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更新日:2021.03.31 / 掲載日:2021.03.31
ボルボ・カーズ 全社員に24週間の有給育児休暇を付与

ボルボ・カーズは、2021年4月1日より、全世界のすべての工場及びオフィスで働く4万人以上の従業員を対象に、性別に関わらず対応する新有給育児休暇制度を導入すると発表した。
平等な子育てを支援する文化でブランド強化
この「家族の絆」ポリシーでは、勤続1年以上の全従業員に、基本給の80%で合計24週間の休暇が基本的に与えられる。このポリシーはどちらの親にも適用され、休暇は子どもが生まれてからの3年間にいつでも取得することができる。
「私たちは、性別を問わず、平等な子育てを支援する文化を作りたいと考えている。親が仕事と家庭の両立を支援されることで、男女間の格差が解消され、誰もが優れたキャリアを築くことができる。当社は常に家族を大切にし、人間中心の企業であり続けてきた。家族の絆プログラムを通じて、当社の価値観を表すとともに、実践し、それが当社のブランドを強化することにつながる」と最高経営責任者のホーカン・サムエルソンは語る。

最高経営責任者 ホーカン・サムエルソン
すべての親に適用される包括的な支援制度

このグローバル・ポリシーは、世界中の多くの既存の制度より包括的でかつ支援的なものであり、養子縁組、里親、代理出産を含む法的に登録されたすべての親、および同性カップルの出産していない親を対象としている。
国によっては、新しい親に有給休暇を提供していなかったり、特定のグループの親を排除していたりするが、後者は特に父親に当てはまる。
ボルボ・カーズのグローバル・ポリシーは、ボルボ・カーズの本拠地であるスウェーデンの法律を参考にしている。ボルボ・カーズは、ここ数十年、親と子の両方に明確な利益をもたらしてきた育児休暇制度で世界的に有名に。この新しいポリシーは、2019年にEMEA(ヨーロッパ、中近東、アフリカ)地域で開始された育児休暇のパイロット制度に続くもので、その時の応募者の46%が父親だった。
企業文化と価値観を体現した育児休暇制度
人事を含む企業機能の責任者であるハンナ・フェガーは、「これは従業員にとって新しい育児休暇制度である以上に、当社の企業文化と価値観を体現したもの。私たちは、この業界の変化をリードし、新しいグローバルな基準を設定したいと考えている。すべての従業員に有給育児休暇を取得させることで、ジェンダーギャップを縮小し、より多様な人材を確保して、パフォーマンスを向上させ、ビジネスを強化していきたいと考えている」と述べた。
新しい育児休暇のパイロット制度の結果を調査したところ、従業員は、性別に関係なく、個人のニーズに適応できるこのポリシーを高く評価していたという。また、研究の結果、より多くの従業員に育児休暇の取得を奨励し、両親のための育児休暇を新たな「規範」とするための重要な洞察が得られた。

人事・企業機能責任者 ハンナ・フェガー
育児休暇取得を促進、他企業のモデルに

育児休暇の取得を阻む要因としては、育児休暇がチームに与える影響への懸念、長期的なキャリアの可能性への不安、職場や家庭で父親に期待されることについての文化的な考え方などが挙げられる。
ボルボ・カーズは、育児休暇の取得を促進するために、育児休暇制度をより効果的に伝えることに注力している。ボルボ・カーズは、24週間の育児休暇を事前に選択可能なオプションとして提示することで、「デフォルト効果」を生み出すことを目指している。不確実性がある場合、人は否定的な結果を予測する傾向があるため、「最大24週間」のような曖昧な表現は避けたのだ。
同社はこのように混乱や障壁を取り除き、両親に確実性を提供することを目指している。そして、男女間の格差是正に向けた取り組みをさらに強化するとともに、他の企業がその進捗状況から学ぶことができるようにする方針だ。
<補足事項>
・「家族の絆」は、ボルボ・カーズの社員が育児休暇を取得する際の最低基準を定めたグローバル・ポリシーであり、国によって異なる場合がある。
・各国の法規制により、より手厚い育児休暇が提供されている場合は、各国の法規制が優先される。