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更新日:2021.08.31 / 掲載日:2021.08.31
ルノー新ブランド モビライズより新型「リモ(Limo)」誕生 電気自動車

モビライズ リモ
ルノー傘下のブランド「Mobilize(モビライズ)」は現地時間8月27日、タクシーやハイヤーなど、商用向けに特化した完全電動の4ドアサルーン「Limo(リモ)」を発表した。車両と必要なサービスを含む、サブスクリプション形式で提供される予定。ミュンヘンIAAモビリティ2021において、9月8日ワールドプレミアとなる。
車両+サービスをサブスク形式で2022年後半から提供開始

モビライズ リモ リア
モビライズ リモは、2018年にルノーグループと江鈴汽車集団有限公司(JMCG)が設立したジョイントベンチャーから誕生。
モビライズ リモは、ミュンヘンIAAモビリティ2021のルノーブースにおいて9月8日に開催されるモビライズの日の一環として発表される。その後40台のモビライズ リモを配備し、2022年後半からヨーロッパ全土でプロのドライバー向けに車両と必要なサービスを含む定額制のサービスを提供し、その検証が行われる。
モビライズのCEOであるクロチルデ・デルボス氏は次のように述べた。「モビライズの最初のモデルであるリモは、ライドハイリング市場の進化に対する新ブランドの回答です。車両とフレキシブルなサービスを組み合わせたこのオファーは、車両ユーザーのニーズの変化に対するモビライズの能力を十分に示しています。また、モビリティサービスにおけるルノーグループの経験と、RCIバンク&サービスの資金調達力がもたらす独自のノウハウを示しています」。
モダンでエレガントな内外装

モビライズ リモ イメージ
モビライズ・リモは、全長4.67m、全幅1.83m、全高1.47mと、従来のDセグメント車に近いサイズでありながら、エレガントで洗練された存在感を放つ。
短いボンネットに急降下するルーフ、流麗かつダイナミックなプロポーションはモダンなデザインで、ボディカラーはメタリックブラック、メタリックグレー、グロッシーホワイトの3色が用意される。
また、ロック解除時に飛び出すフラッシュドアハンドルや、洗練されたライティングシグネチャーを持つLEDヘッドランプ、スクロール式のインジケーターなどの特徴的な装備を備えている。
スモーク仕上げの17インチアルミホイールには、モビライズのロゴと「モビライズ リモ」のブランディングがドアミラーのすぐ後ろに施されている。
インテリアでは、ソフトタッチのサテン仕上げのTEPレザーエフェクトを採用し、落ち着いた雰囲気を醸し出す。ドアパネルには、フェイクメタルを使用した洗練されたライトストリップが採用され、7種類のアンビエントライティングが気分を高めてくれる。
上質なダッシュボードには、カーボン素材の装飾が施されており、ダッシュボード上部にはデジタルインターフェースを配置。インストルメントパネルには10.25インチのスクリーンを採用している。また、12.3インチのタッチスクリーンがダッシュボードの中央に配置され、マルチメディアやナビゲーションの操作を可能にしている。

モビライズ リモ インテリア
乗っている人全員が快適に過ごせる室内空間
モビライズ リモ 後部座席
モビライズ リモ トランク
リモのドライバーズシートは、プロのドライバーが人間工学的にも音響的にも最も快適なシートに座れるようにデザイン。8段階(助手席は4段階)の電動シート設定に加え、ステアリングコラムは高さと奥行きの調整が可能で、体格にかかわらず理想的なシートポジションを実現する。
また、フロントシートの間には冷蔵室が設置されており、一部の国ではシートヒーターやステアリングホイールを含むウィンターパックも用意されるという。
ホイールベースが2.75mあるモビライズ リモは、288mmのニールームとフラットなフロアを備えており、大人3人がゆったりと座れるワイドオープンのリアドアから後部座席にアクセス可能で、後部座席の乗員にとっても快適な空間となる。後部座席には2つのUSBポートがあり、スマートフォンやタブレットを接続することができる。また、後部座席にあるボリュームコントロールノブ、調整可能なエアベント、読書灯も使用できる。
モビライズ リモのトランクは、大型のスーツケースに最適な411リットルの積載量をもち、スペアホイールはトランクフロアの下に格納されている。
スムーズでエキサイティングなドライブ

モビライズ リモは、高性能な110kW(150馬力)の電気モーターを搭載し、220Nmの即時利用可能なトルクを発揮することで、レスポンスの良い加速を実現。ドライバーは、3つの走行モード(Eco、Normal、Sport)を選択することができ、回生ブレーキの強さは、車両の設定により3つの選択肢から選ぶことができる。回転半径は11.2mで、市街地での使用に適している。
シンプルで効率的な接続性

モビライズ リモのオンボード・マルチメディア・システムは、中央に設置された12.3インチのタッチスクリーンを介して、スマートフォンのミラーリングが可能。ドライバーは、Uberなどの様々なプラットフォームへのナビゲートやアクセスに自分のデバイスを使用できる。
ドライバー専用のリモアプリは、車のすべての情報を提供し、車の位置や、ドアのロック/アンロック、気候の設定、充電時間のスケジューリングなどの特定の機能にリモートでアクセスすることができる。
様々な充電方法に対応

モビライズ リモは、容量60kWhの水冷式リチウムイオンバッテリーを搭載し、1回の充電で280マイル(WLTP認証申請中)の走行が可能とみられる。これは、多くのプロドライバーの1日の平均的な走行距離(約150マイル)をカバーするのに十分な容量であり、より多く走行するドライバーにも十分な容量となるだろう。
モビライズ リモは、最も一般的なACおよびDC充電システムに対応。つまり、公共の充電ステーションや家庭用のウォールボックスに接続することができ、通常の電源コンセントでも充電が可能。急速充電では、わずか40分で約150マイル分まで充電することができる。
安全性を高める最新の運転支援システム
リモには、夜間の視認性を高めるフルLEDライトを装備。また、標準モデルには8つのエアバッグ(フロント2つ、フロントサイド2つ、リアサイド2つ、カーテン2つ)と、最新の先進運転支援システム(ADAS)が搭載されている。
アダプティブ・クルーズ・コントロール
ブラインドスポット検出
レーンチェンジアシスト、レーンキーピングアシスト、車線逸脱警報
前面衝突警告、歩行者衝突警告、アドバンスド・エマージェンシー・ブレーキ
交通標識認識
アラウンドビューモニター(AVM)
フロント&リアパーキングセンサー
リアクロストラフィックアラート
ドアオープンアラーム
欧州の都市部で需要が拡大するとみられるエミッションフリーモデルを費用対効果の高いサブスクで

欧州では、ライドハイリング(タクシー・ハイヤー)市場が急成長しており、現在の280億ユーロから2030年には500億ユーロにまで拡大すると言われる。だが今後、欧州各地で導入されている低排出ガスゾーン(LEZ)などの交通規制が敷かれている都市中心部へのアクセスには、電動モデルが不可欠になると考えられている。個人ドライバーは主に都市部や都市周辺部で活動しており、例えば、フランスで登録されている47,500台のハイヤーは、その75%がパリとパリ圏内に存在する。
こうした背景から、低コストでプレミアムなエミッションフリー車両を求めるドライバー向けにモビライズ リモは開発された。この車両とサービスを組み合わせた新サービスは、タクシーやプライベートハイヤー(PHV)をはじめ、医療機関やコミュニティへの送迎など、あらゆるドライバーに提供される。モビライズが提供するサービスは、フルタイム、パートタイム、単発のドライバーなど、誰もが利用できるサービスパッケージとなる。また、これらのサービスは、ルノーグループの他の電気自動車にも提供される予定だという。
RCIバンク&サービスが提供するモビライズのレンタル契約は、走行距離や契約期間を自由に設定することが可能。また、タクシーやPHVサービスの運営者に対しては、モビライズは配車、決済、車両充電、コネクティビティなど包括的なサービスを提供し、運用コストの最適化を図るという。カジュアルドライバーは、運転した分だけ支払って利用することができ、パッケージにはメーカー保証、メンテナンス、保険、充電ソリューションなどのサービスも含まれる。