輸入車
更新日:2026.04.06 / 掲載日:2026.04.06

ルノー「グランカングー」に見る、商用車ベースの欧州ミニバンが人気を集める理由

ビジュアルモデル:ルノー グランカングー

ミニバン大国日本で暮らしながら、あえて輸入ミニバンを選ぶユーザーがいる。彼らが輸入ミニバンを選ぶ理由はどこにあるのか。その魅力を自動車ジャーナリストの竹岡 圭氏が解説する。

人気ミニバンに共通する共通点は「商用車ベース」

ルノー グランカングー(7速AT・EDC) ●全長×全幅×全高:4910×1860×1810mm ●ホイールベース:3100mm ●車両重量:1690kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1333cc ●最高出力:131ps/5000rpm ●最大トルク:24.5kgm/1600rpm ●新車価格:459万円(グランカングー)

 あっちを見ても、こっちを見ても、必ず目に入る箱型ボディ。日本は、世界一のミニバン大国だからこそ、人とはちょっと違うのに乗りたい! そんなニーズを満たす、フレンチミニバンが増加中です。

 何を隠そう、フレンチミニバンの成り立ちは商用車。働くクルマをベースにしているからこそ、タフなうえに使い勝手がイイのも、大きな特徴のひとつなんですよね。

180度まで開く観音開きも可能。上開きとは違い、後ろにスペースがないところでも、ちょこっと開けて荷物の出し入れができる。なんだかお店屋さん気分でいろいろ楽しめそう、なんて夢が広がる。

 このカテゴリーのパイオニアといえばルノー・カングーですが、母国フランスでは郵便車としても活躍しています。フランスといえば、石畳を含むさまざまな路面を持つ丘陵地帯。首都パリは渋滞も多いうえに、なんたって郵便車ですから止まったり走ったりを繰り返します。これってじつはクルマにとってはかなり厳しく、シビアコンディションと呼ばれる状況なんですよね。

 さらには、意外と多い坂道をクリアするためのトルク性能や、路地裏の狭いところでの取りまわし性、また配達のために頻繁に開閉される各ドアの耐久性等々、求められることが多く、そのためのテストも厳しいものとなっています。

 それをクリアした性能が、渋滞が多く道が狭い、日常の使われ方は短距離が多いといった、日本の道路事情やクルマの使い方に、じつにマッチしていたりするんですよね。

フレンチミニバンは2-3-2レイアウトが採用されている。グランカングーの登場で、ショート/ロングの2タイプボディが、すべてのクルマに揃った。

 そのカングーに新しく加わったのが、7人乗りのグランカングー。単にホイールベースを延ばしただけではなく、後席ドアも含めてすべて新設計なのがポイントです。

人気を集めているのは3列7シーターモデル

グランカングーでチェアリングに挑戦! 大人2名、子供1名でのドライブは、椅子やテーブルを搭載しても室内はまだまだ余裕。「これなら友達も誘えばよかった!」とは子供談。

 実際の使いやすさにも注目。後席開口部の広さ、乗降性のよさは国産LLクラスミニバンも顔負けで、2列目シートもダブルフォールディングするのでアクセス抜群。ちなみにシートは2列目左右と3列目は、まったく同じものを装備。どの席でも大きさも乗り心地も十分ですし、スライドもリクライニングもするので、快適に寛ぐことができます。

 また、2/3列目のすべてのシートが取り外しができるので、アレンジは実に多彩。外したシートをどうするか?…… は、お部屋等々で椅子として使えるようになるアタッチメントを目下開発中なんだとか。

 じつはブラックバンパーとの組み合わせは、日本にしかない特別仕様。道具感あふれるスタイルがおしゃれだとユーザーからも好評です。

グランカングーのADAS系統はアライアンスを組んでいる日産譲り。日本の道路事情でも使いやすいのが魅力。

 このあたりが目下のライバル、リフターやベルランゴ、ドブロとは考え方が違うところ。ですが、こちらの3兄弟もインテリアも含めたデザインはもちろん、乗り味も絶妙に性格付けされていて、端的に言うと、リフターはスポーティ、ベルランゴはソフトライド、ドブロはベーシックという感じにまとめられています。

 それぞれの個性が光るのがこのカテゴリーのユニークなところですが、メーカーを超えた共通項はシートの素晴らしさ。ロングドライブでもまったくの疲れ知らずなので、モネの家のあるジベルニーや、モンサンミッシェルを有するノルマンディーに思いを馳せながら、フレンチ気分のお出かけを楽しんでみませんか?

3列目へのアクセスも良好なグランカングー

 後席ドアの開口部がビックリするほど広く、またシートもダブルフォールディングで跳ね上がってくれるので、シートを跨ぐ必要がなく、3列目への乗り込みがラクなのがうれしいポイント。シートがダブルフォールディングするのは、フレンチミニバンカテゴリーではグランカングーのみ。2列目センターを外せばウォークスルーも可。

|ANOTHER CHOICE|遊び心のあるデザインと経済的なディーゼルエンジン【シトロエン ベルランゴ】

 全車ディーゼルエンジンのみのラインアップ。シトロエンらしい個性的なデザインが楽しいが、7人乗りはインテリア等もシンプルにまとめられ、モジュトップに代表されるユニークな装備は5人乗り専用なのが少々残念なところ。らしさを求めるなら7シーターのロングがオススメ。

シトロエン ベルランゴ ロング MAX XTRグリップコントロールパッケージ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4770×1850×1850mm ●ホイールベース:2975mm ●車両重量:1680kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●排気量:1498cc ●最高出力:130ps/3750rpm ●最大トルク:30.6kgm/1750rpm ●新車価格:434万円〜472万2500円(ベルランゴ 全グレード)

文●竹岡 圭 写真●ユニット・コンパス ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2026年5月号「大人を満足させる上質な世界【輸入車だから出かけたくなる!】」記事の内容です)

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竹岡 圭(たけおかけい)

ライタープロフィール

竹岡 圭(たけおかけい)

ドキドキワクワクのクルマ選びから、愉しさ満喫のカーライフまでサポートする、幅広い活動を心掛けるモータージャーナリスト。バラエティ番組のMCを務める一方、官公庁の委員等も務める。レーシングチーム圭rallyprojectを主宰し、チームオーナー&ドライバーとしてラリーにも参戦中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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ドキドキワクワクのクルマ選びから、愉しさ満喫のカーライフまでサポートする、幅広い活動を心掛けるモータージャーナリスト。バラエティ番組のMCを務める一方、官公庁の委員等も務める。レーシングチーム圭rallyprojectを主宰し、チームオーナー&ドライバーとしてラリーにも参戦中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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