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更新日:2024.10.24 / 掲載日:2024.10.23
電気自動車版Gクラス脅威の性能を目撃!【G 580 with EQ Technology】

文と写真●ユニット・コンパス
パリ五輪を沸かせたShigekix率いるダンスチームによるパフォーマンスから始まった「G 580 with EQ Technology」の発表会。1979年からの歴史を持つGクラスに、ついに電気自動車が追加されたことになる。導入記念モデルである「G 580 with EQ Technology Edition 1」の価格は2635万円。
電気自動車になってもルックスはそのまま

ブレイキン特有の迫力あるパワームーブに拍手をしていると、音もなくGクラスが会場に侵入してきた。これも電気自動車だからこそ可能になった演出。Gクラスは壇上脇のスペースに停車すると、なんとその場でいきなりスピンを始めた! そう、まさにブレイキンのように。通常、レースカーなどが行うパフォーマンスは、ドーナツのように円を描くが、Gクラスはまさにその場で2回転した。4つのモーターを活かした「G-TURN」のデモンストレーションだ。一連の演出は、電気自動車版Gクラスのキャラクター性を伝えるのに、まさに秀逸なものだった。
コンセプトモデルの段階では、EQシリーズを主張する未来的なデザインだったが、日本に導入された「G 580 with EQ Technology」は、内燃機関搭載モデルとルックスはほぼ同じ。
これはもちろん狙いで、ディーゼルエンジン(G 450)、パワフルなガソリンエンジン(G 63)、そして電気自動車(G 580)と多彩なパワートレインを用意することで、ユーザーの選択肢を広げたいという考えから。あくまでもGクラスはGクラスであり続けるというメッセージでもある。

発表会では、Gクラスの開発を主導したダイムラーAGのToni Mantele氏が来日し、開発のねらいなどをプレゼンテーションした。
それによると、電気自動車版Gクラスの開発時には、内燃機関モデルが備えていた悪路走破性能を100%カバーすることが第1目標として設定されたという。結果的に「G 580」では、内燃機関モデル以上の性能や機能を実現することに成功。これを実現するために、メカニズム面では別物というほどの設計変更が行われている。




電気自動車だからこそ実現した機能と性能

「G 580」最大の特徴は、4つのモーターを搭載し、それぞれを独立してコントロールできること。
これにより、発表会冒頭で披露した、その場で2回転まで旋回できる「G-TRUN」や、最小回転半径をミニマム化できる「G-STEERING」、そしてオフロード走行用のクルーズコントロール機能を実現している。なお、渡河性能も内燃機関モデルよりも良好な850mmとなっている。

メルセデス独自の充電ネットワークを整備するためPower X社をパートナーに選定

ユーザーの利便性向上のための施策として、メルセデスは今後2年間で25拠点・100口の高出力EV充電ネットワークを展開していくことも発表された。
パワーエックス社は、メルセデスのための特別仕様のディスペンサーユニットを搭載した急速充電器「ハイパーチャージャー」の開発、そして充電ネットワークの運営を担当する。ハイパーチャージャーは最大で150kWの急速充電に対応するため、Gクラスのポテンシャルを最大限に引き出すことができる。
ちなみに、「G 580」の航続可能距離は530km(WLTCモード)。150kWの急速充電を使った場合、116kWhのリチウム電池は最大41分で10%から80%まで充電可能となっている。



