輸入車
更新日:2026.07.05 / 掲載日:2026.07.05
「メルセデス・ベンツ」現行ラインアップを解説。革新を続ける伝統ブランドの現在地

メルセデスの現行ラインアップを自動車ジャーナリストの石井昌道氏が解説。そこで見えてきたのは、自動車のあるべき姿を追求しながら、ユーザーの「欲しい!」を実現するメルセデスのバランス感覚だった。
自動車の進化の王道を進んできた現行モデル
2016年パリサロンでメルセデス・ベンツのディーター・ツェッチェCEO(当時)が中長期戦略として提唱した「CASE」。「C」=Connected(自動車のIoT化)、「A」=Autonomous(自動運転)、「S」=Shared&Services(所有から共有へ)、「E」=Electric(電動化)といった頭文字を組み合わせた造語であり、これがメルセデスのみならず、自動車産業全体の進むべき道となった。
電動化は着々と進み、市場の要望があれば全車BEV(電気自動車)が可能なほどの体制を整えてはいるが、現在はMHEV化した内燃機関搭載車を中心として幅広いパワートレインをラインアップしている。
グローバルで最も販売台数が多いのはミッドサイズSUVのGLC。日本でも人気が高く輸入車SUVでナンバー1であるばかりか、2024年には輸入車のなかで2番目に売れている大ヒットモデルとなった。一般的なSUVタイプと流麗なクーペタイプの2つのボディが用意され、エントリーモデルのディーゼルMHEV、ガソリンエンジンのPHEV(プラグイン・ハイブリッド)、ハイパフォーマンスなガソリン・エンジンを搭載するAMGモデルなど多様なラインアップを揃えている。

先代に比べれば全長は50mm、ホイールベースは15mm拡大され、後席やラゲッジスペースに余裕が生まれているが、最小回転半径は先代比で0.1m短い5.5mであり、オプションのリアアクスルステアを装着すれば5.1mとコンパクトカー並みになって都市部でも扱いやすい。
MRA2と呼ばれる最新プラットフォームによってメルセデスらしい快適な乗り心地とたしかな操縦安定性が高いレベルで両立。オプションのAIRMATICサスペンションを装着したモデルは、両立の次元をさらに引き上げている。
豊富なラインアップを誇り、アクティブなカーライフに対応するGLCは、現在のメルセデスの中心的な存在といえるだろう。
Aクラスをはじめとするコンパクトカー、伝統的なサルーンのCクラス、Eクラス、Sクラス、そして各クラスに用意されるSUVなどは、GLCと同様に多彩なパワートレインを用意。さらにBEVの選択肢も用意している現在のメルセデス。パワートレインはこれからも電動化比率を徐々に高めて、環境負荷低減へ貢献していくことだろう。
それと並行してデジタル化も急速に推し進められている。ADAS(先進運転支援システム)、MBUX(インフォテインメント)などの進化が著しいが、E/Eアーキテクチャー(電子プラットフォーム)は間もなく日本導入となる予定のCLAやSクラスで新世代へと刷新され、さらにジャンプアップするであろう。
メルセデスの今
現実的かつ効果的なパワートレイン戦略

いち早く電動化に邁進したメルセデス。現行ラインアップにおいても、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、そして電気自動車と豊富な選択肢を用意。経済的なディーゼルエンジンもラインアップし、選択肢は非常に豊富。
マイバッハやAMGなど最上級セグメントを強化

これまで以上にラグジュアリーブランドとしての価値を追求しているメルセデス。AMGやマイバッハのラインアップ強化に加えて、特別オーダーの「MANUFAKTUR」を導入。ボディ色から内装までフルオーダーに対応する。
第3世代まで進化したMBUXはドライバーの好みを学習

EクラスのMBUXは、現行世代で最も進化した第3世代。Zoomなどサードパーティ製アプリが使えるほか、いつもの操作や好みの設定をAIが学習。プロファイルを設定するだけで、ユーザーに最適化された形で提供される。
MERCEDES-BENZ現行ラインアップ
| コンパクト | A-Class/B-Class/CLA/GLA/GLB |
| ミッドサイズ | C-Class/GLC/CLE |
| ラグジュアリー | E-Class/GLE/V-Class |
| フラッグシップ | S-Class/GLS/マイバッハ |
| スペシャル | AMGモデル/G-Class |
| BEV | EQA/EQB/EQE SUV/EQS |
文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2026年8月号「名車と歩んだ140年【MERCEDES-BENZ SPECIAL】」記事の内容です)