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更新日:2021.05.18 / 掲載日:2021.05.17

【試乗レポート プジョー 3008&5008】フレンチSUVがマイナーチェンジで魅力アップ

プジョー 3008ハイブリッド4

プジョー 3008

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 今年1月にプジョー3008がマイナーチェンジした。2017年に日本デビューし、新世代プジョーの先駆けとなったモデルである。また、直近では昨年9月に名称変更したのを記憶する。それまで単純に3008と呼んでいたものをSUV 3008とした。当然2008も5008も同様に。なぜ?って思いたくなるが、きっとミニバンと思われるのが嫌だったのだろう。SUVのカテゴリーにいないとショッピングリストに入らない時代だ。でも結局は、今回のマイナーチェンジで元に戻ったようだが……。

マイナーチェンジでパワートレインのバリエーションが充実した

3008にプラグインハイブリッドモデルが追加された

3008にプラグインハイブリッドモデルが追加された

 では、新しくなった3008はどのように進化したのか。

 その内容は大きく分けると3つある。新たにプラグインハイブリッドモデルが加わったこと、フロントマスクを中心とした意匠変更、それと先進運転支援システムなどのアップデートだ。最近販売が好調なモデルだけにチカラが入っているのがわかる。ドイツ勢ばかりに美味しい思いはさせない!と言うフランス人の意気込みは強そうだ。

 そのプラグインハイブリッドモデルだが、モデル名は3008 GTハイブリッド4となる。1.6リッター直4ターボのガソリンエンジンと2つのモーターを組み合わせたものだ。しかも名前に“4”がついていることから察せられるように、駆動方式はAWD。フロントはガソリンエンジンとモーターとエレクトリックギアボックスE-EAT8が駆動力を供給、制御する。そしてリアアクスルはモーターとリダクションギア、クラッチなどで構成され電力で駆動される手法だ。すごいのは最高出力で、ガソリンエンジンの200馬力と前後のモーターを総合的に合わせて数値化すると300馬力に達する。今回実車を動かすことができなかったが、相当速いだろう。瞬発力が好きなプジョーだけに、加速は半端ないはず。このパワーはライバル車と比べるとかなりのアドバンテージになるであろう。

 興味深いのは、これでプジョーのパワーソースがひと通り出揃ったことだ。ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド、そしてピュアEVと呼ばれる電気自動車というように。その意味ではe-208を追うようにリリースされたe-2008もまた頼り甲斐ある戦力になるであろう。カーボンニュートラルに向けての必須アイテムとなる。

 次に意匠変更だが、これはフロントマスクをメインに手が入っている。グリルとヘッドライト周りがそうだ。これまでヘッドライト下側のラインがライトユニットにグイッと食い込んでいたが、それがなくなり今度はグリル模様が目の下まで来ている。そしてその外側を新世代プジョーのアイデンティティとなる縦のラインのLEDが堰き止める感じだ。出来上がったデザインはすごく大人っぽく、シック。車格が上がったように思える。

 先進運転支援システムの内容では、アクティブセーフティブレーキ、アクティブクルーズコントロール、レーンポジショニングアシストあたりの進化が目に付く。アクティブセーフティブレーキは自動車、二輪車、歩行者それに夜間検知にも対応するようになった。508以降の最新システムだ。

  • 3008 GT BlueHDi

    3008 GT BlueHDi

  • 3008 GT BlueHDi

    3008 GT BlueHDi

  • 3008 GT BlueHDi

    3008 GT BlueHDi

アクセルに対する反応がよく、ディーゼルでもスポーティに走れる

3008 GT BlueHDi

3008 GT BlueHDi

 さて、解説はこのくらいにして実際に走らせた印象に移ろう。

 試乗車は3008GT Blue HDiで、2リッターディーゼルターボと8速ATを組み合わせたものだ。最高出力は177馬力だが最大トルクが400Nm(40.8kgm)あるのがチャームポイント。ディーゼルならではの特性がよく出ている。

 事実、試乗はスタートから楽しさが溢れていた。今回、見た目は大人っぽくシックになったが走りはやんちゃ。アクセルに対するレスポンスはよく、ディーゼルらしからぬ吹け上がりでエンジンがまわっていく。さらにノーマルからスポーツモードに切り替えると、車内共鳴効果のあるスポーティなエキゾーストサウンドが響き渡り、ドライバーをワクワクさせる。時計回りに回るスピード計とそれに相反して反時計回りに針を動かす回転計がたまらない。この辺はル・マン24時間レースでの活躍に代表されるような、レーシーなプジョーの顔を覗かせる。

 さらにいえば、彼ら自慢の“i-cockpit”が気分を盛り上げる。小径のステアリングホイールとそれを下の方で持つドラポジがまんまレーシーなのだ。これにより普段の道がずっと楽しくなるのは言わずもがな。軽快なハンドリングと身のこなしがそれほどスピードを出さずして運転を楽しくする。この小気味よい感覚がまさに現代のプジョーである。

3008 GT BlueHDi(8速AT)

■全長×全幅×全高:4450×1840×1630mm
■ホイールベース:2675mm
■車両重量:1610kg
■エンジン:直4DOHCターボ
■総排気量:1997cc
■最高出力:177ps/3750rpm
■最大トルク:40.8kgm/2000rpm
■サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:225/55R18
■新車価格帯:377万7000円-458万6000円

プジョー 3008のカタログ情報はこちら

プジョー 3008の販売店情報はこちら

5008の走りは、よりしっとりとした乗り心地のよさが光る

5008 GT BlueHDi

5008 GT BlueHDi

 とはいうものの、3008の後に5008に乗ると、また違ったプジョーらしさに遭遇した。

 なんと気持ちのいい乗り心地。路面状態に関わらずスーッと走るフラットライト感はまさに雲の絨毯である。きっとロングホイールベースと車両重量の増加が、3008の乗り心地にしっとり感を付け加えたのだろう。これには参ったとしか言いようがない。それに5008もディーゼルユニットだったため、信号スタートや追い越しのための中間加速はチカラ強かった。この乗り味にこの加速フィールはドイツ製SUVとは全く異なる。

 といった感じの3008と5008。2台の新世代SUVは運転中常に気持ち良さを味合わせてくれた。ずっと走っていると有機的でクルマと対話しているような気になってくる。これがフランス車のフィーリングであろう。ペットを飼うようにクルマと一緒に時を過ごす。そんな情緒的なドライブを楽しませてくれるのが新世代プジョーの醍醐味なのかもしれない。

プジョー 5008 GT BlueHDi(8速AT)

■全長×全幅×全高:4640×1840×1650mm
■ホイールベース:2840mm
■車両重量:1690kg
■エンジン:直4DOHCターボ
■総排気量:1997cc
■最高出力:177ps/3750rpm
■最大トルク:40.8kgm/2000rpm
■サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:225/55R18
■新車価格帯:460万円-501万6000円

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