムの効率的な組み合わせ、「ホールド」は利用可能な電気エネルギーを節約するモード、そして「充電」モードでは内燃エンジンでバッテリーを充電する。ケーブルで充電する場合、交流での最大充電容量は7.4kWで、e-tron充電システムを使用して充電するか、外出先でmode 3ケーブルを使用して充電することができる。
スポーティな標準装備多数のシリーズトップモデル「S8」
シリーズトップモデルとなる「S8」には、インテリアとエクステリアに独自のデザイン要素が取り入れられ、スポーティなキャラクターを演出。主要な市場である中国、米国、カナダ、韓国では、ロングホイールベース仕様のS8のみが導入される。ロングホイールベース仕様では、全長と全高が増加することでヘッドルームおよびレッグルームが拡大し、後席の快適性も向上している。また、すべてのモデルには48ボルトマイルドハイブリッドテクノロジー(MHEV)が標準装備される。
搭載されるツインターボV8エンジンは、420kW(571PS)の最高出力と、800Nm/2,050〜4,500rpmの最大トルクを発生し、0〜100km/h加速は3.8秒。エキゾーストシステムにはサウンドフラップが装着され、必要に応じてよりシャープなサウンドを楽しむことも可能だ。またS8のみ、工場出荷時にプレディクティブ アクティブサスペンション、スポーツディファレンシャル、ダイナミック オールホイールステアリングが標準装着されており、最上位モデルらしい標準装備が特徴となっている。
あらゆる条件で優れた走行体験を実現するティプトロニック、quattro、スポーツディファレンシャル

A8のすべてのエンジンは、俊敏でスムーズなシフトが特徴の8速ティプトロニックトランスミッションと組み合わされる。このオートマチックトランスミッションは、電動オイルポンプにより、内燃エンジンが作動していないときでもギアを変えることができる。
セルフロッキングセンターディファレンシャルを備えたquattroフルタイム4輪駆動システムを標準装備し、オプションでスポーツディファレンシャルを追加することが可能(S8には標準装備)。スポーツディファレンシャルは、高速コーナリング時に左右のリヤホイール間で積極的にトルクを配分し、スポーティかつ安定したハンドリングを実現する。
A8のハイライト「プレディクティブ アクティブサスペンション」

A8には、優れたバランスを特徴とするサスペンションが標準装備される。アウディドライブセレクト ハンドリングシステムによる独自のドライビングプロファイルにより、スポーティから快適性重視まで、幅広い設定が可能。減衰力を電子的に調整するアダプティブエアサスペンションや、プログレッシブステアリングが標準装備される。またダイナミックオールホイールステアリングは、オプションとして装着可能となっている(S8には標準装備)。
そして、A8のハイライトとされているのが「プレディクティブ アクティブサスペンション」。電気モーターを介して各ホイールにかけるパワーをコントロールでき、シャシーをアクティブに調整することができる機能だ。
アウディドライブセレクトシステムでダイナミックモードを選択すると、コーナーではしっかりとタイヤが路面をグリップし、ロール角が小さくなり、制動時のノーズダイブも抑制されるなどスポーティさが際立つ。対照的に、コンフォート+モードでは、路面の凹凸をスムーズに吸収する。このモードでは、ステアリングがフロントカメラと連動して機能し、システムで路面の凹凸を認識するとアクチュエータを予測的に調整してくれるという。
今回のアップデートでは、6つの新しいデザインを含む、アウディおよびAudi Sportによる18インチから21インチのホイールが用意される。また、Audi S8には、オプションとしてカーボンファイバーセラミックブレーキディスクが用意されている。
防弾仕様モデル「A8 L Security」にはマイルドハイブリッドテクノロジーを採用
警護車両などに使用されるA8の防弾仕様モデル「A8 L Security」には、420kW(571PS)を発生するツインターボV8エンジンを搭載。48ボルトの主電源システムによるマイルドハイブリッド テクノロジー(MHEV)を採用し、エネルギー効率を実現している。
ドライバーアシスタンスシステムには3つのオプションパッケージを用意

A8では、およそ40ものドライバーアシスタンスシステムが利用可能。いくつかのシステムは標準装備されるが、オプションとして「Park」、「City」、「Tour」の3種類のパッケージが用意される。「アシスタンスパッケージプラス」は、これらのパッケージを統合したもの。
「Park」パッケージには、リモートパークアシストプラスが含まれる。これは車両を縦列または並列駐車スペースに自動的に移動することができるもので、ドライバーが車外から操作することも可能だ。
「City」アシストパッケージには、交差点アシスト、クロストラフィックアシスト、サイドアシスト、エグジットワーニング、アクティブサスペンションと組み合わせて、側面衝突時の乗員の安全性を高める機能を備えたアウディプレセンス360°セーフティシステムが含まれる。
「Tour」アシストパッケージ(ドイツでは標準装備)は、包括的な装備が特徴。中心的なシステムはアダプティブクルーズアシストで、すべての速度域でドライバーに前後方向と横方向のガイダンスを提供する。