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更新日:2019.08.22 / 掲載日:2018.09.05

アウディ A7 スポーツバックが7年ぶりのフルモデルチェンジ!

文●ユニット・コンパス  写真●川崎泰輝

 9月5日、アウディのプレミアムレンジを飾る「A7 スポーツバック」のニューモデルが発表された。久しぶりのフルモデルチェンジとあって、すべてにおいて意欲的な内容となっている。ちなみにこの日、新型「A8」の発表も同時に行われた。

新型アウディ A7 スポーツバック

 A7 スポーツバックは日本国内で2011年に発売され、プレミアムスポーツ 4ドアクーペという斬新なスタイルを提案して、大きなを衝撃をもたらした。それ以来、じつに7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

 新型は、アウディの新しいデザイン言語を取り入れ、よりダイナミックに生まれ変わったスタイリングが最大の特徴。「48V電装システム」によるマイルドハイブリッドドライブシステムを標準搭載し、「レーザースキャナー」をはじめとした数多くの高性能センサーやカメラを搭載するなど、ハイレベルな運転支援システムも確立されている。

  • アウディ ジャパンのフィリップ・ノアック社長

  • アウディAGデザイン部門のアマール・ファヤ氏

  • アウディ ジャパンの石田英明氏

 発表会ではさらに、新しくアウディ ジャパンの社長に就任したフィリップ・ノアック氏の挨拶が行われた。また、本国アウディAGから、エクステリアデザイナーのアマール・ファヤ氏も来日し、プレゼンテーションを行った。マーケティング部長の石田英明氏は、A7 スポーツバックとA8の技術的な解説を行い、世界をリードする先進テクノロジーを満載したとして、強い自信を見せた。

洗練されたスタイルに垣間見るアイデンティ

 セダンのプレステージ性とアバントの機能性、クーペの美しさが融合されたプレミアム4ドアクーペの「スポーツバック」のトップモデルがA7 スポーツバックだ。2代目となった新型は、2014年発表のコンセプトモデル「Audi prologue(アウディ プロローグ)」が示した、アウディの新しいデザイン言語に則った張りのある大きな面とシャープなエッジ、シンプルで力強いラインが、ダイナミックな造形を構成している。

 フロントデザインも大きく変わり、よりワイド&ロー感を強めたシングルフレームグリルに切れ長のヘッドライト、存在感のある縁どりのエアインレット、低く伸びたボンネットなどによって、グランツーリスモとしてのキャラクター性が明確にアピールされている。ヘッドライトの上部分には、12個並んだLEDライトがデイタイムランニングライトおよびポジションライトを構成し、ヘッドライトには、LEDライトが標準装備される。ちなみに対向車や先行車を検知すると、その部分だけハイビームをカットするようLEDを消灯することで、周囲に迷惑をかけることなく常時ハイビームを利用することが可能なHDマトリクスLEDヘッドライトやアウディレーザーライト付HDマトリクスLEDは、オプション設定となる。

 長く伸びたボンネット、ホイールベース、短いオーバーハングで形づくられる新型は、全長4970mm、ホイールベース2925mm、全幅1910mmと立派なサイズだが、それに対して全高は1415mmと低めで躍動感がある。エクステリアデザイナーのアマール・ファヤ氏は「新型A7 スポーツバックのホイールハウスの上がアーチ状に膨んでいるのは、アウディのモダンアイコンであるアウディ クワトロから継承されたもので、サイドシルエットでは、後方に向かって滑らかに下降するルーフラインが大きな特徴となっています」と説明。洗練されたフォルムの中に、レジェンドモデルへのリスペクトと芯のあるアイデンティが息づいていることを披露した。

 リヤエンドは、先代のA7 スポーツバックと同様、ヨットのように両側が細くなっている。長いハッチゲートの後端はリップ状に少し突き出した形状になっており、120km/h以上の高速では、ここに内蔵されたスポイラーが自動的に伸長してリヤのダウンフォースを高めるようになっている。それぞれ13の縦型ライトセグメントで構成された両側のテールライトモジュールは、横に伸びるライトストリップで繋がれていて点灯すると独特の存在感を放つ。ドアをロック/アンロックしたときには、ヘッドライトとリヤライトにより、光のアニメーションが展開される。

大人な演出が光る空間プロデュース

 「先進性」、「スポーティネス」、「直感的な操作性」、「洗練」という4つの価値を重視してデザインされたというインテリアも大幅に刷新されている。新型A7 スポーツバックでは、乗員スペースが、先代モデルと比較して21mm拡大され、後席のニールームに余裕が生まれ、ヘッドルームも5mm広くなっている。室内は、シンプルで質感が高く、アウディでは「未来的なラウンジ」のような空間と形容している。水平ラインと細くなったインストルメントパネルがより一層広々感を演出しており、ドライバーに向けて少し角度が付けられたセンターコンソールは、フロントデザインと同様にグランツーリスモとしてのスポーティなキャラクターをアピールしている。繊細な間接光のアンビエントライトは、マルチカラーでインテリアに味わい深い輪郭を生み出している。インストルメントパネルでは、ブラックの光学パネルにグラファイトグレーアルミの飾りフレームを用いた10.1インチのアッパースクリーンが、電源をオフにするとダッシュボードに溶け込む仕掛けは高級感がある。

直感的な操作感とつながる快適さ

 今日、重要度が急速に増すユーザーインターフェイスとしては、2つの大きな高解像度タッチディスプレイを採用し、これまでのボタンやスイッチ類に代わる「MMIタッチレスポンスコントロールシステム」を実現している。空調システムのコントロールだけでなく、文字の入力も直感的に操作することが可能で、さらにボタンやスイッチを削減することで、クリーンなインテリアデザインにつながっている。タッチパネルは操作に対して、触感と音によるフィードバックがあるタイプ。フラットなメニュー構造で多彩な機能に素早くアクセスでき、加えて操作ロジックもスマートフォンのように直感的に行えるので、慣れていなくても快適だ。12.3インチの大型ディスプレイを備えたフルデジタルのアウディバーチャルコクピットを含む3つのデジタルディスプレイが標準装着される。

 新型A7 スポーツバックは、LTEネットワークによる情報ネットワーク接続によって、車内での利便性が飛躍的に向上している。最大7人のドライバーが、自分のユーザープロファイルをクルマに記憶させることができる。ここでは個々のドライバーに関して400にも及ぶパラメーターが記憶され、さまざまな機能が自動的に設定される。

 また「アウディコネクト」による、音声での目的地のオンライン検索(クラウドベース)をはじめ、ニュースや天気情報、最寄りのガソリンスタンドや駐車場検索、地図のオンライン更新(当初3年間無料)などが可能となっている。またアウディコネクトの機能は、「myAudi」アプリを使ってスマートフォンをクルマとネットワークで接続し、ナビゲーションシステムに目的地情報を送ったり、スマートフォンの予定表をMMIタッチレスポンスコントロールシステムに転送したり、ドアのロック/アンロックを行ったり、車両の状況をチェックしたりすることもきる。

卓越したハンドリング性能

 新型A7 スポーツバックは、パフォーマンスと快適性の両面で進化している。その目玉はオプション設定される「ダイナミックオールホイールステアリング(AWS)」。後輪が最大5度まで操舵され、時速60km/h以下の低速では、後輪は前輪と反対の方向に操舵(逆位相)されて、パーキング時や市街地を走行している場合などにクルマの取り回し性が改善される。それにより、ステアリングを目一杯切った時の回転半径は0.5m減少する。一方で60km/h以上の速度では、後輪は前輪と同じ方向に操舵(同位相)され、直進性や車線変更時の操縦安定性に貢献する。

 新しくなった「ダンピングコントロールサスペンション」により、応答性と乗り心地が大幅に向上し、ワインディングロードではダイナミックで俊敏なハンドリング性能、長距離の高速走行では卓越した快適性を実現している。フロントとリヤのサスペンションは多くが新設計され、ステアリングの切り角が大きくなるにつれてステアリングレシオが変化するプログレッシブステアリングが全モデルに設定されている。また、運転支援システムも充実し、新型A8にも採用されている「レーザースキャナー」を搭載し、ミリ波レーダーや超音波センサー、カメラなど、最大23個のセンサーが組み合わさり、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブドライビングアシストなどの精度がレベルアップしている。

アウディ初のマイルドハイブリッド

 さらに注目したいのが48Vの主電源をアウディとして初めて採用した「マイルドハイブリッド」。リチウムイオンバッテリーとベルト駆動式のオルタネータースターターにより、ブレーキング時には最大12kWのエネルギー回生が可能になっている。さらに、スタート/ストップ機能の範囲も広がり、22km/h以下で作動可能になるなど燃費が抑えられている。

 搭載されているV6 3.0L TFSIエンジンは、直噴、Bサイクル、ツインスクロールターボ過給といった最新のエンジンテクノロジーの採用により、最高出力340馬力と最大トルク51.0kgm を発生し、0 -100km/h加速はわずか5.3秒の俊足ぶりを見せる。7速Sトロニックトランスミッションと AWDクラッチを採用する最新のクワトロ4輪駆動システムと組み合わせることで、JC08モードによる燃料消費量は、12.3km/Lとなっている。

 新型A7 スポーツバックは9月6日(木)に発売され、「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ debut package」が988万円、「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ Sライン」が1066万円となる。そして、エクステンデッドレザーのインテリア、バング&オルフセンサウンドシステム、ダイナミックオールホイールステアリング(四輪操舵システム)、ダンピングコントロールサスペンションなどの装備が充実した2種類の限定車がリリースされる。「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ ファーストエディション」が1058万円、「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ ファーストエディション」が1161万円で、合計250台の限定販売となる。

【A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ debut package(7速AT)】

全長         4975mm
全幅         1910mm
全高         1415mm
ホイールベース    2925mm
重量         1900kg
エンジン       V6 DOHCターボ
総排気量       2994cc
最高出力       340ps/5200-6400rpm
最大トルク       51.0kgm/1370-4500rpm
サスペンション前後  5リンクダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後     Vディスク
タイヤ前後      255/40R20

販売価格       988万円~1066万円(全グレード)




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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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