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更新日:2021.08.02 / 掲載日:2021.07.31

【ランボルギーニ アヴェンタドールLP780-4ウルティメ】これで純粋なV12はラスト!

ランボルギーニ アヴェンタドールLP780-4ウルティメ

ランボルギーニ アヴェンタドールLP780-4ウルティメ

文と写真●大音安弘

 アウトモビリ・ランボルギーニは、2021年7月29日、東京・六本木にあるブランド施設「THE LOUNGE TOKYO」にて、限定車「アヴェンタドールLP780-4ウルティメ」を日本初公開した。

 同車は、ランボルギーニのフラッグシップモデル「アヴェンタドール」をベースとした限定車だが、単なる限定車ではなく、その歴史の最後を飾るラスト・アヴェンタドールとなる。さらにいえば、このウルティメは、ランボルギーニにとって、V12気筒モデルとピュアエンジンの新型車との別れを告げることも意味する。つまり、世界中のランボルギーニ・ファン、いやスーパーカーファンにとって特別な意味を持つ1台なのだ。

ランボルギーニの歴史に名を残す特別な1台

ランボルギーニ アヴェンタドールLP780-4ウルティメ

ランボルギーニ アヴェンタドールLP780-4ウルティメ

 アヴェンタドールの歴史を簡単に振り返ると、フラッグシップモデル「ムルシェラゴ」の後を受け、2011年に誕生。ボディデザインにカメムシを取り入れるなど、奇抜なアイデアを盛り込みながら、歴代モデルの中でも特に好戦的なエクステリアを採用した点も話題となった。ランボルギーニ初のセミAT専用車となったが、強大なトルクを受け止めるべく、最後までシングルクラッチ式のAMTを採用。巨大なパワーを放つV12 気筒からパワーを紡ぐAMTのダイレクトな味わいの変速は、まさにドライバーに猛牛を操る感覚を意識させるものであった。

 いくつかの限定車が投入されたのち、2016年にはマイナーチェンジモデルとなる「アヴェンタドールS」が登場。ランボルギーニ初の4輪操舵機能を備えるなど、新技術も積極的に採用し、ブラッシュアップを図った。今回のウルティメは、そんな進化の歴史を凝縮した一台であり、大幅進化を図ったアヴェンタドールSと、それをベースに開発されたアグレッシブな限定車「SVJ」のエッセンスを贅沢にも融合させた史上最高のアヴェンタドールなのだ。

 最後のアヴェンタドールとなるウルティメの最大の特徴は、やはりエンジンだ。自然吸気の6.5L V12気筒エンジンの魅力と性能を追求すべく、最高出力を780馬力まで強化。これはアヴェンタドールSの40馬力アップ、アヴェンタドールSVJの10馬力アップとなるもの。まさに公道最強のアヴェンタドールといっても過言ではない。

 さらにカーボンファイバーモノコックボディの軽さを活かすべく、カーボンファイバー部品の使用範囲を拡大し、乾燥重量は1550kgに抑えた。これによりアヴェンタドールSよりも25kgも軽いクーペ仕様では、パワーウェイトレシオが、SVJと同じ1.98kg/hpを実現。0-100km/h加速は、2.8秒。最高速度は355km/hにも達する。重量は、SVJよりもわずかに重いが、0-100km/h加速は全く同じ上、最高速度も5km上まわるというモンスターなのだ。そのために、足元にはカーボンセラミックブレーキが奢られ、100km/hからの完全停止までの制動距離は、わずか30mという。

 エクステリアデザインは、空力性能の強化のために、フロントへの空力負荷を高めるべく、SVJに似たフロントバンパーデザインを取り入れているが、アグレッシブになりすぎぬように、アヴェンタドールSの上品さもしっかりと受け継がれている。そのイメージは、アヴェンタドールSの延長にあるものの、テールエンドに目を向けると、なんとSVJ同様にエンジンの背後に排気パイプを配置した実に好戦的なスタイルとなっている。それはウルティメのオールマイティさの中に、好戦的なキャラクターが隠されていることを物語るようだ。ただ四輪操舵の最適化や雪道などの低グリップ路面も意識したESCのセッティングなど、高性能化を図りながら、ドライバーを支える技術にもしっかりとブラッシュアップが加えられている。この部分には、ランボルギーニが最後のアヴァンタドールは、ファンにとって最良の一台となるように、丁寧に作り込まれたと感じる部分だ。

純粋なV12エンジン搭載モデルであるアヴェンタドールはすでに全モデル完売

ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏

ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏

 限定車はクローズドクーペが350台。オープンモデルのロードスターが250台生産される。ボディカラーは18色の基本カラーに加え、300色以上のカスタムオーダーカラーも用意。インテリアは、アルカンターラ仕様となり、快適性の高いアヴェンタドールSのコンフォートシートを標準化。シートには、限定車の「ウルティメ」の刺しゅうも施される。またインテリアの運転席のダッシュボードには、限定車を示すナンバリングが加わるのも、ウルティメの特別感を盛り上げてくれる。

 日本での価格は、クーペが4958万4626円、ロードスターが5442万2033円(共に税別)となる。日本への導入台数は非公表となるが、そもそもいずれも生産分の全てが完売済みだ。それならば、カタログモデルであった「アヴァンタドールS」を手にしたいという人もいるかもしれないが、残念ながら、こちらも完売だ。今の段階で新車のV12ランボルギーニを手にするのは、既に困難な状態なのだ。ランボルギーニには、既にマイルドハイブリッドやEVの投入など、新時代の電動化スーパーカー作りへの準備を進めている。それらも素晴らしく刺激的なモデルとなるだろう。しかし、自然吸気エンジン特有のV12サウンドとは、ここでお別れ……。その現実は、やはり寂しい限りだ。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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