輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2018.11.20
ラグジュアリーボートからインスピレーションを受けたアバルト695/695Cの特別仕様車

アバルト695リヴァーレ
文と写真●内田俊一
FCAジャパンは、ラグジュアリーボートメーカーであるRiva(リーヴァ)社とのコラボレーションにより実現した限定車、アバルト695/695Cリヴァーレを、11月9日より150 台限定で販売を開始した。価格は695リヴァーレが405万円、695Cリヴァーレが422万円。それぞれ85台と65台の限定となる。デリバリーは来年1月以降を予定している。
スポーツ、クラフトマンシップ、勝利にかける情熱

1842年創業のイタリアの老舗ボートブランドとして世界的にも著名なリーヴァ社は、高性能パワーボートの草分け的存在として様々なボート競技にも情熱を注ぎ、レースや速度記録の上で数々の金字塔を打ち立ててきた。
一方、アバルトの創業者、カルロ・アバルトは1950年代から1960年代にかけて蠍のエンブレムを、スポーツ、クラフトマンシップ、パフォーマンスの象徴としてモータースポーツ界のゲームチェンジャーとして精力的にレースに挑戦していた。
そして、この2社が共通して持つ、情熱、クラフトマンシップ、勝利にかけるあくなき挑戦といった強い思いから今回のコラボレーションが実現し、この695/695C リヴァーレがデビューしたのだ。
エレガントでスポーティ、海を感じるデザイン

695/695Cリヴァーレは、リーヴァ社製の最新鋭56フィート・フライブリッジボート、リヴァーレからインピレーションを受け、内外装がデザインされた。まずボディカラーは、ビコローレ(アバルトでのツートンカラーの意)の上側にはリーヴァ社の象徴的なカラーであるリーヴァブルーを配色。下側はボートのリヴァーレに多用されているグレイカラーが配された。そしてその境界には、同じくリーヴァ社の象徴であるアクアマリンのアクセントラインが施された。

そのほか、足元は今回特別にブラックに塗装したブレンボ社製のフロントブレーキキャリパー、17インチの専用アルミホイールが装備され、「全体としてエレガントな中にもスポーティーな印象を与えるような仕上がりです」とFCAジャパンマーケティング本部プロダクトマネージャーの生野逸臣さんは説明する。

インテリアで目に飛び込んでくるのが、マホガニーがあしらわれたインストルメントパネルだ。「ボートの世界では操縦席の前にマホガニーを活用したデザインが見受けられますので、それを695/695Cリヴァーレにも採用し、海を感じるデザインを成立させています」と述べる。また、シートはブルーレザーを使い、ヘッドレストには695リヴァーレの文字が刺繍で刻まれている。同じブルーの素材はメーターフードやドアトリム、ステアリングホイール上部にも採用されている。

695/695Cリヴァーレに搭載されるエンジンは1.4リッターターボチャージャー付きのガソリンエンジンで、最高出力は180ps、最大トルクは230Nm(SPORTスイッチ使用時は250Nmを発揮する。
また、アクラポビッチ社製のカーボン仕上げハイパフォーマンスエグゾーストシステムを採用。「通常のアバルトモデルとは一味違ったサウンドを奏でることで、走りにこだわるアバルトならではの、走っている時の特別さを感じられるような仕上がりとなっています」と生野さん。
そして、「これまでのアバルトの価値であったエキサイティングな走りを楽しむお客様だけではなく、さらにエクスクルーシブさや、洗練されたものを求めるお客様へも強くアピールしていくモデルです」と話す。

さらに、FCAジャパンマーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセさんは、「アバルトはパッション、パフォーマンス、スポルティネス、そしてイタリアンスピリット、そこからはとても男らしいブランドと思えるかもしれません。しかし今、我々のユーザーは女性が増えてきています。日本の社会がより元気になるためには、元気な女性が増えてきてほしいと感じていますので、元気なアバルトブランド、アバルトスピリットをより女性にも伝えていきたいと考えています」とコメントした。
好調なFCA、好調なアバルト

現在のFCAジャパンの状況について、FCAジャパン代表取締役社長兼CEOのポンタス・へグストロムさんは、「2016年の年間販売台数は2万台を突破し、今年は23000台を超えており、再び記録更新となる見込みです」と好調さをアピール。
そして、FCAジャパンの企業としてのミッションは、「クルマに対して新鮮味がなくなったり、ありがちになってしまう日本の自動車市場に、我々が持つブランドの長年にわたる文化や伝統が、新しい息吹をもたらすことにあります。アバルトはこのミッションにまさに忠実に答えてくれます」という。
アバルトは日本へは2009年に導入され「初年度は4店舗のディーラーで販売を開始し、500台でした。2017年以降、アルファロメオは単独の専売ネットワーク、そしてアバルトはフィアットと組み合わされた専売ネットワークの構築を進め、その結果現在は、北は旭川から南は鹿児島に至全国トータル78拠点のディーラーで販売しています」とへグストロムさん。昨年日本では2000台を超えるアバルトが販売され(JAIA調べ2017年1~12月期)、「日本はアバルトにとって世界で最も重要な市場のひとつなのです」とした。
この成功の要因についてヘグストロムさんは、「カルロ・バルトが提唱したビジョンを忠実にあり続けたからです。それは高い性能のクルマを購入しやすい価格で提供し、出来る限り多くの人たちに乗ってもらえるようにするということなのです」と述べる。さらに今年は、「完全個人型のオーダープログラムであるメイク・マイ・スコーピオンを導入しました。このプログラムはまさに自分だけのアバルトがオーダーできるというものです」とし、より積極的に市場展開を行っていくことを語った。
アバルト 695リヴァーレ(5速AT・シーケンシャル)
全長×全幅×全高 3660×1625×1505mm
ホイールベース 2300mm
車両重量 1120kg
エンジン 直4DOHCターボ
総排気量 1368cc
最高出力 180ps/5500rpm
最大トルク 23.5kgm/2000rpm
ブレーキ前・後 Vディスク・ディスク
タイヤ前後 205/40R17
販売価格 405万円から422万円(695/695Cリバーレのみ)