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更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.05.02
サルーンの7シリーズのように快適に走る、新登場X7【グーワールド コラム】

文●九島辰也 写真●BMW
問い合わせ●BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437 URL:http://www.bmw.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年6月号の内容です)
セダンに大中小のサイズがあるように、今どきはSUVにもそれが要求される。最近はコンパクト系でさらに細かくサイズが分けられているが、じつは大きい方もその動きはあるようだ。今回テキサス州エルパソでステアリングを握ったBMW X7がそのひとつ。X1、X2、X3、X5と続くシリーズは、ついに”7”まで到達した。
数字からもわかるように、このクルマはセダンで言うところの7シリーズに匹敵する。それがメルセデス・ベンツSクラスやアウディA8をライバルとするように、X7はメルセデス・ベンツGLS、それとレンジローバーを仮想敵と見なす。
このポジションに参入することを決めたのは4、5年前で、開発は3年半前に始まった。もちろんパワートレーンを筆頭にX5と共通するパーツはそれなりにあるが、およそ70%はオリジナルだという。その理由は重さ。全長5mを超える3列シートのボディは2.5トン級なので、ボディ剛性やエアサスを含めシャシーセッティングはX5と異なる。そのためか、走った印象を結論から言ってしまうと、重さを感じない。試乗車は3L直6ターボだったが、出だしからトップスピード付近まで終始力強く走った。また、コーナリングも苦手としない。と言うか、リヤステアが効果を発揮しクルリと向きを変える。このときクルマが小さく感じるのがいい。
エルパソをスタートしてからアリゾナ州フェニックスまで走ったその距離は、およそ700km。なかなかのロングドライブだったが、それでも疲れ知らずなところに、X7の実力を垣間見れた。7シリーズの快適性が生かされたSUVは、新しいBMWの歴史を刻んでいきそうだ。

試乗車はガソリンエンジンだったが、日本仕様はディーゼルとなる模様。省燃費を鑑みればその方が現実的だ。タイヤはランフラットを装備。


シート配列は2/2/2と2/3/2の2種類。キャビンは広く快適。もちろんインターフェイスやデバイスも最新。サイズからして北米で人気が出そうだ。

Profile
自動車ジャーナリスト
九島辰也
長年にわたり男性ファッション誌や一般誌でも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。海外での取材数は業界内でもトップクラスだ。