輸入車
更新日:2021.09.03 / 掲載日:2021.09.03
アウディ グランドスフィア・コンセプトを発表 EVラグジュアリーセダンのコンセプトカー

「Audi grandsphere concept(アウディ グランドスフィア・コンセプト)」
アウディは現地時間9月2日、IAA 2021において、”sphere”コンセプトカーの第2弾となるEVラグジュアリーセダン「Audi grandsphere concept(アウディ グランドスフィア・コンセプト)」を発表すると明らかにした。
“sphere”コンセプトカー第2弾はファーストクラスのインテリア空間

8月に発表された第1弾「Audi skysphere concept(アウディ スカイスフィア・コンセプト)」に続き、”sphere”コンセプトカーの第2弾となるAudi grandsphere。このコンセプトカーに採用されているテクノロジーとデザインは、数年後のアウディモデルに再現されることになるものだ。
全長5.35mのgrandsphereセダンは、飛行機のファーストクラスを連想させる、最高レベルの快適性を備えたラグジュアリーなプライベート空間と、乗車体験を融合。自動運転モードでは、ステアリングホイールとペダル類が格納されてディスプレイが消え、広々としたインテリア空間へと変化する。フロントシートは、最大のスペース、見晴らし、包括的なデジタルエコシステムによる多彩な機能へのアクセスを提供し、まさにファーストクラスのラウンジのようになる。
レベル4の自動運転を2020年代後半に実現目指すアウディ

先に発表された第一弾のコンセプトカー、EVロードスターのAudi skysphere conceptは、2021年8月にデビュー。このコンセプトモデルは、可変ホイールベースを備え、ドライバーが操作するスポーツカーから自動運転のGTへと姿を変える印象的なビジョンを示した。この2台のコンセプトカーと、2022年に第3弾として登場し、3部作を締めくくるAudi urbansphere(アウディアーバンスフィア)は、同じ基本コンセプトを採用しているだけでなく、レベル4の自動運転が可能という点でも共通している。アウディは、フォルクスワーゲングループのソフトウェアシンクタンクであるCARIAD(カリアッド)と協力して、このテクノロジーを2020年代の後半に実現することを目指しているという。
レベル4の自動運転モードにおいて、インテリアはコックピットのステアリングホイールとペダル類が格納されることにより、広々としたラウンジにその姿を変える。Audi grandsphereは、ドライバーを可能な限り運転操作から解放するだけでなく、さまざまな選択肢(コミュニケーション、リラクゼーション、仕事、プライベートの楽しみ)を提供。Audi grandsphere conceptのコンセプトは、自動車を”体験型デバイス”へ変化させるというものだ。
たとえば、自動運転機能を備えたAudi grandsphere conceptは、乗員の現在地情報を取得して、彼らのいる場所まで迎えに行ったり、駐車や充電を無人で行ったりすることができるようになる。
未来を見据えた3つのファーストクラス

アウディが製作する3台のコンセプトカーでは、クルマ本来の目的を超えた乗車体験を生み出すことを目指しているという。インテリアを中心的な要素に据え、さまざまなレイアウト変更を可能にし、完全に新しいデザインが採用される。
Audi grandsphere conceptのドアは観音開き。広々としたインテリアは、レベル4の自動運転ではステアリングホイールとペダル類が格納され、フロントエリアがあらゆる意味でフリースペースとなり、フロントシートがファーストクラスとなる。フロントシートの間にはコンパクトな車載クーラーが装備され、ファーストクラスコンセプトが見て取れる。
操作スイッチやスクリーンのない空間:ディスプレイと操作

乗員がデジタル機器に振り回されない「デジタルデトックス」が目指されたという空間は、運転機能を起動するまで、ブラックスクリーンは見当たらない仕様。インテリアには複数のディスプレイが設置されているが、これらはフロントウィンドー下のウッドサーフェスに投影する方法が採用されている。自動運転モードでは、投影面でコンテンツを楽しむことができるほか、ビデオ会議の画面として利用することもできる。アイトラッキング、ジェスチャー、ボイスコントロール、手書き入力、タッチ入力など複数のインターフェースが用意され、自動運転中には手で触れずにシステムを操作することも可能。
大きな塊から削り出したようなエクステリアデザイン

Audi grandsphere conceptは、全長5.35m、全幅2m、全高1.39mの堂々としたボディでラグジュアリーセダンとしての存在感をもつ。3.19mのホイールベースは、現行Audi A8のロングホイールベースバージョンすら上回るが、無駄な装飾が省かれたそのラインはタイトな4ドアGTのような印象を与える。一貫して電気自動車の特徴をもつが、未来的というより伝統的な美しさの理想形が追求され、1つの大きな塊から削り出したような印象を与えている。
急速充電、長い航続距離

駆動システムの中心的要素は、800Vの充電テクノロジーで、急速充電ステーションを利用すれば、最大270kWの出力で非常に短時間で充電することが可能。それにより、充電時間は従来型エンジンの燃料補給と同等レベルに近づく。300km以上の走行に必要なエネルギーの充電は10分で完了。さらに、容量120kWhバッテリーの充電レベルが5%まで低下した場合でも、25分未満でバッテリー充電レベルを80%まで回復させることができる。
選択した駆動システムと最高出力にもよるが、Audi grandsphere conceptの航続距離は750kmを超えるため、長距離走行に適している。その航続距離と充電速度は内燃エンジン搭載車と遜色なく、日常のニーズを満たすものに仕上がっている。
Audi grandsphere conceptの電気モーターは、発進直後から大きなトルクを利用できるため、0~100km/h加速はわずか4.0秒強。最高速度は、航続距離を伸ばすため、リミッターにより制限されているという。