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更新日:2026.01.26 / 掲載日:2026.01.26

【メルセデス】熟成の領域に入ったCクラス【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 カタチならSUV、パワーソースならBEVやプラグインハイブリッドが注目を集める昨今のクルマ事情。メルセデス・ベンツのラインナップでもGLCを筆頭に背の高いモデルがもてはやされている。

2025年に追加された上級モデルをテスト

メルセデス・ベンツ C 220 d ラグジュアリー(ISG)

 とはいえ、かつての屋台骨であったCクラスも進化していないわけではない。2021年にリリースされた現行型は毎年手が入り、熟成の域に達したと言える。今回、ここでフィーチャーするCクラスはそんな中の一台。昨年4月に追加されたモデルとなる。

 ラインアップに加わったのは、C 200とC 220 dをベースにした“スポーツ”と“ラグジュアリー”。“スポーツ”はAMGラインエクステリアとインテリア、ナイトパッケージをまとった文字通りのスポーティなもので、“ラグジュアリー”は上質な本革シートやパノラミックスライディングルーフ、Burmester 3Dサラウンドサウンドシステムなどを標準装備する。ともにボディタイプはセダンとステーションワゴンが用意されている。

メルセデス・ベンツ C 220 d ラグジュアリー(ISG)

 日々進化するインターフェイスはというと、2024年10月からは最新のインフォテインメントシステムとなる第3世代のMBUXが搭載される。これは従来の音楽ストリーミングやインターネットラジオに加え、ビデオストリーミングサービスやオンライン会議サービスのサードパーティ製アプリが使用可能になっている。まさにクルマがそのままガジェットになった印象だ。

 それはともかく、今回試乗したC 220 d ラグジュアリー(ISG)について話を進めよう。

メルセデス・ベンツ C 220 d ラグジュアリー(ISG)

 エンジンはご承知の通り、2リッター直4ディーゼルターボとなる。最高出力は197ps、最大トルクは440Nmというスペックだ。燃費はWLTCモードで19.1km/L。クリーンディーゼルの優位性をこの上なく発揮して高燃費を稼いでいる。組み合わされるギアボックスが9速ATというのも関係していることだろう。高速巡航ではオーバードライブで低回転走行ができる。

 また、このパワーユニットにはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)が組み込まれているのは見逃せない。48Vのバッテリーを積んだマイルドハイブリッドだ。要するに発進時や加速時にモーターがエンジンをアシストすることで、排気量以上の力強いトルクを供給する。と同時に、これによりアイドリングストップからの再始動はベルト駆動ではなくモーターが直接回すことで静かで滑らかな出だしを可能にした。ディーゼルエンジンの再始動は音と振動が同時に発生するが、そのタイミングをずらしてくれるのはありがたい。

上質な室内空間はセンスもよく魅力的だ

メルセデス・ベンツ C 220 d ラグジュアリー(ISG)

 ということを踏まえて試乗の印象を語ると、このクルマが高級車であることを伝えたくなる。2リッターディーゼル以上の頼もしいパワーは余裕の走りを見せてくれるからだ。試乗コースは一般道と高速道路を使ったが、特に高速域でそれを感じた。アクセルを踏み直しての中間加速は頭でイメージする以上に速い。

 乗り心地も悪くない。というか、かなりいい。前225/40R19、後255/35R19というロープロファイルタイヤにもかかわらず、突き上げはなくフラットなキャビンをキープしてくれる。ピレリPゼロという攻めたタイヤの割には快適だ。それに個人的にはこのホイールデザインはかなりカッコいいと思う。

 高級感という意味では、ダッシュボードのウッドパネルは外せない。グレーに縦縞の入ったこれはまさにSクラスに通じる仕上がり。おしゃれさもあって好印象だ。きっと助手席に乗った人からも賛美の声が聞けるだろう。

ディーゼル特有の騒音は気になるが完成度は抜群

 ただ、全てがいいわけではない。ディーゼルエンジンの特性を活かした走りは高く評価できるが、エンジンをかけたまま外に出ると音はそれなりに大きい。昔よりかなり低減されたとはいえ、ガラガラ音はまだまだ耳に残る。2021年のリリースからその辺はあまり進化していないようだ。

 その背景にはBEVへの移行戦略が関係したと思う。全社的にBEV開発に注力したことでエンジンの改善がストップした気がしてならない。数年前内燃機関部門の縮小を行うニュースがあったと思うが、その結果の足踏みではないだろうか。まぁ、クルマを降りて気づいたのだからキャビンの静粛性はめちゃくちゃ高いことを立証してはいるが。

 というのが久しぶりにステアリングを握ったCクラスの印象だ。そのクオリティの高さからこのクルマこそ彼らの真骨頂と思わざるを得ない。普段W212後期型Eクラスを足にしている身からしてもいろいろと魅力を感じる仕上がりである。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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