輸入車
更新日:2020.06.04 / 掲載日:2020.06.04
MERCEDES-AMG CLA 45 S 4MATIC+【グーワールド コラム】

新車価格帯:446万円~865万円(全グレード)
文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年7月号の内容です)
問い合わせ:メルセデス・コール TEL:0120-190-610
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
初代デビューは1985年だから、もう35年も前の話になる。トヨタから「カリーナED」というクルマが登場した。特徴はセダンなのに流麗なスタイルだったこと。当時のセダンは実用性を重視したプロポーションが当然だったから、かなりの異端児だった。そして、若者層を中心に大ヒットを記録した。
しかし、その人気は長続きしなかった。後席の居住性に難があったからだ。当時はまだ、後席が狭いセダンを受け入れる土壌がなかったのだ。
そんなことを知っているボクは、2005年にメルセデス・ベンツが初代「CLS」を発売したときは驚いた。まるでカリーナEDの再来じゃないか。流麗なスタイルのセダンなのだから。
ボクの心配をよそに、CLSは大ヒットした。その理由はカリーナEDと違って車体サイズが大きいことで後席居住性に無理がないこともあったが、本質はそこではないだろう。セダンの多様性が認められる世の中になったからだ。
CLSのヒットに気をよくしたメルセデス・ベンツは、ひとまわり車体が小さくて手ごろな「CLA」を送り出した。こちらはCLSと違って後席頭上などに若干の無理があるが、それでもヒット。そして2世代目にバトンタッチした。
カリーナEDとCLAの違いはどこにあるのか?それは「セダン」という乗り物に対する概念の変化だろう。いまやセダンだからと言って、後席の実用性にこだわる人は多くない。4ドアクーペは、スタイリッシュで、イザとなれば後席もそれなりに使えるのだから“便利なクルマ”と認識されるのだ。時代は大きく変化した。背景には、実用性を求めるならSUVという考えが一般化したことも関係しているだろう。
そんなCLAのホットバージョンが「メルセデスAMG CLA 45 S 4MATIC+」である。世界最強の2Lエンジンをはじめとするメカニズムが生み出す走りは高性能スポーツカーそのもの。ある意味、新時代のスポーツクーペである。


AMG CLA45Sはレーシングカーのようなデザインのシートを装着。エンジンは2Lの4気筒で、最高出力はクラス最強の421馬力。なんという強心臓。

CLAはAクラスと基本メカニズムを共用するFF設計のモデルだが、AMG CLA 45 Sは4WD。グイグイ曲がるハンドリングと安定性の両立は見事だ。