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更新日:2021.06.22 / 掲載日:2021.06.22
ポルシェ、高性能バッテリーセルの工場に投資 電動化に向けての新たな攻勢

ポルシェは現地時間6月21日、新会社であるCellforce Group GmbHに高額な投資を行うと発表した。ポルシェと合弁事業のパートナーであるカスタムセルズ社は、ヴァイザッハの開発センターで高性能バッテリーセルの生産を開始したことを発表した。
「バッテリーセルは、未来の燃焼室。ポルシェの新しい子会社であるセルフォースグループは、高性能バッテリーセルの研究、開発、生産、販売を推進する上で重要な役割を果たす」と、ポルシェの取締役会長であるオリバー・ブルーメは述べた。「この合弁会社によって、私たちは最もパワフルなバッテリーセルの開発において、世界的な競争の最前線に立つことができ、ポルシェならではのドライビングエクスペリエンスとサステイナビリティを結びつけることができる。これこそが、私たちがスポーツカーの未来を形作る方法だ」
ポルシェが83.75%と過半数の株式を保有するこの新会社は、チュービンゲンに本社を置く。バッテリー工場は、ヴァイザッハの研究開発センターおよびシュトゥットガルト・ツッフェンハウゼンにあるポルシェAG本社に近接した場所に建設される。従業員数は、両社が共同で提供する当初の13名から、2025年には最大80名まで増加する見込み。ドイツ連邦共和国とバーデン・ヴュルテンベルク州は、このプロジェクトに約6,000万ユーロの資金を提供している。
「私たちは、最も要求の厳しいアプリケーションに対応する顧客専用のバッテリーセルを開発することを目的としてカスタムセルズ社を設立した。計画中の生産工場の目標は、最低でも年間100 MWhの容量を達成すること。これは、自動車1,000台分の高性能バッテリーに相当する」とカスタムセルズ社のCEOであるトーゲ・テーンネセン氏は述べた。同社のCEOであるレオポルド・ケーニッヒは、「ポルシェとのパートナーシップには、セル技術や生産に関する専門知識だけでなく、敏捷性、革新力、個々の問題解決能力も貢献している」と述べた。
「ポルシェは、1931年にシュトゥットガルトで技術・開発事務所として設立された。今日に至るまで、私たちの高性能スポーツカーの心臓部である技術を購入することはできない。」ポルシェの研究開発部門の役員であるミヒャエル・シュタイナーは、次のように述べた。「だからこそ、未来のキーテクノロジーであるバッテリーセルを自分たちで開発・製造することは、当然のことだ。また、この新しいハイテク技術を、最も競争の激しいモータースポーツの世界で最初にテストすることも同様に論理的。私たちの電動スポーツカーであるタイカンもまた、ル・マンで優勝したポルシェ919ハイブリッドから、重要な開発とその主要な技術的特徴を受け継いでいる。」
合弁会社設立までの道のりとパートナー企業

カスタムセルズ社 トーゲ・テーンネセン氏
ポルシェとカスタムセルズの契約は、2021年5月21日に締結された。新生セルフォースグループGmbHのマネージングディレクターは、ポルシェからは最高執行責任者のマルクス・グレフ、最高財務責任者のウォルフガング・ヒュースケン、カスタムセルズからは最高技術責任者のトーゲ・テーンネセン氏が務める。
カスタムセルズ社は、特殊なリチウムイオン電池セルの開発で世界をリードする企業のひとつ。イツェホー(シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州)とテュービンゲン(バーデン・ヴュルテンベルク州)にある拠点で、プロトタイプから中小規模のシリーズまで、用途に応じたバッテリーセルを開発・製造しており、Made in Germanyを実現している。2012年の設立以来、カスタムセルズ社は多様な材料(正極、負極、セパレータ、電解質)とコーティング技術を用いたセル開発の分野で重要なノウハウを獲得してきた。最先端の研究・生産設備に基づいて、航空業界や船舶業界向けなどの特殊なリチウムイオン電池セルを製造している。