輸入車
更新日:2024.07.04 / 掲載日:2024.07.04

[SUV特集2024]トレンドの理由は見た目のみにあらず!輸入SUVが選ばれる理由

Visual model : MERCEDES-BENZ GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年8月号「SUVの魅力ってどこにあるのだろう?[SUV実態調査]」記事の内容です)

今、SUVが世界的にトレンドとなっている。日本においては新車乗用車販売の4台に1台がSUV。軽自動車を除けばさらにその割合が高まって、3台に1台以上がSUVという状況だ。輸入車でもSUV人気は広がるばかりである。でも、人気の理由はどこにあるのだろうか?今回は、SUVを選びたくなる理由について探っていこう。

ランキング20モデル中13モデルがSUV

2023年度輸入車 モデル別新規登録台数順位/引用元:JAIA(日本自動車輸入組合)

順位ブランドモデル登録台数
1MINIMINI1万7306台※※
2フォルクスワーゲンゴルフ1万1998台
3メルセデス・ベンツCクラス7796台
4フォルクスワーゲンT-ROC6457台※
5メルセデス・ベンツGLB6201台※
6アウディA3シリーズ6069台
7BMW2シリーズ5703台
8メルセデス・ベンツGLC5689台※
9BMW3シリーズ5687台
10メルセデス・ベンツGクラス5552台※
11ボルボ60シリーズ5357台※※
12フォルクスワーゲンT-CROSS5296台※
13ボルボ40シリーズ4938台※
14ランドローバーディフェンダー1104462台※
15メルセデス・ベンツGLA4195台※
16フォルクスワーゲンポロ4181台
17アウディQ33922台※
18BMWX13795台※
19ジープラングラー3503台※
20メルセデス・ベンツAクラス3262台
※SUV/※※SUVを含むモデル

 日本における輸入車販売ランキングのトップ20を見ても、SUVの勢力が大きく拡大していることを理解できる。MINIやフォルクスワーゲンT-ROC、そしてメルセデス・ベンツ GLBなど比較的小型のモデルの人気が高い。

この記事の目次

SUVトレンド考察

文●工藤貴宏
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

今、ボディ形状別で見ると日本で最も人気のあるジャンルとなったSUV。はたしてその人気の理由はどこにあるのだろうか?

SUVのいいところは見た目だけなのか?

 市場が盛り上がるにつれて各メーカーが新車種を投入。結果としてセダンやワゴンに比べて選択肢が多く、キャラクターも多様化。するとますますSUVが選ばれるという状況になる。それがSUVを取り巻く今の状況だ。まさに百花繚乱である。

 そんなSUVに対して「見た目で選んでいるだけでしょう?」という人もいるかもしれない。たしかに流行には見た目の要素も大きいから、ルックスに惚れてSUVを選んでいる人がいることは否定できないし、そもそも「トレンドだから」という理由で購入した人もいるだろう。

 しかし、自動車ライターとしてSUVを含むさまざまなクルマに試乗し、自身もSUVを所有する筆者としては声を大きくして伝えておきたいことがある。「SUVにはメリットが多く存在する」ということだ。

 たとえば、乗り降り。セダンやステーションワゴンに比べてSUVの着座位置は高いが、この高い着座位置が乗降性を高めている。まるで沈み込むように乗り込むセダンやステーションワゴンは乗降時の姿勢変化が大きいが、比べるとSUVは乗り降りはそれが少なくスムーズ。

 もちろんメルセデス・ベンツ Gクラスやジープ ラングラーなど本格オフロードタイプは着座位置が極端に高いので話は別。しかしメルセデス・ベンツ GLAなど “クロスオーバー系”と呼ばれるSUVとしては背の低いモデルは、乗り降りのスムーズさに驚くだろう。

 乗り降りは、クルマを利用する際は必ず行う行為。それが楽になるというだけで、SUVを買う理由には十分といえるほどだ。

 見晴らしのよさも魅力。昨今はミニバンなど背の高いクルマが増えて、セダンなど背の低いタイプのクルマでは前方や周囲がよく見えないこともある。また、曲がる際にガードレールや生垣が視界を遮るようなケースも、セダンに比べると視点の高いSUVでは少ない。SUVは視界確保の面からも安全で運転しやすいのだ。たしかに車体直近の死角が多いのは事実だが、昨今はカメラを使って車両周囲を可視化する全方位モニターがフォローしてくれる。

 加えて、運転していて多少の段差に気を使わなくていいのもSUVの大きな魅力だ。SUVは最低地上高が確保されている(地上と車体の隙間が広い)から、段差を越える際などに車体を地面に擦りにくい。だから道路と駐車場のちょっとした段差などをいちいち気にしなくてよく、それが「運転が楽」となるのだ。これも、いちどSUVを知るとセダンなどに後戻りできない大きな理由。

 また、セダンと比べると荷室が使いやすいのも魅力である。床から天井までの高さがあるから、大きな荷物も積みやすいのだ。

 もうひとつ、SUVは側面衝突時の衝突安全性が高いのも知っておきたい美点。セダンなどに比べると車体が持ち上がっていることで、横から衝突された際に、強固なサイドシルで衝撃を受け止められる可能性が高く、そのぶんダメージを車体全体に分散させるので乗員への加害性を減らせるという理屈である。

 というわけでじつはメリットばかりのSUV。「オフロードを走らないからSUVは必要ない」なんて決つめけるのはもったいない。

Profile:自動車ライター 工藤貴宏

クルマが好きすぎて大学時代にアルバイトとして新車雑誌の編集部で働き始め、そのまま就職。軽自動車からプレミアムブランドまで幅広く扱う新車ライターとして活動中。

Visual model[PHEV]メルセデス・ベンツ GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star/ハイブリッドも用意するCクラスに相当するSUV

 今や「GLA」から始まり「GLS」や「Gクラス」、そして「EQS SUV」といったEVまで14ものSUVを展開するメルセデス・ベンツ。そのなかで「GLC」は、セダンでいえば「Cクラス」のポジションに相当する。基本メカニズムもCクラスに準じる大きすぎないSUVだ。

丸いエアコン吹き出し口によるスポーティ感と大画面ディスプレイによる先進性の調和が特徴的。ラゲッジスペースはリアシートをたたまない状態で470L用意。

ディーゼルや高出力ガソリンエンジンも選べるが「350 e」は2Lガソリンターボエンジンに強力なモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド。

メルセデス・ベンツ GLC 350 e 4マチック スポーツ エディションスター(9速AT) ●全長×全幅×全高:4725×1920×1635mm ●ホイールベース:2890mm ●車両重量:2340kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1997cc ●エンジン最高出力:204ps/6100rpm ●エンジン最大トルク:32.6kgm/2000-4000rpm ●モーター最高出力:100kW/2600-6800rpm ●モーター最大トルク:44.9kgm/0-2100rpm ●新車価格:858万円〜1780万円(GLC 全グレード)

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工藤貴宏(くどう たかひろ)

ライタープロフィール

工藤貴宏(くどう たかひろ)

学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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