輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.01.28
マクラーレンのオープンスポーツ「720S スパイダー」が日本上陸!

文と写真●内田俊一
マクラーレン・オートモーティブは、マクラーレンのビジネスプラン、Track25に基づいた第2弾、720Sスパイダーを日本において発表した。昨年12月にMTC(マクラーレンテクノロジーセンター)で開催したウインターボールでお披露目して以来、この東京が2番目である。価格は3788万8000円から。
補強なし、重量増は49kg
マクラーレン史上もっとも完成度の高いコンバーチブルタイプのスーパーカー、それが720Sスパイダーだ。
その最大の特徴は当然のことながらオープンボディだ。通常であればボディを補強するために重量増が避けられないが、720Sスパイダーの場合には720Sクーペよりも49kg増でしかなく、「もっとも近い競合モデルよりも88kg軽いので、クラス最軽量を実現している」と、マクラーレン・オートモーティブジャパンリージョナルセールスマネージャーの平田寿樹さんはコメントする。その結果、「ドライビング時にはマシンとの一体感がより感じられるだろう」という。
この重量増は、主にリトラクタブルハードトップ(以下RHT)などによるもので、カーボンファイバー固有の強度と剛性によって、追加補強の必要がなかったのだ。
スパイダーモデルに共通する問題点として、「ドライバーズシートの後ろにルーフを格納するなどのため、本質的に車外が見えにくいことがある」と平田さん。その解決のために、キャビン上部のルーフ部分をガラス張りとし、半透明から透明の状態へと素早く切り替えられるエレクトロクロミックガラスを装備可能とした。さらに「低い隔壁、ガラス張りのフライングバットレスなどと、720Sクーペと共通のAピラーとを組み合わせることで、このセグメント随一の視認性とスペース感を得ている」と説明する。これらの採用や、デザインによりマクラーレンスーパーシリーズのスパイダーに比べ、肩越しの視界が12%向上した。
開閉時間はスーパーカークラスで最速の11秒で、50km/hまでであれば走行時の開閉も可能だ。その開閉時の作動音は静かな図書館程度だとのことだ。
720Sクーペとほぼ同等の加速性能

搭載されるエンジンは720Sクーペと同様のV型8気筒4.0Lツインターボで、最高出力720馬力、最大トルクは78.5kgmを発生。0-100km/h加速は、720Sクーペと同様の2.9秒、0-200km/h加速は7.9秒(クーペ+0.1秒)。ルーフを閉じた状態での最高速度は341km/h、ルーフを下げた状態での最高速度は325km/hであり、720Sクーペとの性能の微妙な差は、異なるエアロダイナミクスと、49kgの重量増が影響している。
日本への納車開始は2019年3月から開始される予定だ。
成長し続けているマクラーレンビジネス

さてマクラーレン・オートモーティブの販売状況は、昨年は全世界で4800台という新記録を樹立。前年比44%という高い比率だ。「2010年にビジネスを立ち上げて以来、毎年着実に成長を続け、わずか7年でここまで急成長した。いまもっとも旬で勢いのあるブランドのひとつだ」とは、マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本支社代表の正本嘉宏さんの弁。
この伸びは日本も例外ではなく、「アメリカ、イギリス、中国に次ぐ世界で4番目のマーケットで、日本も対前年比44%増。昨年の販売台数は200台の大台を超え、かつ今年の前半には累計販売台数1000台を超える見通しだ」と日本市場においても、順調に販売台数を伸ばしていることを強調した。