輸入車
更新日:2024.04.30 / 掲載日:2023.12.13
【プジョー 308】フレンチブランドならではの上質さの歴史&いま買いの中古車

プジョー 308|語り継がれる名車の系譜 vol.36|
文●ユニット・コンパス 写真●プジョー
※中古車参考価格はすべてグーネット2023年11月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年1月号の内容です)
自動車メーカーとして最古参にあたるフランスのプジョーがコンパクトカーにもたらした上質という価値観。
日常に上質というエッセンスを漂わせるコンパクト
フレンチブランドならではのエッセンス
フランスの名門プジョー。こう書くと定型文のような前おきだが、プジョーのそれは筋金入り、なにしろ企業としての始まりは1810年。プジョー兄弟による製鉄業としてのスタートであった。当時の商品は工具や自転車、そして傘やコーヒーミルといった日用品も手がけていた。ブランドシンボルのライオンは、このころから使われている。
プジョーが乗用車を手がけたのは1889年のこと。パリ万国博覧会に蒸気を動力にした三輪車を出展。翌年、車体にダイムラーからライセンスされたガソリンエンジンを搭載して市販化に成功している。そう、プジョーは世界最古の自動車メーカーのひとつである。
ユニークなのは、プジョーが大衆車を得意としていたことだ。フランスの街中は道幅が狭くて路面も石畳でサスペンションに厳しく、実利を求めるフランス人はコスト意識も高い。そんな状況で鍛え上げられたからこそ、プジョーのコンパクトカーは世界中で愛されることになった。
308シリーズは、コンパクトでありながら、スタイリッシュで上質なクルマに仕上がっている。それは、301から90年以上続く30Xシリーズの変わらぬコンセプトであり美点だ。合理主義でいて、人生を楽しむことにかけては天才的。まさにフランスのブランドだからこそ作り出せる作品と言えるだろう。
プジョー 308はこんなクルマ


ボディサイズを従来モデルから大幅に拡大することで広い室内空間と存在感を高めた。SUVにも負けない印象的なスタイリングにするべく、躍動的で堂々とした印象を与えた。

小径ステアリングや見やすいメーター位置などが特徴の「i-Cockpit」を採用。「OK、プジョー」の音声コマンドで操作ができるコネクテッド対応のインフォテインメントも搭載する。
[プジョー 308が名車になった理由]多方面に才能を開花させた傑作実用車
308シリーズのDNAは90年前に生まれた

308の始祖となるのが、1932年から1936年まで生産された301。当時は大型のファミリーカーという位置付け。エンジン部分からキャビンまでスムーズに繋がるスタイリングが特徴で、当時の宣伝には「空力」という言葉が使われた。
実用車だけどひとクラス上、それが変わらない個性

1969年から1980年まで生産された304は、大衆向け乗用車の上級版という位置付けで登場。現在の308に繋がるコンセプトを確立したモデルとなった。実用車として役に立つだけでなく、所有欲を満たしてくれるのが30Xシリーズだ。
いまでも高い人気を誇っているコンバーチブルの傑作

1994年から2002年まで販売された306には、イタリアの名門カロッツェリアであるピニンファリーナが手がけた美しいカブリオレが存在。その端正なスタイリングは、いまでも評価が高い。
世界ラリー選手権では格上の4WDマシンを上まわることも

すぐれた走行性能ゆえ、ラリーマシンのベースモデルにも選ばれてきた。こちらは306時代の「306マキシ」。フランス国内ラリーを連覇し、1998年の世界ラリー選手権では格上のマシンを相手に総合2位の快挙を残している。
307以降、名称は308で固定された

308の前身にあたるモデルが、2001年から2008年まで販売されていた307。写真のハッチバックに加えてステーションワゴンのSWと電動メタルルーフを持つCCなどバリエーションも豊富。流麗なスタイルが人気を集めた。
最新モデルではプラグインHVをラインアップ

プジョーはステランティスグループの一員となり、スケールメリットを生かして電動化戦略を加速させている。その成果として308ではプラグインハイブリッドモデルを用意。最大で64km(WLTCモード)のEV走行を可能にしている。
新車といま買いの中古車たち
プジョー 308

ディーラーのデモカーなどを中心に中古車が流通している現行型308。コストパフォーマンスの高い「アリュール」、装備の充実した「GT」、ハイブリッドの「ハイブリッドGT」が存在。
新車価格:310万円~460万円(22年~23年 308 全グレード)
プジョー 308SW

ハッチバックに比べて、全長を235mm、ホイールベースを50mm拡大したSW。ボディサイズはライバルよりも大きく、後席や荷室空間もゆとりがある。中古車も物件数は多くないが存在する。
新車価格:400万円~540万円(22年~23年 308SW 全グレード)
プジョー 308(先代)

ドイツ車にも負けない品質と装備を目指して開発された先代モデルは、従来モデルよりワンランク上のクルマにレベルアップした。中古車相場は手頃で、購入しやすい。希少だがMT仕様も。
中古車参考価格帯:70万円~300万円(14年~21年 308 全グレード)
プジョー 308SW(先代)

308のステーションワゴン版となるのが308SW。後席を倒すことなく660ℓもの荷室容量を確保しているのが自慢で、最大で1775ℓまで拡大できる。中古車も選んで購入できる状態だ。
中古車参考価格帯:60万円~230万円(14年~21年 308 SW全グレード)