新車値引き情報
更新日:2020.05.26 / 掲載日:2020.05.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

刻一刻……車検切れリミット! 憎っくきコロナに救われた!? 嘘か真か?「社割」より安い!?

【プロローグ】 12年前に購入したステップワゴンの車検切れが近づいてきました。ホンダA店に出向いて、車検費用の見積もりを出してもらうと……。
 なんと30万円! 聞けば「大がかりな部品の交換が必要」とのこと。自宅に戻って緊急家族会議を招集します。
X「思い出がいっぱい詰まったステップワゴンだけど、寄る年波には勝てないね。ちょうど車検切れだし、買い替え時だと思うよ」
妻「でも、消費税が上がったばかりだし、子供達にお金もかかるし……あれ? たしか12年前もこんなやり取りしたよね」(笑)
X「そうそう、あのときは『月刊自家用車のX氏に応募して採用になったら買い替えよう!』ってことになったんだね。で、応募したら、見事に採用された」(笑)
妻「じゃ、今回もそれでいきましょう!」(笑)
 すぐさま月刊自家用車のウェブサイトにアクセスして応募を完了。
 そして、数日後、今回も見事に採用。これで買い替えが決定!
 再び家族会議を招集して、クルマ選びを開始。妻の希望は、
・運転しやすいこと(とくに視点が高いことと、横幅が下取り車のステップワゴンを超えないこと)
・自動ブレーキなど最新の安全装備が充実していること
・長く乗れること(子供達が免許を取る頃まで使うつもりです)
・我が家の家計に分相応な価格であること
 これをもとに私の希望(コンパクトSUVもしくはワゴン)を加えて選んだのが別記の候補車です。
 いくらX氏の経験があるといっても、それはすでにひと昔以上前のことです。そこで、事前に行なった作戦会議では、松本さん(12年ぶりです!)から最新のノウハウとテクニックをたっぷり伝授していただきました。
 車検満了まで2か月を切っているので急がなくてはなりません。折しも新車市場は年度末決算商戦、真っ盛り。松本さんいわく「短期決戦を仕掛けるには最高のタイミングです!」。

【2月15日(土)】 我が家は神奈川県といっても県境が近いので、かんたんに東京へ越境できます。今回の商談では地元だけでなく、東京の新車ディーラーとも積極的に商談するつもりです。
 まずはスバルA店へ。応対してくれた営業さんは、とても穏やかで、いい感じ。どことなく「中堅のTVアナウンサー」という雰囲気が漂っています。
 XVに試乗。試乗車は希望の1.6Lではなく、2Lだったせいか、とてもパワフル。急な登り坂も楽々走れます。ディーラーさんの敷地内でアイサイトによる自動ブレーキも試させてもらいました。
 ここで異変が起きた! 妻的には無印だったXVですが、アイサイトを実体験して「凄い!」と感動。XVが圏外から一気に有力候補に浮上してきた感じです。
 ただし問題は値段。メーカーオプションの運転支援システムを選んだ結果、総額は1.6Lでも340万円弱! 提示してきた値引きは約8万円なので、支払い総額は330万円を超えています。
X「完全に予算オーバーです」
セ「Xさん、残価設定型クレジットという便利な買い方がありますよ。将来の下取り価格を頭金として利用できるので月々の支払いが安くなります。いかかでしょうか?」
 おっ、出た、噂の「残クレ」!
 作戦会議でこれについて教えてもらったばかりです。松本さんによれば「最近の傾向としてディーラーは残クレを積極的に勧めてきます。しかし安易に利用しないほうがいいと思います」とのことでメリットとデメリットをしっかり説明してくれました。その結果「現金支払いができるなら残クレは利用しないほうが得策」ということになりました。そこで「我が家では現金で買えないようなクルマはNG」ということになっているんです」と、お断りしました。事前に残クレの仕組みを教えてもらっていなかったら、もしかすると話にのってしまったかも……。
 値引きの上乗せはまだまだできそうな気配でした。なお、これまで乗ってきたステップワゴンは12年落ち/車検切れ間近なので、査定は期待できません。そこで、当初は「下取りなし」で見積もりを出してもらうことにしました。
 次は本命のヴェゼル。松本さんの「馴染みの店は後回しにしたほうがいい」とのアドバイスに従って、付き合いのあるホンダA店ではなく、まずは経営の違うホンダB店を攻めてみます。
 担当してくれたのは入社2年目の爽やかなお兄さん。聞けば、「憧れのヴェゼルを社割で購入するために入社した」そうです(笑)。
 まずはフリード+に試乗。普段ステップワゴンを運転しているせいか、運転感覚はほとんど同じ。すると、フリード+に興味を示していなかった妻が「これ、いいね!」と前向きになってきました。
 続いてヴェゼル。今の今まで「かっこいい!」と言っていた妻が、試乗すると「ハンドルが重くて運転がしにくい」と、ダメ出しです。
 はっきりした値引き条件の提示はなかったですが、15万円以上はできそうな印象でした。
 帰りのクルマの中で家族会議。妻の気持ちとしては「ヴェゼルはなし。フリード+もいいけれど、スバルXVもいい」とのこと。アイサイトの実体験は今回のクルマ選びを大きく変えたようです。

まさかの下剋上。大穴が本命に! あま~い罠!?「残クレ」を看破!

【2月16日(日)】 ダイハツに出向きました。息子は展示してあるロッキーに心を奪われたようで「お父さん、このお店、いいね!」。わかりやすい反応です(笑)。
 ロッキーに試乗。穏やかな中年営業マン氏が事前に安全装置に関して丁寧に説明してくれる。ただしスバルとは違って実体験はできないとのこと。ちょっと残念。
 SUVにしてはハンドルが軽く、小回りも効くが、坂道に差し掛かるとエンジン音が室内に響き渡るのが気になります。
セ「おかげさまでロッキーは予想を上回る売れ行きです」
X「値引きはどれくらい?」
セ「基本は5万円です」
 思ったより渋い。
セ「ほかにはどんなクルマをお考えですか?」
X「XVやフリード+を考えています。それからライズも有力候補ですね。今日は午後からトヨタに寄るつもりです」
セ「ライズはダイハツで製造しているクルマなんです。だからトヨタさんには負けたくありません」
X「うちはブランドにはこだわりませんよ。ロッキーとライズは同じクルマなのでお買い得なほうを購入するつもりです」
セ「頑張るので、ぜひまたご来店をお願いします!」
 期待しましょう。
 トヨタA店へ。どことなく、お笑い芸人さんの雰囲気をもったお兄さんが応対してくれました。
 私が本命と考えているカローラツーリングに試乗。運転していて楽しいし、乗り心地もいい。ただし、妻は「視点が低いね。3ナンバーは分不相応」と拒否反応がハンパない(笑)。ちなみに、子供達はお菓子とジュースを振る舞われて「この店、いいね!」。ほんと、わかりやすいです(笑)。
 ライズにも試乗。やはりエンジン音が気になります。
 試乗後、営業さんは、私がカロツーを気に入っているのに、妻が乗り気ではないという状況を察知したようで「新型カローラは女性にも扱いやすくできています。奥様でも楽に運転できますよ」と、フォローしてくれました。ただし、妻はプライドを傷つけられたようで逆効果でした。
 提示してきた値引き条件はカローラツーリングが15万円、ライズが8万円。もちろん、まだまだ上乗せがききそうです。
 夜、家族会議を招集。これまでの結果をもとに検討したところ、ヴェゼルとカローラツーリングが脱落。フリード+が本命に浮上し、ロッキー/ライズが追いかけるというかたちになりました。もちろんXVもしっかり残っています。
 私としてはカロツーが消えたあと、ひそかにXVを推しています。妻もスバルのアイサイトに大きな魅力を感じていますが、ネックは値段。よほどの大幅な値引きが飛び出さないと、難しそうです。松本さんによれば「スバルには越境作戦が一番効果的です。地元・神奈川と東京の争いに持ち込むのが攻略のカギになります」とのこと。そこで、スバルA店とは経営の違うスバルB店に商談の予約メールを入れました。

【2月20日(木)】 ステップワゴンのメンテナンスでお世話になっている、ホンダA店の営業さんから様子伺いの電話が入りました。そこで「ヴェゼルは奥さんからNGが出てしまいました。ロッキー/ライズとXVを検討していますが、ステップワゴンに運転感覚が近いということでフリード+も有力候補です。決定の重要なポイントは支払い条件ですね」と伝えて、商談の予約をしました。

【2月23日(日)】 スバルB店へ。応対してくれたのはジャニーズ系のお兄さん。入社4年目で、ご本人がインプレッサに乗っているということで、その特長を臨場感たっぷりに語ってくれました。ワゴン好きの私は大いに魅力を感じ、候補に加えたいとまで思ったけれど、妻にはまったく響かず……(涙)。
 XVの1.6Lモデルを試乗。2Lに比べるとパワーの違いを感じるが、日常生活では十分なのかな。子供達はジュースを飲みながらVRアイサイト体験を満悦して「このお店、すごくいい!」。
 提示してきた値引き条件は車両本体から5万5000円引き、付属品(34万5115円)から6万6765円引きの合計12万1765円引き。前回より付属品を削ったのですが、支払い総額は303万8365円と出る。
X「問題は値段です。思い切った数字をお願いします」
セ「では、これでどうですか?」
 支払い総額を293万円まで下げてきました。逆算すると、値引きの合計は約23万円。まだまだ納得できる数字ではない。なお、2.0e-Lアイサイトは値引き23万1765円で、支払い総額317万4495円とのこと。
 次はホンダA店。なじみの営業さんにはメールで「目標は支払い総額250万円」と伝えておいた。
セ「フリード+だと、納車が5月のゴールデンウィーク明けになってしまいます。ステップワゴンの車検切れに間に合わせるなら、プラスではなく、通常の3列シートのフリードはいかがですか? これなら値引き22万円で、支払い総額を248万円にします」
 こちらの希望に合わせてしっかり250万円を切ってきた。
X「4人家族の我が家に3列シートは必要ないし、かえって使い勝手が悪くなりそうです」セ「では、もういちどステップワゴンはどうですか? いまなら大幅な値引きができます。支払い総額300万円でいけますよ」
X「検討させてください」
 戻って家族会議。ステップワゴンは論外、3列シートのフリードもボツ。さらにロッキー/ライズは乗り心地や静粛性の面からボツ。となると、やはりフリード+ですが納期が問題。2か月近くもマイカーなしの生活を送るのは抵抗があります。一方、スバルは「4月上旬に納車できる」とのこと。
 ここにきてXVが急浮上。そこでスバルA店とB店にメールで商談の予約を入れる。こちらの本気度が伝わると、いいんだけど……。

退路を断って「実印」勝負! さよなら、スーパーカブ(涙)

【2月29日(土)】 スバルA店へ。笑顔で出迎えてくれた営業さんにスバルB店の条件(支払い総額293万円)を伝えて、
X「アイサイトを実体験したことで、拒否反応を示していた妻が『スバルもあり!』に変わりました。私は以前から隠れスバリストなので異論はありません。いまやXVが本命なんですよ。支払い総額が270万円になるならこの場で決めるつもりです」(逆算すると値引きは45万円を超えることになります)
セ「しばらくお待ちください」
 奥に引っ込んで相談してくれましたが、結果はギブアップ。営業さんいわく「270万円になるなら、私も買いたいくらいです」。
 ハードルが高すぎたのか……この営業さん、とても親切だったので、脱落は残念。最後まで「また何かあれば、相談してください」と、温かい言葉をかけてくれました。 最後の砦、スバルB店へ。ここに至った経緯を説明して、
X「今日は実印を持参しています。こちらとは経営の違うスバルさんとも商談していたのですが、スバル同士を競合させるのは気が引けるので、お断りしてきました。正直、XVを選ぶならあなたから買いたいと思っています」
セ「ありがとうございます!」
X「で、事前にお伝えした270万円はどうですか?」
セ「すみません。上司に相談したんですが、270万円はまったく無理です」
 提示してきた1.6i-Lアイサイトの条件は車両本体とメーカーオプション/ 付属品(41万2544円)から約32万円引きで、支払い総額は290万円。当方の希望より20万円も高い。
セ「これが限界です。ところで、Xさんは2Lもお考えということなので見積もりを出しておきました。こちらは1.6Lより値引きが大きくなりますよ」
 2Lは車両本体とメーカーオプション/付属品から約40万円引きで、支払い総額は305万円。
 あれ? 2Lは割安感が大きい! 実は、両方を乗り比べた結果、「できたらパワフルな2Lを選びたい!」と思っていました。
X「すいません。この場で家族会議を開いてもいいですか?」
セ「どうぞ、どうぞ。私は席を外します。ごゆっくり、どうぞ」
 緊急家族会議を開催。
X「う~ん……2Lのほうが……」
妻「いいんでしょ!」(笑)
X「正解!」(笑)
妻「いいわ。悔いのないようにしましょう。問題は予算オーバーをどうするかね」
X「よし、おれのポケットマネーで、なんとかする! 実はスーパーカブを買おうと思って貯めていたへそくりがあるんだ。これを充てるよ。家族の安全を優先したらアイサイトに乗りたいからね」
妻「正解! じゃ決まりね」(笑)
 営業さんを呼び戻す。こんどは妻に席を外してもらった。
X「なんとか妻を説得しました。で、狙いを2Lに変更します。納期はどうなりますか?」セ「1.6Lと同じです。早ければ4月頭に納車できますよ」
X「ステップワゴンの車検切れが3月中旬なんで、納車まで代車を出してもらえますか?」セ「コロナウイルスの影響で車検切れが特別に延長できます。ステップワゴンには4月末まで乗っていられますよ」
X「おおっ、よかった! 実は、予算を上回った分は私のポケットマネーで補填することになっているんです。だからなるべく出費を抑えたいんですよね。しかもいざ買うとなったら、ナビのランクアップなどさらに欲しいオプションが出てきちゃいました。これを追加するので、値引きの上乗せをお願いします」
 追加の付属品やメンテパックなどを含めて見積もりを出してもらうと、総額は363万円となる。
セ「ご希望はいくらですか?」
X「310万円です」
セ「え~、値引きが50万円を超えてしまいます。無理です!」
X「では、あのステップワゴンを下取りに出しますよ。実は、ここにくる前に買い取り専門店に寄ったのですが、12年落ちなので普通はゼロ査定だけど、走行距離が6万km弱と少ないので多少の値段が付くといわれました」
セ「わかりました。上司と相談させてください」
 しばらくして戻ってきました。
セ「下取り込みで支払い総額を317万5000円にします。もう千円単位の端数も削れないところまできています(声を落として)正直、社割より安いですよ」
X「わかりました。では、最後のお願いです。シャークファインアンテナ(2万4200円)とドアエッジモール(7040円)を付けて318万円になりませんか? OKなら決めます!」
セ「え~、その2点で3万円を超えているじゃないですか……う~ん……もう一度相談させてください」
 10分ほどして戻ってきた。
セ「Xさん、318万円、OKです。決めてください!」
 これで決定です。
 注文書には車両本体とメーカーオプションから21万3760円引き、付属品(54万3885円)から18万4685円引き、そして12年落ちのステップワゴンにはなんと6万2390円(リサイクル料1万2390円を含む)の値が付いていました。

購入データ
From神奈川県

SUBARU スバルXV
2.0e-Lアイサイト
トータル値引き 32.5万円

値引き採点 5
車両本体とメーカーオプションから21万3760円引き(値引き率7.4%)、付属品54万3885円から18万4685円引き(同34.0%)。下取り額の6.2万円は年式を考えると破格の高取りだ。

提供元:月刊自家用車

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