輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.03.01
アメリカンメーカーの聖地で “強いアメリカ”を見せつけられた【グーワールド コラム】

2019 North American International Auto Show
文と写真●工藤貴宏
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年4月号の内容です)
デトロイトといえば、フォードやGMが本社を置き、近郊にクライスラーの本部もあるアメリカ自動車産業の聖地。そんな場所で毎年、新年の顔合わせ的イベントとして行われるのがデトロイトモーターショー(正式名称は北米国際自動車ショー)だ。
このモーターショーの特徴はなんといっても、アメリカの自動車文化を大きく反映したイベントだということ。お膝元だけあり、ロサンゼルスなど他のモーターショーに比べてアメリカンブランドを中心としている感が強い。
そのため、会場内に足を踏み入れるとピックアップトラックの大洪水に驚かされる。その理由は2018年におけるアメリカの新車販売台数を見ると理解できる。乗用車のトップはトヨタ「RAV4」で約43万台だったが、トラックは、「ラムトラック」が54万台、シボレー「シルバラード」は59万台、そしていちばん人気のフォード「Fシリーズ」に至っては91万台も販売。驚くばかりのピックアップトラック人気を誇る国なのだ。
だから会場でも、5年ぶりにフルモデルチェンジした「シルバラード」をはじめ、2019年モデルへと進化した「ラム2500シリーズ」のお披露目など、ピックアップトラックの話題が盛り沢山だったのは、自然の成り行き。
また、「乗用車の半分以上がSUV」という土地だけに、ベストセラーモデルフォード「エクスプローラー」のモデルチェンジや新型車キャデラック「XT6」など、大型SUVのニューモデルも大盛況。日本では新型「スープラ」のお披露目などが大きな話題となっていたが、現地では好景気を背景に大型車が次々と売れている“力のあるアメリカ”を見せつけられたことが強く印象に残った。
GMの北米における最量販車種「シルバラード」が5年ぶりにフルモデルチェンジ。ボディはアルミなどを多く使うことで、先代よりも約200kgも軽いというから驚かされる。
先代はFF系の車体構造だったフォード「エクスプローラー」の新型は、FR系のプラットフォームへ復帰。トップモデル「ST」は400馬力の3LV6ターボエンジンを積む。
キャデラックのニューモデル「XT6」。全長5mを超えるフルサイズだが、エスカレードと違って乗用車系のプラットフォームを使うので快適性や舗装路での走行性能が高い。日本導入も期待できそうだ。
フォード「マスタング」の最強モデル「シェルビーGT500」。搭載する5.2LのV8エンジンはなんと710馬力を誇る。レース部門であるフォードパフォーマンスのノウハウが注ぎ込まれた。
リンカーン「コンチネンタル」の観音開き仕様。コーチビルダーによる“改造車”だが、なんと参考出品ではなく特別仕様としてオーダーに応じて市販しているというから驚き。