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更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.02.03
持てるすべての技術が注がれたスーパースポーツ【グーワールド コラム】

MERCEDES-AMG GT 4-Door Coupe
文●島下泰久 写真●メルセデス・ベンツ日本
問い合わせ●メルセデス・コール TEL:0120-190-610 URL:http://www.mercedes-benz.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年3月号の内容です)
想定するライバルは一目瞭然。そう、ポルシェ パナメーラだ。メルセデスAMG GT4ドアクーペは、じつはそのハードウェアはAMG GTとは別物。スチールを主体とするテールゲート付き4ドアクーペボディに、V型8気筒4Lツインターボ、もしくは直列6気筒3Lターボ+電動スーパーチャージャー+ISGというパワーユニットを積み、電子制御式AWDと組み合わせる。
しかしながらサーキットで試した最高峰モデル、GT63S 4マティック+の走りは、紛れもなくその名に相応しいものだった。じつはその車体は、数多くのアルミ鋳造部品やガゼット、クロスメンバー、更にはCFRP製パーツを組み込むことで徹底的に剛性アップ。加えてアクティブエアロシステム、エアサスペンション、後輪操舵機構、電子制御LSDなど、メルセデス、そしてAMGの持てるすべての技術が注ぎ込まれている。
その果実が、下の写真のようなコントローラブルな走りっぷり。ライントレース性は正確無比で思いのままにグングン曲がっていくし、リバースしたテールを更にスライドさせるのも、止めてクルマを前に進めるのも自由自在。操縦に没頭していると、全長5メートル以上、補強のおかげで車重が2トンを超える巨体ということを完全に忘れてしまう。
動力性能も最高出力639馬力、最大トルク900Nmと当然文句なし。ボールベアリング式タービンの採用で回転フィーリングがより緻密になり、速さだけでなく味わいも向上しているのが嬉しい。
しかも室内にはリムジン級の広い後席と大容量の荷室が用意され、ドライバーは最新のテレマティクスを活用できるなど、ラグジュアリークーペとしての資質にも非の打ちどころはないのだ。パナメーラもうかうかとしてはいられない強力なライバルの登場である。
Profile
自動車ジャーナリスト
島下泰久
世界を飛びまわり精力的な取材を行う超多忙な自動車ジャーナリスト。昨年末、「2019年版 間違いだらけのクルマ選び(草思社)」を上梓。

CLSとは一線を画する、アグレッシブなスタイリングを実現。ボディはスチール主体のモノコック構造でCFRP製パーツも採用し、徹底的に剛性アップが図られている。
「GT 63 S 4MATIC+(639馬力)」、「GT 53 4MATIC+(435馬力)」、「GT 43 4MATIC+(367馬力)」の3タイプが用意される。
大型TFTディスプレイが2枚連結されたコクピットは最新メルセデスの意匠。モード変更などがグラフィックで表示される。
リヤシートは3人掛け、2人掛けに加え、大型センターコンソールを備えたVIP仕様といえるものまで用意される。また、ラゲッジは通常時395L+床下60Lの容量が備わっている。