新車値引き情報
更新日:2020.07.27 / 掲載日:2020.07.27

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

奥様のLINE攻撃が炸裂! X氏のムチャぶりに上司召喚!! 若手&先輩ふたり揃って悶絶!!!

【プロローグ】 読者の皆さん、お久しぶりです。7年ほど前、X氏として参加させていただきました。その際に購入したエクシーガ(値引き合計40.2万円/値引き率13.3%)は大きな事故もなく、今年の1月に車検を通しました。
 ところが、12万kmを目前に控えて、経年劣化からくる故障の心配が出てきました。とくにエアコンの調子がよくない。「今夏は猛暑になる」との予報もチラホラ聞こえてきたので、思い切って買い替えることにしました。コロナウイルスの影響で冷え切っている消費を盛り上げるのに一役買えれば……なんて気持ちもあります(すみません、後付けです)。
 候補車は5人家族+祖父母が楽に乗車できるミニバン。自動ブレーキなど先進の安全装備も有力な条件だし、妻の実家が300kmも彼方なので、運転支援システムも必要です。これらを踏まえて選考したところ、別記の5車が候補にあがりました。
 大本命はアルファード/ヴェルファイア。沖縄旅行に行った際、ヴェルファイアをレンタルしたのですが、トヨタセーフティセンスの運転支援技術に感動! 乗り心地も素晴らしい。いつもクルマに乗るとテンションがあがって大騒ぎする子供たちですが、あまりの快適さにすぐさま熟睡(笑)。さらにスライドドアの使い勝手の良さも痛感しました(我が家のエクシーガはミニバンっぽいけれど、ヒンジドアです)。
 なお、スバルのラインナップには現在、ミニバンが存在しないため、早々に「スバリスト返上」が決まってしまいました(涙)。
 当方、交渉事が大好き。仕事で高額機器を導入するときの相見積もりには7年前に参加した「X氏の大作戦」の経験が大いに生きています!

【3月28日(土)】 商談開始。まずはホンダカーズへ。応対してくれた営業さんは「この道、24年」というベテランです。
 開口一番、今回のために考えた秘策妻が買い替えに消極的話法を繰り出します。
X「ふだんクルマを使用するのは僕なんですが、経済的な決定権は妻にあるんですよね。これまで乗ってきたエクシーガは車検を通したばかりなので、正直、妻は買い替えには消極的なんです。でも、私が『もうすぐ走行距離が12万kmを超えるので、そろそろトラブルが心配だ。エアコンの調子も悪いし、このままだと、今年の夏はヤバイかも?』っていって、なんとかOKをもらいました。だから、思い切った条件を出してもらわないと、買い替えが中止なんてことにもなりかねません」
セ「なるほど、わかりました」
 しかし、提示してきた条件はオデッセイが約15万円引きで支払い総額は約420万円、ステップワゴンが14万円引きで約380万円。これではまったく買う気が起きません。お土産に新型フィットの瓦煎餅をいただきました。
 続いて日産へ。ホンダと同様にベテランが応対。メールで依頼しておいたので、セレナの見積もりがパッと出てきました。ただし、値引きの記載はなし。
 ここでも“妻が買い替えに消極的”話法を使うと、
セ「セレナの値引きは20万円くらいですね。ほかにはどんなクルマをお考えですか?」
X「日産さんに来る前にホンダへ行ってきました」
セ「セレナはステップワゴンより値段的には高いけれど、クルマ的には優れていますよ」
 う~ん……最初から30万円を大きく超える値引きを出してくれると思っていたのだけど……。
 本日の最後はトヨタA店。アルファードの専売店です。新規オープンとなった店舗なので、広くておしゃれ。キッズスペースには大きな滑り台を備えている。娘たちは大喜び!
 半個室の商談スペースにつくと、専門のアテンドさんらしき人がジュースを持ってきてくれました。さすが、トヨタのお店は違う!
 若い営業クンを相手に“妻が買い替えに消極的”をひとくさり。ここではエクシーガの下取り査定もお願いしました。
セ「アルファードは通常30万円引きですが3月中の契約ならもう少し上乗せできます」
X「妻とじっくり相談してから決めるので3月中は無理ですね。参考までに『もう少し』ってどのくらいですか?」
セ「7万円くらいですね」
 提示してきた下取り額は12万5830円。車検を通したばかりということを考えると、低いように感じます。やはり走行12万kmが大きく響いているようです。
 初戦はこんなものかな? お土産はなし(笑)。

【3月29日(日)】 夕方、電話でアポイントをとってからトヨタB店を訪問。ここはヴェルファイアの専売店です。ショールームは家族連れで大賑わい。キッズスペースが2か所あり、娘たちのテンションは大いにあがります。「クルマ屋さん巡り、大好き!」なんて言い出すかも。
 営業さんたちは手いっぱいのようで「少々、お待ちください」といったきり、1時間半ほど放置プレイに遭う。閉店5分前の18時55分、こちらから受付嬢にお願いしてようやく応対してくれたが、タイムアップ。2日後に試乗の約束をして撤収しました。

【3月31日(火)】 夕方、再びトヨタB店へ。約束通りヴェルファイアの試乗車を用意してありました。これに乗って自宅まで走り、駐車場に入れてみる。問題なし。
 トヨタB店へ戻ると、エクシーガの下取り査定が終わっていました。査定額は10万円でしたが、ヴェルファイアの値引きは44万円! ここで話をアルファードにもっていく。
 作戦会議の際、松本さんから、
「今後、トヨタは全販売系列で全車種を併売することになります。つまり、ヴェルファイアを専売していたネッツ系列の販売店でもアルファードを取り扱えることになります。正式な開始は5月からですが、すでに事前商談が可能です。アル/ヴェル、どちらを売ってもいいわけですが、現行モデルはアルの人気が高く、リセール価値も高いので、どこのディーラーもアルを中心に販売してくるでしょう。ヴェルの専売だったネッツ店も例外ではありません」
 との説明を受けていたので、「アルファードの見積もりも出せますか?」といってみました。すると「値引きも下取り額も同じなので、支払い総額も変わりません。どちらでも好きなほうを選んでください」とのこと。
 そこで、リセール価値を優先して、今後はアルファード一本でいくことにしました。

秘策“妻が消極的”話法! 緊急事態宣言で万事休す!?

【4月2日(木)】 トヨタC店に私が狙っているアルファードXのホワイトパールが展示してあるとのことなので、行ってみました。
 この店には大きなジャングルジムがあって、娘たちはご満悦。
 応対してくれた営業さんはとにかく押しが強い。あれよあれよと言う間に付属品をてんこ盛りにした見積もりを出してきて「決めてくれるなら思い切った数字を出します!」と迫ってきました。その迫力に押されて、思わず「ハイ!」と言いそうになりましたが、ぐっとこらえて「妻に相談しないと決められません」と逃げました。なお、下取りは12万円でした。
 続いてトヨタD店。ここはヴェルファイアの専売店ですが、先日のトヨタB店とは経営資本の異なる会社です。アルファードの取り扱いの話をもち出すと「うちでも4月4日以降ならオーダーが可能です」とのこと。提示してきた値引き額は35万円でした。

【4月3日(金)】 トヨタA店の営業さんがアルファードの試乗車に乗って我が家を訪ねてきました。駐車場に入れて、バックドアを開けてみる。大丈夫! ガレージの天井にはとどかない。
 新たに提示してきた見積もりには車両本体値引き28万2008円、付属品(26万8950円)値引き9万9000円、下取り12万
5830円と記載。支払い総額は370万円となっていました。う~ん……いまひとつです。

【4月4日(土)】 経営資本の異なるトヨタE店へ。“妻が買い替えに消極的”話法と、これまでの経緯を伝えるが、営業さんの反応は鈍い。見積もりに値引き額の記載はなく、「決めていただけるなら頑張ります!」の言葉のみ。お菓子をもらって、早々に退散しました。

【4月5日(日)】 愛知には経営の違うネッツ系列が6社もあります。今回はそのうちのトヨタF店へ。
 実はクルマ関係の仕事をしている先輩から「トヨタ車を狙うなら、F店は最後にまわれ。競合を伝えると“値引きで勝負”に出てくる確率が高い」とのアドバイスをいただいていました。
 もちろん対象はアルファード。メールで商談の予約を入れておいたので話は早い。すぐさまベテランの営業さんが応対してくれました。
 これまでまわって来たお店での経過をすべてぶつけて競合をあおる。すると、エクシーガに20万円という高値を付けてきました。しかし、値引きは30万円。
 残念ながら一気に契約とまではいきません。

【4月22日(水)】 憎っくき新型コロナウイルスの感染が広がる中、4月16日、緊急事態宣言が全都道府県に拡大。当方もしばらく商談を中止して様子をうかがっていましたが、ぐずぐずしていると納期がどんどん遅れてしまう。
 そろそろ交渉を開始しようと思っていたら、仕事関係の知り合いでサブディーラーをやっている方が「Xさん、新車を購入するんだったら、ぜひうちも加えてください」と言ってきました。
 そこで、アルファードの見積もりを出してもらうと、値引きはなんと43万円! おおっ、これまで最高の値引きを出しているトヨタA店とほとんど変わらない数字だ。迷うなあ……。

【4月25日(土)】 トヨタB店の営業さんにメールを入れて、5月2日に商談の約束をしました。

【5月1日(金)】 先日、トヨタA店の担当営業クンにメールを入れたが、返信がないので、お店に電話を入れてみました。すると「申しわけありません。彼は休暇をとっています。代わりに私がご対応させていただきます」とのこと。若いけれど、とても親切で熱心な人だったので、残念……。ひそかにA店から買いたいと思っていたのでガックシ……ともあれ、明日の商談を予約しました。

【5月2日(土)】 14時30分、トヨタA店へ出向く。すると、休暇だったはずの担当クンが登場。
X「あれ? 休みじゃなかったんですか?」
セ「Xさんがいらっしゃるとの連絡を受けて出社しました」
X「えっ、休暇返上ですか! ありがとうございます!」
 正直、これには心が動きました。
 早速、いままでの経過を伝えて交渉を開始!
セ「Xさん、いくらくらいをご希望ですか?」
 キタ~! X氏シリーズでおなじみのセリフ、待ってました!
 実は昨日“値引きの神様”松本さんからメールが届いていました。そこには「アルファードは値引きが緩んでいます。値引き50万円超を目指しましょう。関東のディーラーでは値引き率12.5%の例が報告されています」と書いてありました。
 前回のトヨタA店の提示額は約38万円引き(値引き率9.6%)、下取り12万5830円で、支払い総額は370万円。そこで一気に支払い総額348万円をぶつけてみました。これは値引き率15%から割り出した数字です。
セ「う~ん……厳しいですね」
X「この数字はあくまでこちらの希望なので、すり合わせには付き合いますよ」
セ「わかりました。ちょっと上司と相談してきます」
 しばらく待っていると、奥から上司を引っ張ってきました。名刺を見ると、なんと部長さん!
部長「すみません。ご希望には添えませんが、350万円台の前半なら、なんとかします」
X「わかりました。妻に相談して明日、返事をします」
 なお、下取り額は20万円にアップしてきました。
 16時、トヨタB店へ。ここでも同様の希望条件を提示して、明日の商談を約束しました。

土壇場で“損して得取れ!” WinWin戦法で55万円!

【5月3日(日)】 まずはトヨタB店。
セ「Xさん、お待ちしていました!
ご希望にはとどきませんが、支払い総額373万円にします。いかがでしょうか?」
X「あれ? この見積もりには下取りが含まれていませんね。下取り込みだといくらですか?」
セ「下取りは前回お知らせした通り10万円です。下取り込みだと363万円。これが限界です」
X「納期はいつになりますか?」
セ「コロナの影響で遅れています。8月頭ですね。決めてください!」
X「他店との約束があるので、もう少し待ってください」
セ「ぜひともよろしくお願いします」
 お店を後にする。
 本命のトヨタA店に出向く前に、大手の買い取り専門店にエクシーガを査定してもらう。提示してきた買い取り額は8万円。下取りの最高額20万円を伝えると「ディーラーさん、頑張ってますねぇ。下取りに出したほうがお得です」と笑顔で送り出されました。
 トヨタA店へ。例の若い営業クンが元気に出迎えてくれました。この人、アルファードのいい面ばかりでなく、ネガティヴな面もしっかり教えてくれる。信頼感はピカイチです。
 欲しかった付属品を追加すると、総額は約436万円。提示してきた条件は下取りなしで391万円。値引きは45万円ということになります。営業クンから「パールホワイトを選ぶなら、ぜひボディコーティング(7万4800円)を!」と勧められるが、さほど必要性は感じません。
 ここで、妻からLINEが入りました。「後席のガラスフィルム、追加してね」とのこと。
X「うちの大蔵大臣がフィルム(6万1600円)を希望してるので、追加してください」
セ「わかりました。しばらくお待ちください」
 奥から上司を召喚!
上司「Xさん、コーティングの実績をあげたいので、ぜひ入れさせてください。コーティングとそのほかの追加の付属品を含めて、下取り込みで372万円! これでやらせてください!」
 え!? 思ったよりすごいのが出てきたんですけど! 逆算すると、値引きの合計は55万円を超えています。
上司「今月はコロナの影響で厳しいんです」
X「ところで、納期はいつ頃になりますか?」
上司「いますぐ決めていただければ6月中には納車できます」
X「わかりました。この場から、妻に相談させてください」
 LINEで状況を報告。
 5分後、上司と営業クンにスマホの画面を見せる。
妻のLINE「もう一声!」
 悶絶する上司と営業さん。
セ「上司と相談してきます」
 5分が経過。戻ってきました。
セ「すみません、これ以上の条件はちょっと……」
 妻にLINEを送る。
XのLINE「このお店は私たちがサポーターのサッカーチームのスポンサーさんだから今後、チームグッズをプレゼントしてもらうことで372万円でどう? 納期も他店より1か月以上早い」
妻のLINE「お任せします」
 LINE、終了。
私「OKが出ました!」
セ「ありがとうございます! グッズの件、頑張ります!」(笑)
 最終的な条件には車両本体/メーカーオプション(16万7200円)/付属品(53万4450円)から合計55万6138円引き、下取り額20万円で、支払い総額は372万円となっていました。
 店長さんが挨拶に登場したので「担当クンはわざわざ休暇を返上して商談に出てきてくれました。値段だけでなくこれも決め手になりましたね」と褒め称えました。すると「奥様にどうぞ」といってお菓子のお土産をくれました。


購入データ
From愛知県
TOYOTA アルファード
X(8人)
トータル値引き 55.6万円

値引き採点 5
車両本体とメーカーオプション16万7200円/付属品53万4450円から合計55万6138円引き。値引き率は13.2%。ここまで取れたら文句なしのウルトラCクラス。下取り額も割高。


提供元:月刊自家用車

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