輸入車
更新日:2025.04.05 / 掲載日:2025.04.05

フォルクスワーゲン「Tロック/Tクロス」マイナーチェンジで手に入れた新たな魅力とは

ともにマイナーチェンジして魅力をアップ!T-ROC/T-CROSS[フォルクスワーゲンSUVの見どころ]

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年5号「売れているのにはワケがある![フォルクスワーゲンSUVの見どころ]」記事の内容です)

 SUV人気の高まりに合わせるかのように、2010年代後半に相次いで投入されたTクロスとTロック。前者はポロ相当のエントリーSUV、後者はティグアンよりもひとまわり小さなクーペスタイルSUV。ティグアンがSUVらしい存在感やユーティリティを強調しているのに対して、車名頭にTが付く2台は都会的で遊び心のあるモデルだ。
 2020年に日本上陸したTクロスは3年連続で輸入SUV販売台数のナンバーワンに輝くほどの人気で、2024年には待望のマイナーチェンジ。エクステリアはブラッシュアップにとどめているのでそれほど印象は変わらないが、インテリアはダッシュボードにソフトパッドを採用し独立したセンターディスプレイなどで大いに質感が向上した。
 ガソリン1Lターボは116馬力/200Nm。小排気量ゆえアクセルを徐々に踏み増していくような操作では反応があまりよくないが、メリハリの利いたアクセル操作をすれば案外と活発に走る。6000rpmまでの吹き上がりもスムーズだ。以前よりも音・振動が抑えられていて質感も向上している。乗り心地も洗練された。従来は荒れた路面でゴツゴツ感があったものだがマイルドにいなすようになったのだ。ロードノイズ・パターンノイズが少々気になるところだがBセグメントとしては標準的といったところだろう。
 Tクロスから約半年後に日本上陸したTロックだが、マイナーチェンジは一足早い2022年に行われている。初期モデルはインテリアのチープさなどが指摘されていたが、早々と改善されることとなった。現在の日本仕様はガソリン1.5LターボでFFのTSIに、ディーゼル2Lターボで4WDのTDI 4MOTION、そしてガソリン2LターボのRと大きく分けて3種類。
 最量販となるTSIは150馬力/250Nmと十分なパフォーマンスで車両重量も軽いので軽快感が魅力。初期モデルに比べると乗り心地も洗練されている。Rに乗り換えるとパワーが2倍の300馬力になるので別世界でゴルフRのSUV版といった趣だ。Rパフォーマンストルクベクタリングは装備していないので、そこまで切れ味鋭いハンドリングではないもののSUVとしては望外にスポーティだといえるだろう。
 TDI 4MOTIONはパフォーマンスに燃費、たくましい走破性などでベストバイ。最新のティグアンTDIに比べると音・振動がやや大きめではあるが、速度が上がるほどに気にならなくなり高速巡航では快適だからロングドライブが多いユーザーにはうってつけだ。
 それぞれに見どころのある3台のフォルクスワーゲンSUV。共通するのは持ち前の操縦安定性の高さに、洗練された乗り味が加わり、快適な相棒となってくれることだろう。

[フォルクスワーゲン Tロック]クーペスタイルのアクティブな1台

撮影車の「Tロック R」は、スタートからわずか4.9秒で100km/hに達するハイパフォーマンスがウリ。スタンダードモデルから乗り換えると、その違いに思わず目から鱗な1台に仕上がっている。

イマドキ感が魅力なスタイリッシュモデル

 Tロックは、クーペスタイルということもあり、SUVというよりクロスオーバーに近いキャラクターのモデルだ。購入時にゴルフと悩む人が多いのは、このスタイリングとティグアンよりコンパクトで、Tクロスより少し大きいサイズに起因している。

699万9000円(Tロック R)の価格だけあって、上級装備の数々が標準装備されている。それらは先進安全装備についても同様。かっ飛びSUVが好きなあなたはチェックすべし!だ。
6対4の分割可倒式リアシートの採用で、積載時の自由度も高い。ハイパフォーマンスながら実用性も高いのが魅力。
2Lの直4DOHCターボは300馬力&40.8kgmを発揮。車重が1540kgということもあり、その速さにはびっくり。

フォルクスワーゲン Tロック R(7速AT・DSG)●全長×全幅×全高:4245×1825×1570mm ●ホイールベース:2590mm ●車両重量:1540kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1984cc ●最高出力:300ps/5300-6500rpm ●最大トルク:40.8kgm/2000-5200rpm ●新車価格:487万8000円〜699万9000円(Tロック 全グレード ※R含む)

[フォルクスワーゲン Tクロス]コンパクトSUVの大本命

日本車との違いがわかるカッチリしたボディ

 全長4140mm×全幅1760mm×全高1580mmというシティユースに適したボディサイズ。そして、頃合いのいい価格で一躍人気者となったTクロス。大きいクルマ=偉いという図式が成り立たなくなった今、ダウンサイザーが選ぶ1台としても、大いに注目されている。

すっきりとした運転席まわりだが、デジタルメータークラスターを採用。また、センターの画面をタッチしてスマホのように操作できる「Discover Pro」(オプション)も用意。
リアシートは6対4の分割可倒式で、積載量は通常時で455L、最大で1281Lとなる。リアゲートの開口部が広いのも美点だ。
1Lの3気筒エンジンとは思えないほど活発なエンジンは、7速AT(DSG)と相まって効率的な仕事を行う。

フォルクスワーゲン Tクロス TSI スタイル(7速AT・DSG)●全長×全幅×全高:4140×1760×1580mm ●ホイールベース:2550mm ●車両重量:1260kg ●エンジン:直3DOHCターボ ●排気量:999cc ●最高出力:116ps/5500rpm ●最大トルク:20.4kgm/2000-3500rpm ●新車価格:336万8000円〜396万9000円(Tクロス 全グレード)

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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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